天国から地獄へ…波乱の1戦を落とす

男子バスケットボール

 あまりにも劇的、かつ無情な結末であった。「前半粘れたのは良かった」とG森井健太主将(スポ4=京都・洛南)が振り返ったように、後半勝負をかけるというゲームプランを遂行できていた試合となった。しかし勝利目前の残り1分で6点差を追いつかれると、残り0.4秒、相手のラストワンプレーで得点を許す。それでも冷静だったG長谷川暢(スポ3=秋田・能代工)がスリーポイントを沈め歓喜に沸く。だがこのシュートは時間内ではないと判断され敗戦。66-68、あまりにも悔しい敗戦となった。

 試合はまず早大が流れに乗る。C小室悠太郎(社1=石川・北陸学院)の連続ゴールなどで8点を先取する。しかし、前回対戦でも苦しめられた青学大のセットオフェンスに手を焼き、すぐにリードを奪い返されてします。第2クオーター(Q)も失点は多かったものの、小室とC富田頼(スポ3=京都・洛南)のインサイド陣を中心にオフェンスで粘りを見せ、11点差で試合を折り返す。すると第3Q、前半の粘りが報われ、猛反撃を見せる。ディフェンスではドライブに対する速いカバーと前からのプレッシャーで5失点に抑え込むと、オフェンスではF新川敬大(スポ4=東京・京北)が躍動。独特の高い弧を描く美しいスリーポイントを3本沈めるなどこのQ11得点の大活躍。逆転の立役者となった。

森井はチーム最多の6アシスト

 見事リードを奪い迎えた最終Q、早大はF濱田健太(社3=福岡第一)が2本の速攻や、富田のオフェンスリバウンドからの得点で残り1分で6点のリード。しかしここから落とし穴が待っていた。オフェンスリバウンドを粘り強く奪い最後まで得点を重ねた青学大に同点に追いつかれると、次のオフェンスをミスしてしまう。残り0.4秒。守り切れば延長の場面で青学大のスローインとなった。森井が試合後「隙を突かれた」と語った通り、ゴール下で相手選手を完全にフリーにしてしまう。誰もが諦めかけたかと思われたその直後、喜ぶ相手の隙を逆に突いた長谷川がスリーポイントラインの前でボールを受ける。すぐに放ったシュートは見事リングに吸い込まれ、奇跡の逆転勝利かという早大は狂喜乱舞した。しかし、審判の判定は無情にもノーゴール。時間を過ぎていたと判断されてしまった。結果的に最終スコア66-68で敗戦。重すぎる1敗となった。

新川のシュートがチームに流れを呼んだ

 リーグ戦の勝敗で並ぶ青学大に対し、痛い形での敗戦となった早大。非常に切り替えるのが難しい負け方となってしまったように思われるが、混戦模様のリーグ戦で最終週となる次週で連勝を収めれば、目標とするベスト4へ希望は残っている状況だ。手痛い敗戦となってしまったことは事実だが、リーグ戦ベスト4、ひいてはインカレ優勝という目標に繋がる試合を見せる早大の姿に次週は期待したい。

(記事、写真 秋間勇人)

第93回関東大学リーグ戦
   1Q 2Q 3Q 4Q 合計

早大

16 17 21 12 66
青学大 23 21 19 68
◇早大スターティングメンバー◇
G#18 森井健太主将(スポ4=京都・洛南)
G#15 森定隼吾(商3=岡山・倉敷青陵)
C#26 富田頼(スポ3=京都・洛南)
F#27 濱田健太(社3=福岡第一)
C#41 小室悠太郎(社1=石川・北陸学院)
◇主なスコアリーダー◇
得点  富田頼:21得点
リバウンド  富田頼:16リバウンド
アシスト  森井健太:6アシスト
コメント

G森井健太主将(スポ4=京都・洛南)

――最後失点してしまったプレーについて聞かせていただけますか

その前の2本のオフェンスで決めきれなかったというのがまずあって、あまり気持ち的に乗っていない状態のディフェンスだったので、隙を突かれたというか、コミュニケーションミスがあったので、やられるべくしてやられたのかなと思います。

――試合全体を振り返って

前半しっかり離されすぎずに粘れたというのはプラン的には良かったかなと思っています。1周目の対戦の時は前半が悪くて16点差まで行ったので、そこをチームとして粘れたというのは良かったかなと思います。

――後半逆転というのは試合前から想定していた展開でしたか

前半からプレッシャーをかけていって、相手が疲れ始めた時に自分たちの流れを持ってこようというのはワセダの戦い方だと思うので、それを出せたというのは前半しっかり粘れたという所があるからなので、そういう意味ではいい経験になったかなと思います

――後半のディフェンスについて

流れが良い時っていうのは全員がディフェンスでイニシアチブを握れていると思うので、そこはやっぱり練習からやってきたことができたかなと思います。

――勝敗で並ぶ青学大に対する1敗は重いと思いますがどう捉えていますか

きょうだけではないんですけど、こういう接戦をものにできなかったというのは、チームとして足りない部分が多いと思うので、そこを改善できるかどうかがインカレに向けても大事だと思うので、この1敗をチームとして重く受け止めてこれからの練習に生かしていきたいと思います。

――次戦は首位の拓大戦ですがどういう戦いにしていきたいですか

インカレもある中、来週リーグ戦最終週ということで、ここまでリーグ戦通してやってきたことを前面に出してチャレンジャーとして戦いたいなと思います。