ディフェンスの成長を感じさせる粘り勝ち

男子バスケットボール

 関東大学2部リーグ戦(リーグ戦)において現在1敗と首位をキープしてきた早大。この日の第12節では江戸川大との一戦を迎えた。同じく1敗で並ぶ日大との差を縮められないためにも落とせない一戦。しかし、前半から江戸川大のディフェンスに苦しめられ、シュートも精彩を欠く。第3クオーター(Q)では相手の追い上げを受け、一時逆転を許す。それでも第4Qで、G池田慶次郎主将(社4=東京・京北)が3本のスリーポイントシュートを沈めるなどで点差を広げ、最終スコア74-47で勝利。6連勝となる11勝目を挙げた。

 第1Qは、持ち味である堅い守りからの速攻で得点を重ね、優位に試合を進めていた早大。第1Q終了時には23-11と勢いそのままに得点を広げた。だが迎えた第2Q、江戸川大がディフェンスをマンツーマンからゾーンディフェンスに切り替えると、流れは一変。「あまり外からのシュートが決まらず、流れがこっちに行かない時間が多かった」(G森井健太、スポ2=京都・洛南)と振り返るようにゾーンディフェンスに苦戦したまま、32-26で前半を折り返す。

ゴール下で力強さを見せたC富田頼(スポ1=京都・洛南)

 後半に入っても相手のディフェンスに苦しめられ、なかなか得点を挙げられない。その間もじわじわ点差を縮められ、第3Q途中には続けざまに8点を奪われ、ついには逆転されてしまう。それでも相手のターンオーバーを誘うディフェンスから立て直し、森井のスリーポイントシュートなどで9点を連取し、一気に逆転。勢いそのままに最終Qでも池田主将らが合計5本のスリーポイントシュートを沈めるなどで一気に得点を重ねる。守っては第4Qをわずか6点に抑え、このQ22点の差をつけ、74-47で江戸川大を下した。

勝負どころでスリーポイントシュートを決めた池田主将

 第3Qまで相手チームのディフェンスに苦しめられる展開のゲームだった。「ゴールに対して積極的にアタックできなかった」(SF澁田貴大、スポ3=東京・京北)と語るように攻めきれない展開であったが、それでも点差を広げられなかったのは、力を入れてきたディフェンス面での粘りのたまものと言えるだろう。来週に控える日大戦に向けてディフェンス面の成長を感じさせる試合となった。この試合の勢いそのままに、1部昇格へ突き進む今後の早大バスケに刮目せよ。

(記事 石田耕大、写真 斎藤直己)

第91回関東大学2部リーグ戦 10月11日(vs江戸川大)
   1Q 2Q 3Q 4Q 合計

早大

23 14 28 74
江戸川大 11 15 15 47
◇早大スターティングメンバー◇
G#34 池田慶次郎主将(社4=東京・京北)
G#7 石原卓(スポ2=東京・京北)
SF#36 澁田貴大(スポ3=東京・京北)
SF#8 新川敬大(スポ2=東京・京北)
C#38 宮脇隼人(スポ3=京都・洛南)
◇主なスコアリーダー◇
得点  新川敬大:20得点
リバウンド  新川敬大:12リバウンド
アシスト  木澤義揶、森井健太:3アシスト
コメント

SF澁田貴大(スポ3=東京・京北)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

こちら側のオフェンスがフリースローのみで単調になってしまい、全然ゴールにアタックできませんでした。

――前半得点が伸び悩んだ要因は

繰り返しになりますが、ゴールに対して積極的にアタック出来なかったことだと思います。

――その中でもディフェンスで粘れたことについてはどのようにお考えですか

ディフェンスで粘れたことが、相手に点差を離されなかった一番の要因だと思います。

――澁田選手は本日スタメン出場でしたが、ご自身の出来はいかがでしょうか

自分は今回全然シュートが入らなくて、そこは課題なのですが、ディフェンスで粘れたことは収穫かなと思います。

――来週に向けて意気込みをお願いします

来週は日大という大きな相手との一戦もあるので、リバウンドだったり、ルーズボールなどの基礎的なところをしっかり確認して臨みたいです。

SF新川敬大(スポ2=東京・京北)

――きょうの試合を振り返っていかがでしたか

きょうは前半出だしとかは良かったんですけど、相手に追いつかれる場面っていうのがあって、その原因として自分たちのプレーである中へのアタックがきょうの試合は少なすぎたっていうことで、外のシュートを打ちすぎたっていうのも原因としてあるんですけど、外のシュートが入らずに追いつかれてしまったので、そこが一つの課題なのかなと思います。

――オフェンスで苦しみながらディフェンスで粘れたというのは今季成長したところでしょうか

はい、そうですね。

――第4Qに良くなった要因は何ですか

さっきも言った通り、ディフェンスで6点に抑えることができたのでそこで4ピリの強さを見せられたのかなと思います。

――新川選手個人としては今週の試合で多くスリーポイントを決めていますが、タッチが良くなったという感触はありますか

まあ、打ってる本数が多いので…。微妙かなと思います(笑)。

――きょうの試合では高校の同級生である平岩(アンソニーコリン、江戸川大)選手と1対1になる場面もありましたが、どんな印象でしたか

そうですね、高校時代を思い出しましたね。高校の時の練習でもマッチアップが多かったので。

――新川選手はリーグ戦を通じてリバウンドでの貢献が光っていますが、意識している点はありますか

やはり僕自身3番ポジションではなくて4番ポジションで出されているので、リバウンドは取っていけとスタッフ陣にも言われているので、リバウンドは全部取るっていう意識でやっています。

――次週への意気込みをお願いします

来週は日大と試合で、その前に中大があるんですけど、やっぱり日大との試合がヤマ場になると思うので、いつも通りワセダのプレーをすれば絶対に結果はついてくると思うので絶対に勝ちたいと思います。

G森井健太(スポ2=京都・洛南)

――きょうの試合を振り返って

3Qまでずっと接戦で我慢の試合展開が続いたんですけど、4Qでしっかりディフェンスから速攻するというワセダの流れをつくることができたので、その流れのまま勝つことができて、我慢のできたいい試合ができたと思います。

――3Qまであまり得点を取ることができなかったことについてはいかがですか

相手のディフェンスが変わったり、外からのシュートが多かったりした中で、あまり外からのシュートが決まらず、流れがこっちに行かない時間が多かったので、そこで波に乗れない試合展開だったと思います。

――ゾーンディフェンスにどう対応することを考えていましたか

中に一回ボールを入れるという基本的なプレーを心掛けていました。

――点差を広げられなかったディフェンス面での成長を感じますか

ディフェンスは、リーグを通してずっとやってきていて、後半戦に入ってきて、チームとしてディフェンスが大事であるということがチームとしてより明確になってきて、それがしっかり体現できるようになってきていいかたちになってきてるんじゃないかと思います。

――次節に向けて修正点はありますか

スタッフからも言われたのですが、インサイドへのアタック、ドライブとかの決定率があまりよくなかったので、その決定率を上げられるようにしていきたいです。