永遠のライバル慶大にあと一歩届かず

男子バスケットボール

 早慶定期戦(早慶戦)、男子Bチーム戦は男子本戦や女子の試合よりも一足早く行われた。朝早くから多くの観客の声援に包まれる中、熱い戦いが行われる。昨年苦杯を強いられた因縁の相手、慶大に第1クォーター(Q)から圧倒的な力を見せつけた早大。しかし第2Qからシュートを決めきれない時間が続くと逆転を許してしまい、相手を追いかける展開に。終盤は接戦となるも、最後まで慶大のカベを打ち破ることはできず、84-88で敗戦となった。

 早大は序盤から最高の入りを見せた。今季こそはこの伝統の一戦を制するため、普段とは気合の入れ方も違った。しかしあくまでも、ディフェンスからの速攻という早大らしいスタイルは健在。F橋本悠平(教2=東京・早実)が相手のシュートをブロックするなど攻める隙さえも与えなかった。スリーポイントシュートもこのQだけで5本決まり、10点のリードで第1Qを終える。第2Qに入るとシュートの精度が落ち、得点が止まる時間が続いてしまう。勢い付く慶大に開始5分で逆転を許してしまい、ここでタイムアウトを取った早大はディフェンスの調整を図る。しかし、打っても入らないオフェンスと積み重なるファウルで慶大の流れを止めることはできず、38-45で前半を終えた。

速攻から得点を狙うF北代智樹(社2=東京・早実)

 迎えた後半。第3Qで何としてでも立て直しを図りたい早大であったが、ターンオーバーを連発するなど要所でミスが目立つ。外角からのシュートもリングに嫌われてしまい、開始8分でこの日最大の19点差をつけられてしまう。ただここからSG南木俊樹(社2=東京・早実)のシュートなど、徐々にオフェンスで良いかたちを見せる。相手陣で積極的にプレッシャーをかけ始め、流れをつかみ始めた早大は点差を一桁まで縮め第4Qを迎えた。F管祐史(スポ1=京都・洛南)がインサイドへのドライブやスリーポイントシュートを沈めるなど、波に乗り始めた早大は残り7分で2点差まで迫る。そこからは互いに一歩も譲らない競り合う展開が続いた。バスケットカウントでさらに勢いに乗るなど、オフェンスもアグレッシブに攻め続ける早大。そして試合時間残り3分、同点まであと2点。会場は緊張感に包まれ、息をのむような接戦が繰り広げられたものの、あと一歩のところでパスミスから慶大にシュートを許し、84-88で試合終了。無念の幕切れを迎えてしまった。

アグレッシブなオフェンスを見せた南木

 最後の最後で遠のいてしまった慶大の背中。この試合が早慶戦ラストとなったG井上和之(スポ4=県立福島)が「チームとして機能させようという意識がなく個々のプレーとなってしまった」と語るように、持ち味の全員バスケを体現できず悔しさの残る試合となってしまった。しかし後ろは向いていられない。この悔しさをバネに、チーム一丸となって目指すのは関東大学リーグ戦も1部昇格だ。早大の挑戦は続く。

(記事 新庄佳恵、写真 橘高安津子、八木美織)

※掲載が遅くなり、申し訳ありません。


第73回早慶定期戦(Bチーム戦) 6月6日(vs慶大B)
   1Q 2Q 3Q 4Q 合計

早大B

29 24 22 84
慶大B 19 26 25 18 88
◇早大スターティングメンバー◇
G#39 井上和之(スポ4=県立福島)
SG#21 南木俊樹(社2=東京・早実)
F#88 管祐史(スポ1=京都・洛南)
F#20 北代智樹(社2=東京・早実)
F#27 濱田健太(社1=福岡第一)
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コメント

G井上和之(スポ4=県立福島)

――最後の早慶戦に臨んで特別な意識はありましたか

1年生から早慶戦を経験してきましたが、公式戦とは全然違います。OBの方々や応援席の雰囲気などですね。前期はこの試合にフォーカスして取り組んできたので、気合が入っていました。

――中盤は慶大にペースを握られる時間が続きましたが

準備不足と言ったらそれまでですが、チームとして機能させようという意識がなく個々のプレーになってしまっていたと思います。タイムアウトの後には相手の思うようなプレーをとにかくさせたくなくて、勝ちたいという思いを強く持ってディフェンスに取り組みました。

――3Qの終盤にはバスケットカウントをとるプレーでチームを盛り上げていらっしゃいましたが、振り返っていかがでしょうか

気持ちから生まれたプレーでした。

――あと一歩追いつくことができませんでしたが、試合全体を振り返っていかがでしたか

ことしはBチーム戦ですが、練習はAチームBチーム別れずに皆一緒にやってきました。Bチームももちろん勝ちたかったですが、本当に大切なのはこの後の本戦ですから、本選に出る人たちに勝ってもらって、勝ち逃げという形で気持ちよく終わりたいと思います。

