一歩届かず。準優勝で大会を終える

男子バスケットボール

 最終日を迎えた京王電鉄杯。3勝1敗でBブロックを通過した早大は全勝でAブロックを通過した青学大との優勝決定戦に臨んだ。格上の相手に対して一進一退の攻防を見せるも、あと一歩届かず。惜しくも準優勝でこの大会を終えた。

 序盤から早大の強みであるディフェンスで戦おうと、体力を消耗するオールコートのディフェンスを仕掛け、相手にプレッシャーをかける。オフェンスはやや精彩を欠き、 最高の試合の入りとは言えなかったが、F濱田健太主将(社4=福岡第一)のスリーポイントシュートやC富田頼(スポ4=京都・洛南)のポストプレーで着実に点数を重ね、2点差で第2クオーター(Q)へ。ガード陣が積極的にカットインするも青学大のダブルチームに阻まれ、攻めあぐね、相手に主導権を握られてしまう。しかし、ここで終わる早大ではない。第2Q終了間際の3連続得点で一気にワンゴール差まで追いつき、早大ベンチの盛り上がりは最高潮に達する。36-38で前半終了のブザーが鳴る。

リバウンドやポストプレーで活躍した富田

 良い流れで迎えた第3Q。後半開始から3分、F津田誠人(スポ1=京都・洛南)が沈めたスリーポイントでこの試合、初めてのリードを奪う。「ディフェンスで粘り続ければいつか流れは来るから頑張ろうと話をして、結果後半流れが来た」という濱田の言葉通り、流れは完全に早大のものに。青学大のシュートの精度も前半に比べると落ち、そのまま勝利をつかむと思われた、しかし、勝負はそれほど甘いものではなかった。最終クオーター、ターンオーバーの連続から立て続けに相手の得点を許し、みるみるうちに点差は縮まる。その後は両軍引けを取らず、早大はC小室悠太郎(社2=石川・北陸学院)が得意の外からのシュートを決め、残り2分でのスコアは、73-73。アリーナの観客が固唾をのんで、勝負の行方を見守る。早大の敗北が決まったのは、残り1分30秒。スリーポイントシュート中のファウルで、まさかの4点プレー。相手はフリースローも着実に沈め、73―77で敗戦。

ディフェンスで積極的に声を出していた濱田

 きょうの勝負を分けたのは、「ここぞというときのシュートを決めること、そして終盤の状況判断」と小室が試合後に語ったように、決定的なシュートを決めきれなかったきょうの一戦。結果的にそれが青学大とのわずかな差となり、黒星を喫してしまった。それでも早大のバスケットを体現することができた試合となり、試合後の選手たちの表情に暗さはなかった。3週間後に待ち受ける春の関東大学選手権に、まずは全てをぶつけてほしい。

(記事 小林理沙子、写真 阿部かれん)

第34回京王電鉄杯
   1Q 2Q 3Q 4Q 合計

早大

20 16 27 10 73
青学大 22 16 18 21 77
◇早大スターティングメンバー◇
G#13 長谷川暢(スポ4=秋田・能代工)
F#20 津田誠人(スポ1=京都・洛南)
C#21 宮本一樹(スポ1=神奈川・桐光学園)
C#26 富田頼(スポ4=京都・洛南)
F#27 濱田健太(社4=福岡第一)
コメント

F濱田健太主将(社4=福岡第一)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

最初から青学大がフィジカルが強くてバランスの良い攻撃をしてくるということがわかっていたので、そこに受け身にならずにちゃんと向かっていこうという話をしていて、それはチーム全員でできたと思うんですけど、最後の勝負どころでワセダはミスが連続して青学大はシュートを決めきって負けてしまったというのは真摯に受け止めなければいけないと思います。

――序盤からオールコートで当たっていましたがどのような作戦だったのでしょうか

きょねんもおととしもワセダはオールコートでガンガン当たっていくということを強みとしてやって来ていたので、それを先週練習して実際に試してみたというかたちで。まだまだ連携が取れていなかったところはあるんですけど、少しいい結果を出せたかなと思います。

