本来の姿取り戻し連敗を脱出

男子バスケットボール

 4連敗中の関東大学リーグ戦(リーグ戦)。残すところも4試合となったこの日は東海大と対戦した。G長谷川暢(スポ3=秋田・能代工)が「雰囲気に飲まれないように」と振り返ったように、相手への大声援がこだまする会場だったが、終始競った展開の試合となった中、粘り強く戦い最後5分間のディフェンスで圧倒し71-63で勝利。連敗を脱出した。

 立ち上がり5分間はなかなか得点が伸びず苦しむ展開になるかと思われたが、F濱田健太(社3=福岡第一)の2本のスリーポイントなど外を中心に反撃する。ディフェンス面でもリズムをつかんだ早大は第2クオーター(Q)さらに勢いに乗る。前からのプレッシャーディフェンスで速い攻撃を見せると、リードしたのはG石原卓(社4=東京・京北)。ドライブからC岡野佑紀(スポ3=愛知・千種)に見事なパスを通すと岡野もこれにバスケットカウントで応える。石原はその後もタフショットを決めるなどチームを引っ張り12点のリードを奪う。ここから反撃を受け1点差まで迫られたものの、石原が大胆なスリーポイントで流れを引き戻しリードして前半を終える。

ドライブとスリーポイントで貢献する長谷川

 第3Qは突如として打ち合いになり、速い展開でゲームが進む。そんな中残り1分、相手のバスケットカウントでついに逆転を許す。しかし30秒後、速攻からG南木俊樹(社4=東京・早実)がバスケットカウントをやり返し粘りを見せる。勝負の最終Q、ミスから3連続フィールドゴールを許し雲行きが怪しいかと思われた。しかしここでチームを救ったのは、ここ最近絶好調のC富田頼(スポ3=京都・洛南)だった。ゴール下でオフェンスリバウンドを拾い得点に繋げると、2点ビハインドの場面でスリーポイントを沈めガッツポーズを見せる。この得点で火が付いたか、最後5分間のディフェンスで相手をたった4得点に抑え込み、71-63で勝利を手にした。

石原は大胆なプレーでチームをけん引する

 「自分たちのバスケを見つめなおした」(石原)という言葉通り、前半戦に見せていた、粘り強いディフェンスから後半勝負を仕掛け畳みかけるというスタイルを体現し勝利を手にした早大。長谷川も「相手にフォーカスしすぎてしまっていた」と語ってくれたように、連敗中は自分たちのバスケを見失ってしまっていたのかもしてない。目標とするベスト4を達成するために、これ以上の負けは許されない。あすは前回激戦の末敗れた青学大との試合となる。きょうのような試合を継続し、絶対に連勝をおさめてくれるだろう。

(記事 秋間勇人、写真 阿部かれん)

第93回関東大学リーグ戦
   1Q 2Q 3Q 4Q 合計

早大

13 18 23 17 71
東海大 12 15 23 13 63
◇早大スターティングメンバー◇
G#18 森井健太主将(スポ4=京都・洛南)
G#15 森定隼吾(商3=岡山・倉敷青陵)
C#26 富田頼(スポ3=京都・洛南)
F#27 濱田健太(社3=福岡第一)
C#41 小室悠太郎(社1=石川・北陸学院)
◇主なスコアリーダー◇
得点  富田頼:15得点
リバウンド  富田頼:10リバウンド
アシスト  森井健太:5アシスト
コメント

G石原卓(社4=東京・京北)

――きょう5試合ぶりに勝ちましたがどうでしたか

4連敗してたのでチームもさすがに崖っぷちというか、次勝たないと下位リーグにまわってしまうので気合いはみんな入ってたんですけど、その中でも4年生がチームを引っ張っていこうと話し合っていたので、その結果勝てたのかなと思いますね。