――試合で見つかったチームの課題はありますか

チームプレーという点で、上級生がことし入ってきた1年生や2年目の2年生にしっかり伝えてチームとして機能させるということができていませんでした。リーグ戦へ向けて1年生から4年生まで全員で同じレベルのプレーをして1部昇格を目指していきたいと思います。

――リーグ戦へ向けての意気込みをお願いします

チーム全員で必ず1部に昇格したいと思います。

SG南木俊樹(社2=東京・早実)

――きょうの試合を振り返ってみていかがですか

正直、内容がそんなに良くないボロ負けしてしまう試合を予想していたのですが、後半は4年生に助けられました。それでチームが活気付けられて最後は競ることができました。でも、結果として4点差で勝てなかったのは本当に悔しいです。

――早慶戦ということで、普段の試合と気合の入れ方も違ったのではないでしょうか

伝統的な定期戦でもあるし、4年生にとってはラストの早慶戦となったので、僕らにとっては勝たなければならないすごい大切な試合だと思っていました。

――第1Qでは南木選手も多く得点されてしました

僕は前から当たって相手のミスをさせて得点をするというかたちが得意だったので、自分の良さというものを出だしから全面に出していけとコーチからも言われていたので、そこはしっかりできたかなと思います。

――きょうのディフェンスの手応えはいかがでしたか

粘りっぽいディフェンスはできたと思うんですけど、ボールをカットしてもまた相手に取られてしまいました。最後の間際がやっぱりまだ甘かったです。そこの差で勝ち切れなかったかなと思います。

――最後にパスミスをされている場面も見受けられました

その反省点を生かして、あと2年間気持ちを入れていこうと思います。

――ハーフタイムで話し合われていたことは

ミスをしても早く戻らなかったり、ミスをしてがっかりしてしまったので、それが逆に相手の活気付けるプレーにつながってしまいました。なので、ミスをしてもすぐに戻るようにします。あと、外角からのシュートが前半は入っていたのですが、後半が入らなくなってきて、そういう時にはもっとゴールにアタックしたり、速攻やディフェンスを守ったらすぐ走りきるなど、そういう基礎的なことをもっとしっかりやろうと話しました。

――来週から新人戦ということですが意気込みをお願いします

新人戦は2回戦に明大と当たるヤマ場があるのですが、チーム一丸となって頑張っていきます。

F菅祐史(スポ1=京都・洛南)

――きょうは初めての早慶戦となったと思いますが、どのような意気込みで臨みましたか

先輩からは、かなり思い入れのある試合というか、ワセダのスポーツしてる人達なら大切な試合と聞いていました。最初は、いまいち雰囲気とかよく分かっていなかったのですが試合を徐々に進めていくにつれ、会場の雰囲気とかお客さんの数とかを見て、これが早慶戦なんだなと。ワセダがシュートを決めると応援の声も一緒になって騒いだりとか、そういうのを見たときに早慶戦とはこういうものかとプレーしながら感じていました。

――実際にプレーに入って、第1Qで点差を離したと思うのですが振り返っていかがですか

最初の方は流れ良くて、点を決めてこれはいけるな、という油断が少しあったのかなと思います。いい感じだったのでこのまま行けばいいと思ったのですが、少しずつ気の緩みがあって差が詰められたという感じです。

――菅選手自身もたくさんシュートを決めていましたが、緊張はありましたか

最初は固かったかもしれませんが、早慶戦ってすごい試合だということを聞いていたので楽しもうという気があってそれの方が勝ったのかなという感じです。

――第2Qからは相手に流れを許してしまいましたが、振り返っていかがですか

やっぱり相手にオフェンスリバウンドを取られたり、ワセダのディフェンスが崩されたり、あまり声も出せていなかったのでそれが原因かと思います。

――終盤にかけて再びワセダペースとなりましたが、どのような意識をしていましたか

試合前にもみんなで言っていたのですが、ワセダのために戦おうということを話して、負けてしまってはワセダのためにはならないと思いました。自分のプレーどうこうだけでなく、ワセダのために戦いました。

――Bチームは負けてしまいましたが、これからAチームの試合も控えていますが

負けてしまって流れをつくり出せず、Aチームの方々には申し訳ないという思いでいっぱいなのですが、練習はみんな一緒にやっているので同じチームとして、しっかり応援したいです。

――来週には新人戦が始まりますが、そちらに向けての意気込みをお願いします

この間の関東大学選手権では14位と不甲斐ない結果に終わってしまっているので、前期のラストの試合が新人戦なのでしっかり結果残して良いかたちで前期を終えたいと思います。