関東大学リーグ戦(リーグ戦)第13節のきょう、早大は大東大と対戦した。先週連敗を喫している中絶対に勝利したい1戦であったが、試合後G石原卓(社4=東京・京北)が「気持ちが入っていなかったと」語ったように、第3クオーター(Q)まではミスも目立ち相手に圧倒されてしまう。それでも第4Q、怒涛の追い上げを見せ延長戦にまで持ち込む。迎えた延長戦、大きなリードを奪い白星は目前かと思われたが、守り切ることができなかった早大が92-94で悔やみきれない敗戦となった。
第1Q序盤はC富田頼(スポ3=京都・洛南)がゴール下で熟練のスコアリング技術を見せつけるなど得点を着実に重ね、早大が主導権を握って試合を進めていく。しかし、このQ終盤からターンオーバーなどミスが目立つようになり、試合は徐々に大東大ペース。第2Q以降は相手のアウトサイドシュートを止めることができずどんどん点差が開いていく。点差を詰めたい場面でフリースローを獲得してもこれをことごとく落としてしまうなど、いつもの姿を見せられないまま45-66で最終Qを迎えることとなった。
圧倒的な個人技を見せた石原
そうして始まった最終Q、「点差が離れたことで吹っ切れた」(石原)と振り返ったように、本来の姿の早大が牙をむく。F濱田健太(社3=福岡第一)とC小室悠太郎(社1=石川・北陸学院)がそれぞれ2本のスリーポイントを沈めるなど、武器であるアウトサイド攻撃で6点差まで迫る。ここからは早大の誇るファンタジスタ石原が眩い輝きを放つ。大胆なスリーポイントを沈め強心臓をアピールすると、その後は分かっていても止められないドライブで敵陣を切り裂きレイアップとフリースローで連続得点。1人で7得点を奪い試合をひっくり返す。その後も守り切り、1点差で迎えた相手の最後のオフェンスを守り勝利は目前かと思われた。しかし思わぬ落とし穴。残り時間数秒で奪ったボールをキープせずゴールしてしまった早大は、3点差で相手ボールとしてしまう。この残り3秒のオフェンスで衝撃のブザービーターを決められ勝負は延長へ。延長戦も流れのまま優位に進め、小室の活躍などで一時は8点差をつけたものの、スローインのミスなどで流れを明け渡してしまい追いつかれてしまう。同点で迎えた残り3秒の相手オフェンス。今度こそは止めたいところだったが力強い相手のドライブを抑えられず92-94で力尽きた。
小室は4本のスリーポイントで追い上げに貢献した
終わってみれば非常にもったいない試合となってしまった。特に前半頻発してしまったフリースローのミスは結果的に痛手となってしまった。しかしそれ以上にここ数試合増えている失点が気になる所だろう。「ワセダのディフェンスに相手が対応してきている」(石原)という言葉通り、リーグ戦も後半を迎え、対戦相手がワセダのオールコートディフェンスにアジャストしてきている部分があるだろう。それでもチームカラーの激しいディフェンスから速い攻撃をするスタイルに持ち込むためにはやはり越えなければいけない課題となるだろう。あすの明大との1戦では、ディフェンスをしっかり修正できるかがカギとなるだろう。
(記事、写真 秋間勇人)
第93回関東大学リーグ戦 | ||||||
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1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 延長 | 合計 | |
早大 |
13 | 17 | 15 | 32 | 15 | 92 |
筑波大 | 19 | 24 | 23 | 11 | 17 | 94 | ◇早大スターティングメンバー◇ |
G#18 森井健太主将(スポ4=京都・洛南) G#13 長谷川暢(スポ3=秋田・能代工) C#26 富田頼(スポ3=京都・洛南) F#27 濱田健太(社3=福岡第一) C#41 小室悠太郎(社1=石川・北陸学院) |
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◇主なスコアリーダー◇ | ||||||
得点 小室悠太郎:20得点 リバウンド 富田頼:12リバウンド アシスト 森井健太、石原卓:4アシスト |
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コメント
G石原卓(社4=東京・京北)
――きょうの試合を振り返って
今日は前半の入りから気持ちが入っていないというか、プレー面でもそうですし、普段では諦めないところを完全に諦めてしまったという所があって、特に4年生にそれが目立ったことでチームにもそういう空気が浸透してしまって前半流れが悪くて試合が決まってしまったかなと思っています。後半に追いついたんですけどそれは奇跡というかありえないことなんで、きょうのゲームは負けて当然っていうゲームだったと思います。
――気持ちが入り切らなかった理由などはありますか
みんなアップからもいつも通りできていたんで特に思い浮かばないですね…
――そんな中でも第4Q追いつけた要因は
前半あれだけ点差が離れたことでみんな吹っ切れて、やらなきゃ試合が終わっちゃうというのはみんな思ったと思うんですけと、それが上手くかみ合って同点まで持ち越せたと思います。
――延長戦では自滅してしまった部分もあったように感じましたが
そうですね、最後はみんな行け行けって感じで全員が積極性を持っていてそれはいいことなんですけど、ボールマンにみんなが合わせれば良かった所で全員が全員行き過ぎてしまったかなと思っていて、ボールマンが行くときに他の人が合わせるという部分が上手く出来ていなかったなと感じました。そういう時に後輩は思い切って攻めていってほしいので、4年生がしっかりしていかなきゃならないところだったので、きょうは本当に4年生に課題が残ったゲームでした。
――1Qと4Qに同じような形でブザービーターを決められてしまいました
相手のガードがシュート力があるということだったのですが、4ピリの最後のはまぐれというか仕方のない部分があったと思うんですけど、1ピリのは全然ガードのマークマンがついて行けなくて、そういう所でも諦めてしまった部分が出たので、1ピリのと4ピリのブザービーターは全然違うもので、4ピリのは頑張って頑張って、その中で無理やり打たれて入ってしまったもので、体も入っていたので、やっぱり諦めないという所、シュートを打たれてもしっかりチェックに行けば相手もちょっと嫌ということはあると思うので、諦めないというのが大事だったかなと思います。
――気持ちが入っていなかったとおっしゃいましたが、前半のフリースローのミスもそういう点が影響しましたか
フリースローは昔から課題とされていて、当然練習でも打つ機会はあるんですけど、練習中から試合本番でのメンタルでは打てていないなと思っていて、きょうは自分も外してしまって、フリースローは1番大事だと思うので、これからも練習中から試合をイメージして緊迫した状況でも2本しっかり決めきるということをチーム全体でやっていきたいと思っています。
――ここ3試合は失点が増え、特に得意のディフェンスで苦戦している印象ですが
オールコートディフェンスでどんどんトラップに行くっていうのがワセダの売りだと思うんですけど、やっぱり他のチームもスカウティングなどを通してワセダのディフェンスがどういうものかっていうのを分かってきているので、やっぱり対応されてしまって。そこからワセダが対応されたままで後手に回ってしまっていつもみたいなガンガンなディフェンスができなくなっていると思うので、次はその対応されながらも自分たちのリズムでディフェンスから攻めていけるようなディフェンスをしていきたいんですけど、身長が無い分相手にゆっくり運ばれて中を使われたりすると少しきついのかなと思うんですけど、身長が無い分は走り回って激しいディフェンスをやっていけたらと思います。
――あしたの明大は同じく1部では低身長の部類のチームだと思いますが、意気込みをお願いします
明治はガードが主体とされているチームで、ワセダもガードが主体っていうチームなので、そこで負けたらゲームも負けてしまうと思うので、まずは4年生がリーダーシップ取って、完全なる試合というか、圧倒して勝ちたいと思います。