――この1週間何をやってきましたか

この1週間というよりかは、リーグ戦中ずっと相手のスカウティングをしていたんですけど、相手のスカウティングをしても自分たちのバスケットボールが出来ていなければ勝てないというのを再確認したので、この1週間はずっと自分たちのバスケを見直すというか、ディフェンスはまずどうすればいいのか、プレスはどうやるのかをまず見直して、相手よりも自分たちのバスケを40分間続けようという気持ちで練習してました。

――きょうはシュートの思い切りの良さが目立っていましたが

僕はあまり考えないほうがいいかなと思っていて、森井とかは考えてバスケしてると思うんですけど、僕の場合は自分が行こうと思ったら行けばいいし、ちょっと止まるなら止まった方がいいかなとか単純なので、きょうに限らずずっと思い切りの良さは継続していこうかなと思います。

――ディフェンス面はどうでしたか

きょうはディフェンスリバウンドを結構取れていたとスタッフが言っていて、ディフェンスリバウンドがずっと課題とされていたのでそこの面は良かったなと思っていて、あと相手がピック来たときにコンタクトするというのがワセダのディフェンスなんですけど、それをきょうやっぱり1週間の間に見直せたので、ファールが起きちゃったかもしれないですけど、激しく動けている証拠なので良かったかなと思います。

――最後に明日の試合への意気込みをお願いします

ここでもう1回青学大に負けてしまったら、元どおりに戻ってしまうというか、きょうの価値が意味ないので、きょう勝ったからには明日も2連勝して、来週最後のリーグにも繋げていけたらなと思います。

G長谷川暢(スポ3=秋田・能代工)

――5試合ぶりの勝利ということでいまはどんな気持ちですか

4連敗してチームとしては沈んでいたところがあったのですが、相手のホームゲームということで、雰囲気にのまれないようにやろうということを言っていて、練習の中でも立て直す力というのを意識してやってきたのでそれがきょうの勝利に繋がって良かったです。

――1週間どんなことをしてきましたか

相手にフォーカスしすぎていた部分があったので、自分達のバスケに立ち返ろうということで、今週1週間は自分たちのディフェンス、オフェンスとワセダのことだけをやって相手の事はあまり意識せず、自分達のバスケをするということに集中してやっていました。

――きょうの試合を振り返って

最初から自分たちの良い流れでできていたし、ミスとかも多少あったんですけどシュートも入ってきてなんとか繋いで繋いでという状況が多く続いたので、まああまり逆転されて一気に離されるケースも無かったので、そこは力がついてきたのかなと思います。

――長谷川選手はリングにアタックすることを強く意識しているという風に感じます

そうですね、それが自分の得意なプレーでもありますし、チームに勢いを与えられることや、リングにアタックすることでディフェンスに寄りますし、そこは監督が自分に求めている部分だと思うし、そうすることで周りもついてきていい流れが出来ているのを自分でも実感するのでこれからも続けていきたいなと思っています。

――きょうの試合はチーム全体としてシュートの思い切りの良さを感じましたが意識はありましたか

シュートの練習も多くしてきていますし、チームとしてのシュートも多くあったので、入らないシュートは自分勝手になってノーマークだったら打っちゃうとか、チームとしての流れではない時に打っていたと思います。それに対して今日はドライブしてキックアウトしてシュートを打ったり、チームとして打てていたと思います。

――ディフェンスで意識したことは

リバウンドは小さいチームなので、2メートル近い大きな相手がいたんで、そこに関しては自分たちがディフェンスリバウンドをボックスアウトするというのが徹底できていて、ビックマンも頑張っていましたし、弾いたボールをガードが飛びついてもいたし、ルーズボールの面でもきょうは気持ちのこもったプレーが多かったと思います。

――あしたの試合へ意気込みをお願いします

チームとして連勝するということを目標にしているので、残り3試合しかないんですけど、ワセダらしくインカレ優勝に向かっていけるようなゲームにしたいです。1周目では負けてしまっていますがしっかりリベンジして次につながるゲームにしていきたいです。