強豪・青学大に善戦も、終盤突き放され完敗

男子バスケットボール

 前日の法大戦に敗れ、順位決定戦へと回った早大。きょうは大学バスケ界の強豪としてその名を馳せている青学大と対戦した。「今回の大会の目標は青学大を倒すこと」(SF新川敬大、スポ2=東京・京北)。上位トーナメントの進出はかなわなかったものの、青学大もまさかの敗戦を喫し、奇しくもその目標を達成する機会を得る。チャレンジャー精神を胸に挑んだ選手たちは積極的な攻撃とディフェンスを見せ、前半をリードしながら終える。しかし、後半に追いつかれると、じわじわとその差を離され、58—70で敗戦。その背中にはあと少し、手が届かなかった。

 序盤から様々な攻撃のリズムがかみ合い、着実に点数を積み重ねていく。G石原卓(スポ2=東京・京北)のパスを受けた新川が外からのシュートを決めれば、インサイドでは相手のファウルを誘い、フリースローで加点。G長谷川暢(スポ1=秋田・能代工)やC岡野佑紀(スポ1=愛知・千種)らルーキーも存在感を発揮し、チームに流れを呼び込んだ。また、第2クオーター(Q)では開始から6分間青学大を無得点に抑えるなど、その集中力はディフェンスでも冴えわたる。相手の攻撃を粘り強く耐え忍び、リバウンドを奪えばG池田慶次郎主将(社4=東京・京北)がファストブレイク。ディフェンスからの速攻というチームの持ち味を生かしたプレーを連発し、1点リードで試合を折り返した。

この大会が公式戦デビューとなった岡野

 しかし、青学大は簡単に勝たせてくれるような相手ではなかった。迎えた後半では、相手の猛攻を止めることができず、すぐに追いつかれ逆転されてしまう。必死に食らい付き点差を1桁にキープしたまま第3Qを終了したものの、体格の良い相手選手とのマッチアップは体力を徐々に消耗させていた。ついに10点差と間を空けられてしまった第4Q中盤には、ここまで好守に活躍を見せていた池田主将が5ファウルで退場。SF澁田貴大(スポ3=東京・京北)がスリーポイントシュートを立て続けに決めて追い上げを図るも、試合の主導権を引き戻すことはできなかった。

22得点10リバウンドとダブルダブルの活躍を見せた新川

 最後は20点近くまで差を広げられての完敗。それでも、選手たちの表情は決して暗くなかった。「前半良いゲームができたことは、すごく良い経験」(新川)。いままで取り組んできた守備や攻撃のスタイルが、青学大のような高い実力を持つ相手にも通用したことは、大きな自信となるという。また、多くの1年生が大学のトップレベルを肌で感じられたことは、これからのチームにとって武器となるだろう。現在、青学大は1部、早大は2部でプレーしているため、今後の再戦予定は未定。しかし次こそは――。さらなるレベルアップへの決意を胸に、これからも一戦一戦をしっかりと戦っていく。

(記事 芦沢仁美、写真 渡部歩美)

第64回関東大学選手権 5月6日(vs青学大)
   1Q 2Q 3Q 4Q 合計

早大

16 15 19 58
青学大 18 12 18 22 70
◇早大スターティングメンバー◇
G#34 池田慶次郎主将(社4=東京・京北)
G#7 石原卓(社2=東京・京北)
SF#25 伊藤諄哉(人3=京都・洛南)
SF#8 新川敬大(スポ2=東京・京北)
C#38 宮脇隼人(スポ3=京都・洛南)
◇主なスコアリーダー◇
得点  新川敬大:22得点
リバウンド  新川敬大:10リバウンド
アシスト  新川敬大:3アシスト
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コメント

SF澁田貴大(スポ3=東京・京北)

――きょうの試合は目標だった青学大との試合でしたが

前半は互角の試合ができてたと思います。後半に入ってからこっちのシュートが落ち始めたというのもあるのですが、リバウンドやターンオーバーのところで離された結果だったと思います。

――前半リードして終えたときチームとしてはどのような意気込みのもと挑みましたか

チームとしてやるべきことをしっかりできていたのでその部分では後半も勢いよく行こうと話していました。

――第3Qで徐々に点差を離されてしまいました

フリースローの時のリバウンドであったり細かい部分で少し相手にやられてしまった部分で離されてしまったかなと思います。

――チームの課題としては

そうですね、やはり向こうはディナイを強くしてきたのでそこで裏を取るとかいう動きがもう少し出てきても良かったし、さっき言ったようにリバウンドであったりターンオーバーだったりで細かい部分を直しつつ、攻めるときにもっと個人個人強気で行けばいいと思います。

――第4Qは自身のスリーポイントシュートで追い上げが見られました

1本目は気持ちよく決まったのですが、ラッキーなシュートが多かったと思います。今大会あまり調子がよくないのですが、あしたあさってとあるので、打ち続けようかなと思います。