――3、4ピリオドでワセダの流れになったと思うのですがハーフタイムではどのようなお話がありましたか

最初の方なかなか流れが来なかったのもオフェンスがうまくいかなかったところだったんですけど、オフェンスがうまくいかなくてもディフェンスで粘り続ければいつか流れは来るからディフェンスは頑張ろうと話をして、結果後半流れが来てそういう点差になったのかなと思います。

――ディフェンスからという声を出していたと思うのですがそれは体現できましたか

ディフェンスをリバウンドまでやるというのは大事にしていて、それを試合中に僕は声をかけ続けていたんですけど、きょうの1試合というのはデータ的にもリバウンドをちゃんと取れていたし、勝負どころの終盤でもリバウンドのところで失敗というよりはトランジションで打たれてしまったところの失敗だったので、ディフェンスの部分ではある程度の結果は出せたかなと思います。

――ご自身のプレーはいかがでしたか

前半は積極的にリングにアタックできて点数を取れたと思っているんですけど前半調子が良かった分後半にスリーポイントを警戒されたときにいかに中にドライブしていけるかというところが自分の中できょう課題にあがったのではないかと思います。

――準優勝という結果についてはどう思われますか

一試合一試合勝ち負けにこだわってはいるんですけど準優勝という結果には嬉しかったり悲しかったりとかはなくて、結果よりも一試合一試合で自分たちのやりたいことをやって相手にはやりたいことをやらせないということをある程度徹底できたというのは良かったと思います。

――春のトーナメント戦に向けて意気込みをお願いします

早慶戦も控えていますけど、春の一番大きな大会となっていて、そこに向けて春は調整を進めているので、残り時間も少ないですけど連携の部分でまだまだ詰めれるところはたくさんあると思うので完成度を上げて臨みたいと思います。

C小室悠太郎(社2=石川・北陸学院)

――きょうは青学大との対戦でしたがどのような対策を立てていましたか

スカウティングとかあまりしてない状態で昨年やっていたのを見て、ペースが速いっていうのと、フィジカルが強いところがあるので、そこで負けないこと。早大もペースを速くしないと勝てないチームなので、同じ土俵に立ってそこで打ち勝つことで勝てるんじゃないかなと最初言ってたんですけど、やっぱりこういう結果になったので。戦えていた部分はあると思うので修正するところは修正して頑張っていきたいと思います。

――ここぞというところでの得点やスリーポイントが目立っていましたが、ご自身のプレーを振り返っていかがですか

打つべきところで打って決められた部分はあったんですけど、ノーマークで外すこともあったんで、そこで決め切る精度を上げることと、最後、ファウルもらおうとして変なスリー打っちゃったのとかはドライブ行けたのに行かなかったんで、そこでもらうということを自覚して、ドライブとシュートのセレクションをしっかり良くしていきたいです。

――きょうの敗因は何だと考えていますか

ターンオーバーが連続してしまってそれで相手に連続得点をされたことによって10点差とか開いてたのが詰められたりっていうのがまずひとつと、最後シュートを打つ機会が3つか4つあったんですけど、そこで決め切れなかったことの判断ミスだったりですね。あとは前半もなかなか苦しい展開だったんですけど、入りから相手を圧倒しなきゃ早大は勝てないんで入りを良くすることと、ここぞというときのシュートを決めること、あと終盤の状況判断、この3つが欠落していたので、敗因はそこ3つですね。

――準優勝という結果になりましたが、どのように受け止めていますか

リーグ中も4つ勝つ場合もあるし逆にほとんど負ける場合もあり得ると思うんで、次のトーナメントは負けたら終わりなので、この結果は忘れてトーナメントに切り替えていきたいと思います。

――2年生になり後輩も入ってきましたが、先輩として何か意識していることはありますか

みんな運動能力も高くてバスケットも上手いんでのびのびやってもらいたいので、上から物を言うとかは僕はあまりしなくて、それはもう他の人が言ってくれるんで。ドライブ行くコースを作ったりだとか、ミスしたとき声を掛けるとか普通にチームメートにいつもやってることをやって、特別なことはやってないです。

――春のトーナメントに向けて意気込みをお願いします

初戦まず勝って、昨年負けた日体大がもし順当に行ったら当たるので日体大にも勝って、と先を見ずに目の前の相手を全員ぶっ倒すつもりで一歩一歩頑張りたいと思います。