持ち味全開!初戦を勝利で飾る

男子バスケットボール

 ことしもこの季節が来た。関東大学リーグ戦(リーグ戦)の幕開けだ。2か月に及ぶ長期間をかけて関東の大学の王者を決めるこの戦い、昨年5位の早大は目標とするトップ4フィニッシュに向けて走り出した。初戦の相手は昨年リーグ戦3位、ことしの関東大学選手権(トーナメント)でも準優勝を果たし近年勢いに乗る白鷗大となった。難しい試合が予想されたものの、「走り切れば絶対に勝てると思っていた」とG長谷川暢(スポ3=秋田・能代工)が語ったように、全員で走るバスケットを初戦から体現し見事73-58で大事な1戦を制した。

 トーナメントでは初戦敗退と苦杯を舐めた早大であったが、この日は夏を超えて手にした実力を序盤から存分に見せつける。「夏合宿から求めてやってきた」(長谷川)と語るディフェンスから走るプレーでオフェンスのリズムを生んでいく。白鴎大の誇る2メートル10センチの留学生に対しては、ボックスアウトで飛ばせないことを徹底し、サイズの不安も感じさせない戦いぶり。終始早大がリードで前半を進めていくと、第2クオーター(Q)終盤には前からのプレッシャーで奪ったボールを長谷川が拾うとリングめがけてパス。そのボールをF中谷誠人(商3=東京・早実)が直接タップシュートでリングに沈め大いに観客を沸かせた。前半は33-25で試合を折り返した

新川は攻守両面でカギとなる

 第3Qはさらに爆発。F新川敬大(スポ4=東京・京北)のネットから音の聞こえる美しいスリーポイントを皮切りに3連続スリーポイントで一気に点差を2桁に広げると、ここからオールコートのディフェンスからの速攻が面白いように決まり、第3Q残り3分にして20点差を広げる。その後相手のスリーが良く決まり追いすがられる場面もみられたものの、大きな点差をしっかり守りきり最終スコア73-58で快勝した。

スターターの座を勝ち取ったG森定隼吾(商3=岡山・倉敷青陵)

 リーグ開幕の1戦で強豪相手に自分たちのスタイルを存分に発揮して勝ち切ったこの試合は、恐らく今後の長いリーグ戦に向けて非常に自信になる、ただの1勝以上の価値をもつゲームとなったに違いない。またことしのリーグ戦は混戦が予想されるため、1試合1試合の持つ価値が例年以上のものとなるだろう。そんな中あすは王者、筑波大に挑むこととなる。「自分たちのバスケットがどう通用するか試していきたい」(長谷川)と述べたが、この試合で勝利すれば早くも優勝が現実味を帯びてくるだろう。そんな1戦での躍動を期待したい。

(記事、写真 秋間勇人)

第93回関東大学リーグ戦
   1Q 2Q 3Q 4Q 合計

早大

17 16 22 18 73
白鴎大 10 15 15 18 58
◇早大スターティングメンバー◇
G#18 森井健太主将(スポ4=京都・洛南)
G#15 森定隼吾(商3=岡山・倉敷青陵)
C#26 富田頼(スポ3=京都・洛南)
F#27 濱田健太(社3=福岡第一)
C#41 小室悠太郎(社1=石川・北陸学院)
◇主なスコアリーダー◇
得点  森井健太:12得点
リバウンド  新川敬大:7リバウンド
アシスト  森井健太:5アシスト
コメント

G長谷川暢(スポ3=秋田・能代工)

――きょうの試合を振り返って

リーグ戦初戦ということでかなり気持ちの入ったゲームだなというのは感じていて、相手は留学生もいて大きいチームだというのは分かっていたんですけど、その中でも自分が強気で攻めていけたら思っていて、そこに味方も合わせてくれて対応できたというのが勝因かなと思います。

――白鴎大に対してはきょねん3敗していていいイメージはないかと思いましたが、きょうはいかがてしたか

あくまでもきょねんはきょねんのチームだと思ってるんですけど、ことしの自分たちはトーナメントで早く負けたという状況で、もっともっと危機感を持ってやっていこうということと共に、チームとしてみんなが出れるメンバーなので、最後の最後走れば絶対に勝てるなという自信を持ってやれましたし、夏合宿を通して自分たちの良さであるディフェンスから走るっていうのを常に求めてやってきたというのが、リーグ戦の1週目で出すことが出来てすごく良かったと思います。

――チーム全体として外角のシュートの精度も上がっていた印象ですが

そうですね、練習でもノーマークのシュートについてはこだわってやっていて、練習でかなりシューティングもしますし、個人練習っていう点でも、ひとりひとり意識が高くなってきていて練習が終わったあとも残ってシュート打っている人の方が多い状況になってきたので、それが試合になってしっかり打てていることが得点の伸びに繋がっているかなと思います。

――長谷川さん個人としても昨年以上にオフェンスで存在感が出ていると思いますが

今は2番ポジションをやっていてボール運びはあまりやらずに1番の人がやってくれてという形で、やはりチームとして得点源がいないというのが現状だと思うので、ことしは点数をとりにいくことを強く意識してやっていて、元々シュートを打つのは好きなので、そういった意味でも点数をとるのはこだわってやっていけたらと思っていたので、シュート本数もきょねんより確実に増えているし、プレイングタイムも伸びているので、すごいいい流れでパスもらってるし気持ちよくやれています。

――あすは強豪の筑波大戦ですが、意気込みは

ことし1回もやったことの無いチームで、サイズがあってかつ動けるし、きょねんもインカレで優勝しているチームなので、そういったチームに挑戦できることが僕達にとってありがたい事だと思うし、自分たちのバスケットをやってどう通用するのかということを試していきたいし、挑戦する気持ちを忘れないでやっていけたらと思います。