怒涛の追い上げ及ばず、青学大に惜敗

男子バスケットボール

 前半戦も終わりが見えてきた関東大学リーグ戦(リーグ戦)7戦目、きょうは青学大と対戦した。前半は攻守に精彩を欠き大量リードを許したが、後半、ハッスルプレーをきっかけに脅威の追い上げを見せて一時は最大21点差の逆転に成功する。しかし、最後は難しいシュートを決めきった青学大に軍配が上がり、77-81で惜敗し、通算成績を4勝3敗とした。

 攻守において悪い部分ばかりが目立ってしまった前半だった。攻撃では、第1クオーター(Q)序盤こそ、G森井健太主将(スポ4=京都・洛南)の巧みなボールさばきでゲームをコントロールしたが、中盤以降、ゾーンプレスで圧力をかけてくる相手の守備に対してターンオーバーを連発してしまう。守備においても、スクリーンを使いながらノーマークを作り出す相手のオフェンスに対してついていくことができず、失点を重ねてしまった。早大は悪い流れを断ち切ることができず、16点のリードを許して前半を折り返した。

森井の見せる熟練のゲームメイクは必見だ

 『空気が変わる瞬間』、それを恐らく会場にいた多くの人が感じたのではないだろうか。第3Qも残り5分を切り、なかなか点差を詰められずに迎えた21点ビハインドの場面だった。G長谷川暢(スポ3=秋田・能代工)がルーズボールに勇敢なダイブを見せ、G南木俊樹(社4=東京・早実)が最後まで諦めずにパスカット。 早大が誇るハッスルプレーヤーが見せたボールへの執念にベンチは沸き上がり、ここから早大は反撃を開始した。ようやく早大らしい足を使ったディフェンスが機能し始めると、長谷川、南木を中心に速攻を繰り出し得点を重ねる。前半不調だったスリーポイントシュートも決まり出し、見事13-0のランを達成。点差を8点まで縮めて最終Qへ。第4Qもエネルギー溢れるバスケットを展開した早大は、残り4分を切った場面で南木の放ったスリーポイントシュートが決まり、ついに逆転に成功した。ここから一気に畳みかけるかと思われたが、青学大も簡単には崩れない。試合はシーソーゲームとなったが、最後は青学大にタフショットをねじ込まれ、早大は惜しくも大逆転勝利を逃した。

喜ぶ南木と称えるチームメイト

 惜しくも敗れはしたが、「後半20点を一回詰められたというのが次の試合の自信になると思う」(南木)と語るように、価値ある敗戦だといえよう。長丁場のリーグ戦を戦い抜いていくには、敗戦を引きずらず、いかに次の試合に生かすか、ということが重要になってくる。リーグ戦の前半戦は残り2試合。4位以上という目標に向かって、早大はチーム一丸となり必勝を期す。

(記事 吉田寛人、写真 秋間勇人)

第93回関東大学リーグ戦
   1Q 2Q 3Q 4Q 合計

早大

22 14 17 24 77
青学大 20 32 20 81
◇早大スターティングメンバー◇
G#18 森井健太主将(スポ4=京都・洛南)
G#15 森定隼吾(商3=岡山・倉敷青陵)
C#26 富田頼(スポ3=京都・洛南)
F#27 濱田健太(社3=福岡第一)
C#41 小室悠太郎(社1=石川・北陸学院)
◇主なスコアリーダー◇
得点  南木俊樹:17得点
リバウンド  小室悠太郎:10リバウンド
アシスト  森井健太、森定隼吾:3アシスト
コメント

G南木俊樹(社4=東京・早実)

――今日の試合を振り返って

やっぱり前半19点差と開かれてしまったことがきょうの敗因かなと思います。でも後半は切り替えてディフェンスからのオフェンスで、ディフェンスを粘り強くやって我慢して1本1本取って以降っていう話をしていてそれができたので悔しいですけど次につながる試合だったかなと思います。

――前半ああいった展開になってしまった要因は

自分たちが気持ちよくオフェンスできなくてかつ相手がトランジションで速攻や速い展開で攻めてくるというのに合わせられなくて、それが何本も繋がってフラストレーションをためちゃってオフェンスでミスしてというのの繰り返しだったので、そこをどうにか止めることができず誰も起爆剤になれなかったのが要因かと思います。

――後半修正出来たのはどういう点ですか

後半は相手のディフェンスが当たってくるのに慣れたのもあって、1本落ち着いてパス回して冷静に判断してプレーしようというのをオフェンス面では話していました。逆にディフェンスではこっちが前から攻めの姿勢でやることを一人一人心がければ大丈夫だって話はしたので、それをチーム一つになってできたかなと思います。

――追い上げた時間はオフェンスで大活躍でしたが何を意識していましたか

とにかく奪ったら走る奪ったら走る。流れが悪い時は前に誰も走ってないないのでそこをどうにかウイングで僕が引っ張って、速い展開に持ち込めればワセダの流れがくるかなと思ったので。僕は上手ではないのでとにかくがむしゃらに走って1本もぎ取ってくるというのをイメージしていて、それが後半はできたかなと思います。

――きのう目標に掲げて頂いた連勝は達成できませんでした

そうですね、ただ、ポジティブに捉えてきょうの負けは後半20点を一回詰められたというのが次の試合の自信になると思うので、1周目ラスト2試合を前半から自分たちのワセダらしいスタイルを出せるといいのかなと。みんなここで後半からじゃなくて前半から出すのが大切だと再認識したと思うので後半2試合そこを意識してやっていきたいです。

――次の2戦は下位のチームとの対戦で落とせない試合かと思いますが意気込みをお願いします

1部だと下位のチームとかいってもどこも力の差はないと思うし、1点2点の勝負だと思うので、ワセダらしく走ってがむしゃらに体張って、球際を意識して熱く戦いたいと思います。

長谷川暢(スポ3=秋田・能代工)

――きょうの試合を振り返っていただけますか

前半は、相手の体の当たりの強さに自分たちがびっくりしてしまってミスが多く、それを後半、自分たちが思い切ってプレーすることで点差が縮まって、最後勝ちきることはできなかったんですけど、いいゲームだったかなと思います。

――前半はスクリーンを使った青学大のセットオフェンスに苦戦していました

対策はしてきたつもりだったんですけど、フィジカルの部分など気にしすぎてしまって、一個一個ミスが続いてしまったのでちぐはぐな感じになってしまったかなという感じです。

――ハーフタイムにはどのような指示があったのでしょうか

このような(ビハインドの)展開もリーグ戦では当然出てくると思うので、そこは切り替えて、このままズルズルいってしまってはつまらないゲームになってしまうので、もう一回思い切ってやろうという話がありました。

――第3Qのダイブが流れを呼んだように見えました

僕の持ち味はディフェンスで貢献して(チームを)勢いづけることですし、後半はレイアップとかも思い切っていって決めたりファールをもらう場面も多くなってきて、前半からそういうプレーができればよかったんですけど、3Qでああいうダイブみたいなプレーもチームが盛り上がるかなと思ったので思い切って飛び込みました。

――長いリーグ戦では敗戦の生かし方が重要になってくると思います

専大と拓大に負けた時は、前半も後半もやりたいことが何もできない負け方だったんですけど、きょうはゾーンディフェンスをされながらも自分たちでどうにか打破しようと話してやれたので負け方としては悪くなかったですし、次につながる試合だったかなと思います。

――来週の2試合に向けて意気込みを聞かせて下さい

やはり負け越してリーグ戦を折り返すことになると自分たちとしても流れに乗れないので、来週は連敗せずに、チームの目標である連勝を重ねる、ということを達成して上位につけたいなと思います。