各大学新入生が入部し新体制として本格的に始動し出したこの時期に行われる京王電鉄杯。10校が2つのグループに分かれ3日間で5試合が行われた。早大は持ち前の厳しいディフェンスから速攻のスタイルで得点しグループリーグを1位で通過する。順位決定戦は強豪校の青学大と対戦した。現段階の自分たちの力を試せるいい機会となったが、64-99と完敗。強豪校の壁の高さを思い知る結果となった。
エースの河上は1対1で得点を量産
これまでディフェンスの練習をしてきたという早大は早速その成果を見せる。グループリーグでは厳しいプレッシャーから相手のターンオーバーを誘い、隙を見つけては速攻で一気に得点を重ねる。早大らしいバスケットが見ることができた。しかし、インサイド陣のファウルの多さやオフェンスの波の激しさなど課題も浮かんできた。明大戦では下級生のみの布陣で臨み、序盤に突き放したのだが徐々に詰められていき逆転負け。日大戦でも一時3点差まで詰められるなど危ない場面も見られた。しかし、個々の能力が光ったこともあり3勝1敗でグループリーグ1位を決めた。
最終日の順位決定戦では関東1部リーグの強豪校の青学大と対戦した。昨季2冠を達成している青学大は今季も強力な戦力を有しており、特に日本代表経験もある2m級のインサイド陣に、F山本純平(スポ2=福岡第一)、C宮脇隼人(スポ1=京都・洛南)の2人は高さ以外にもフィジカルの強さや上手さなど差の違いを見せつけられた。第1クォーターこそ互角の戦いを見せるがその後は、本来早大がやりたいことを相手にやられ次々にイージーバスケットを許す。また、エースのF河上宗平主将(人4=京都・洛南)も「強い相手と対戦すれば1人でやるのには限界がある」と言うように、チームオフェンスの必要性を感じる試合となった。
積極的にシュートを打つ山本
今季は日程が詰まっていることもあり、1週間後には関東大学選手権大会が始まる。一発勝負のトーナメント戦では試合を重ねるごとにチームとしての完成度を高めることが重要になってくる。昨季の主力が多く残っているうえに即戦力として期待できる1年生も加わり、戦力は他大学にも引けをとらない。昨季、不本意な成績で終わってしまった早大にとってはここからが本当の戦いとなる。
(記事 岩本剛志、写真 森健悟、岩本剛志)
結果
27日
○早大91-76中大
●早大67-69明大
28日
○早大96-35東大
○早大71-58日大
29日(1位決定戦)
●早大64-99青学大
※10チームをA、Bグループの二つに分け、その中で総当たり戦を行う。最終日にそれぞれのグループで同順位のチーム同士が対戦し、全体の順位を決める。Bグループ1位となった早大は、Aグループ1位の青学大に敗れて全体で2位となった。
1位 青学大(5勝0敗)、2位 早大(3勝2敗)、3位 拓大(4勝1敗)、4位 中大(3勝2敗)、5位 専大(3勝2敗)、6位 明大(3勝2敗)、7位 日大(2勝3敗)、8位 法大(1勝4敗)、9位 慶大(1勝4敗)、10位 東大(0勝5敗)
コメント
F河上宗平主将(人4=京都・洛南)
――3日間を通していかがだったでしょうか
ずっとディフェンスの練習しかしてなくて、きょねん六大は良かったんですけど電鉄杯でチームが崩れちゃったっていうのを考えれば、その反省を生かしているのかなって思います。やってきたことが出せた部分はありますけど、強い相手とやった時に全然足りない部分も出てきて、全体的に収穫の多い大会だったと思います。
――チームとしてのまとまりは
本当にディフェンス練習ばっかりで、オフェンスとかフォーメーションとかは全くやってない状態だったので、正直オフェンスは3日間通してちぐはぐというか個人の能力で打開している部分があったので、それが通用するチームには勝てましたけど、相手が強くなってくるとそれではダメです。でも、今はディフェンスを頑張れと倉石さん(平総監督、昭54教卒=東京・早実)も言っているので、僕らもそれを信じてやって行こうと思います。
――1・2年生も長い時間プレーしていましたが
1年生はまだ入って1ケ月とかなんでまだ徹底できてない部分もありますが、みんなすごいポテンシャルは高いです。実際、上の試合に出ているメンバーにも1・2年生が多いのでその可能性に期待している部分もあります。
――強い相手とやってできているところはどこでしょうか
昨日まではマッチアップの相手が下級生とかだったのでそれほどプレッシャーを感じてなかったんですけど、青学大レベルになってくると代表合宿でいつもマッチアップしてる人たちとマッチアップできる機会で、いつも高いレベルでやらせてもらっててやっぱり通用しない部分もたくさんあります。1対1ならある程度やれる部分もあると思うんですけど、1人でやるのには限界があるなって思いました。
――すぐ次の大会が始まりますが強化すべきポイントはどこですか
ワセダのバスケはディフェンスなんで、そこを徹底すればオフェンスはなんとかなると思うので、これからまたディフェンスを頑張って行きたいと思います。
――トーナメントに向けての意気込みをお願いします
きょねん不甲斐ない成績を残してしまって、ことしまた法大にリベンジするいい機会を得たと思うので、なんとしても勝ってベスト4以上まで行きたいと思います。
F山本純平(スポ2=福岡第一)
――きょねんは結果を残せなかったこの大会、どのような気持ちで臨みましたか
きょねんはグループでもあんまり勝てなくて、ことしはちゃんと決勝に行きたいと思って臨みました。
――強豪校の青学大と試合してみて、いかがでしたか
だいぶフィジカルで負けていたので、今度からウエイトトレーニングをちゃんとやろうと思いました。
――強豪校相手にも通じる、と思った点は
まだ努力不足なので、何もないですね。
――全体2位という結果については
青学大みたいな強豪校とやったときに、やっぱりぼろが出てしまうので、それがなくなるくらい練習しないとだめだな、と思いました。
――今大会の1年生の活躍については
いい1年生が入ってきたなと思います。
――トーナメント戦に向けての意気込みを
青学大にリベンジできるように頑張りたいです。
C宮脇隼人(スポ1=京都・洛南)
――3日間を通していかがだったでしょうか
やっぱり身体の当たりが違うなって思いました。特に青学大とかと当たりあったらすぐに息が切れちゃって、これからはウエイトトレーニングを意識してやって行きたいなって思います。
――今回、長い時間プレーしてその中で得たものはありましたか
自分的にはリバウンドとディフェンスですね。そこが自分の得意なところなので、そこはできたかなって思います。
――今後一番強化すべきところは
やっぱりフィジカルを強くするところです。そこを強くしないとインサイドに入れないので、ウエイトトレーニングをしっかりしてそこからオフェンスをできるようにして行きたいと思います。
――トーナメントに向けての意気込みをお願いします
今すぐなにかできる訳ではないんで、1年生らしくハッスルして頑張って行きたいと思います。