――調子が良くない中で、特に意識していることはありますか

とりあえずディフェンスで相手に簡単に持たせないディナイであったり、背が低いのでリバウンドで積極的に参加することであったりを意識しつつ、入らない中で何がきっかけで入るかわからないですが打つのをやめることだけはなしにしようと思います。

――これまでの練習でやってきていることを試合で生かせていますか

この大会で徐々に発揮できているとは思いますが、甘いところがあるというか徹底できていない部分があると思うのであと2日間でどれだけ発揮できるかだと思います。

――あしたに向けての意気込みをお願いします

きのうきょうと負けてしまったのですが、ここはしっかり切り替えて自分たちがやってきたことを出し切りたいと思います。

SF新川敬大(スポ2=東京・京北)

――強豪の青学大との対戦でした。どのように臨みましたか

今回の大会の目標は青学大を倒すことでした。きのうは負けてしまいましたが、きょうこのように青学大と対戦する機会を得たので、目標を達成する良い機会だと思って気合いを入れて臨みました。みんなの気持ちは高まっていたし、チャレンジャーとして戦い抜きました。

――その勢いそのまま、前半はリードして終えるなど積極的な攻めを見せました。振り返っていかがでしょうか

前半はリバウンドなどを相手に取られなかったため、自分たちのペースでプレーをすることができていました。しかし、後半はフィジカルや体力面の差が出てきてしまったのかなと思います。

――第2Qでは青学大を6分間ほど無得点に封じるなど、ディフェンスも好調でした

いままでやってきたディフェンスが青学大相手にも通用するということに、さらに自信が持てましたね。ディフェンスからの速攻がワセダのスタイルなので、青学大相手にもそれで攻めることができたということは大きな収穫だと思います。

――ご自身は外からのシュートも決まっていたように思います

あれは、たまたまです(笑)。

――1年生の活躍も目立ちました。1つ後輩の活躍も刺激になりますか

そうですね。ただ、僕も昨年青学大との試合に出場させてもらったのですが、高校の選手とはフィジカル面でも大きな違いがあることを肌で感じて。1年生が今回多く出場したので、その違いを経験できたことはこれからの強みになると思います。

――後半は粘りのディフェンスを見せながらも、だんだんと差を開けられてしまいました。こちらも振り返っていかがでしょう

体格の差が大きいですね。相手の方が大きいので、そこで体力を削られてしまうし。そこでじわじわと離されてしまったかなと思います。

――ゾーンディフェンスにも苦しんでいたように思います

そうですね、ゾーンが苦手と言うのはみんなの意識の中にあるので…。ここまでしっかりと練習はしてきたのですが、シュートも打たされたシュートになってしまいました。

――58―70での敗戦でしたが、どのようにとらえていますか

前半良いゲームができたことはすごく良い経験だと思いますし、みんな自身を持っていいと思うので、また戦う機会があれば後半の課題を修正し、差を詰めて勝てるようにしたいですね。

――戦い終えてみて、青学大はどのような相手でしたか

強いです。身体が強いですね。すごく強いです。

――あすは駒大との対戦になりました。意気込みをお願いします

実力差もありますが、油断せずいつも通りのバスケットをして勝ちたいと思います。

C岡野佑紀(スポ1=愛知・千種)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

きょう前半はワセダの良さが出て互角の勝負だったんですけど、後半(相手が)1部ということで体力の違いだったりフィジカルの違いで、大事な場面でリバウンドを取られてしまったりして相手に流れがいって負けてしまったと思います。

――今大会は「青学大に勝つ」ということを目標に掲げていたと思いますが、この試合はどんなことを意識していましたか

青学大はフィジカルが強くて、リバウンドだったりルーズボールを徹底して相手に流れがいかないようにして、自分たちのバスケットをしようというようにやっていました。

――今大会が大学デビュー戦となりましたが、青学大のような強いチームと対峙(たいじ)してみていかがでしたか

高さとかそういう場面では通用する場面もあったんですけど、フィジカルであったりそういう場面で負けてしまう場面がまだまだあったので、これからしっかりトレーニングしてこういう舞台でも活躍できるようにしていきたいです。

――第2Qはディフェンスもすごくよかったと思いますが、ディフェンスの手応えはいかがですか

自分の持ち味の高さを生かしてリバウンドだったり、プレッシャーをかけるディフェンスが上手く機能して相手のリズムを狂わせて上手くディフェンスができたと思います。

――今後4年間でどんな選手になっていきたいですか

いまはまだ先輩に迷惑かけてばかりで、先輩に気を使ってもらってプレーする場面があるので、まずは自立してチームに流れを呼び込めるような選手になりたいです。

――今後4年間の目標は

チームとしてはまず1部昇格して1部でプレーしたいです。個人的にはユニバーシアードとかそういうのを目指して頑張っていきたいです。

――あしたに向けて意気込みをお願いします

きょうみたいにプレータイムがもらえれば、自分の出せる力を出し切りたいと思います。