100点ゲームで勝利も課題残る

男子バスケットボール

 関東大学リーグ戦(リーグ戦)2週目、早大は拓大と対戦した。序盤に大量リードを得ると、中盤以降点差を詰められる時間帯もあったが103-86で勝利。リーグ戦では2年ぶりとなる100点ゲームで春、20点差で敗れた拓大に見事リベンジした。

 第1クォーター(Q)、口火を切ったのはF木村晃大(スポ2=京都・洛南)。連続ゴールでチームに勢いをつけると、早大はG大塚勇人主将(スポ4=福岡大大濠)を中心とした速い攻めを展開。相手のシュートがことごとくリングに弾かれたこともあり、26-12と二桁リードを持ってこのクォーターを終えた。

 第2Q、それまで沈黙していた昨季のリーグ戦スリーポイント王の長谷川智伸(拓大)のシュートが決まりだす。3連続スリーポイントを許し、4点差まで詰められてしまう。ここで相手に傾きかけた流れを取り戻したのがバックコート陣。大塚主将のパスからG玉井勇気(スポ3=福岡第一)が3本速攻を決め、前半終了時点で49-35とリードを取り戻した。第3Qも相手の連続ゴールから点差を一桁まで戻されるが、今度はフロントコート陣がオフェンスリバウンドをしぶとく拾い、結果的に73-55で最終Qを迎えることになった。

 第4Qは点の取り合い。互いに持ち味の速いバスケを展開し、拓大も意地を見せたがリードを大きく詰められることはなく103-86で試合終了を迎えた。早大にとって、リーグ戦では2部に所属していた一昨季以来の100点ゲーム。この試合だけで19アシストを決めた大塚主将はアシストランキングでトップに立ち、木村、F河上宗平(人3=京都・洛南)はダブルダブルを達成と攻撃面ではポジティブな話題が多かったが、試合後選手たちの口からはそろってディフェンスについての反省の言葉が出た。実際、試合内容はスコアほど余裕のあるものではなく、良い時間帯と悪い時間帯のムラが大きいことも事実だ。

 今後に向けた明るい材料としては負傷離脱していたC二宮弘憲(スポ3=福岡大大濠)が復帰したこと。本人が語るようにまだまだ本調子ではないが、他大学に比べサイズで劣る早大にとっては、チーム一の体格を持つ二宮の存在は小さくない。リーグ戦は2か月間におよぶ長丁場。昨季の6位を超える成績を残すには、上位進出には安定感を身に付けることがカギになってくるだろう。

(記事 浜雄介、写真 穂積麻衣)


第88回関東大学リーグ戦 第2週1日目

早大

103

26ー12

23ー23

24ー20

30ー31



86


拓大
【スターティングファイブ】
G 大塚勇人(スポ4=福岡大大濠)
G 玉井勇気(スポ3=福岡第一)
F 河上宗平(人3=京都・洛南)
F 木村晃大(スポ2=京都・洛南)
F 山本純平(スポ1=福岡第一)

◆コメント

G大塚勇人主将(スポ4=福岡大大濠)
―― きょうの試合を振り返って
形としては先攻逃げ切りって感じでトランジションがうまくいってますね。ただ失点が多いのは反省点です。
―― 自分で点を取りにいく場面も目立ちましたが
大東大戦のときは途中から自分でいったんですけど、きょうみたいに先にやることでディフェンスも自分に寄ってくるのでアシストもしやすくなりました。自分の得意な部分がだしやすくなるので。
―― ゲームコントロールは何を心がけていましたか
拓大はシュートが入りだすと止まらないので、自分たちがいかに点を取るかというのを意識していました。やっぱり長谷川(智伸、拓大)にスリーポイントやられたり、自分もゴール下やられたので。コントロールというよりも、ゴールにアタックしていく気持ちでやりました。
――拓大は オールコートでディフェンスをしてきました
みんなでボールを運ぶ意識ができたと思います。自分が疲れてたんですど、チーム一丸となってできたのはチーム的には良かったと思います。
―― 次の日体大戦でのポイントは
トランジションとインサイドが強いのでリバウンドですね。練習試合とかもやったりした相手なので、勝てるだろうという気持ちでいくのが一番危ないので慢心せず、チャレンジャーのつもりで今週2勝したいと思います。

F藤原龍介(人4=京都・洛南)
――リーグ戦2連勝となりましたが、いまの率直な気持ちを教えてください
僕自身のプレーはあまりよくなかったな、というのが正直な感想です。いい時と悪い時の波があったので、上級生としてあまりよくないですね。常にいいプレーができるようにしなければいけないと思いました。
――リーグ戦2週目を迎えましたが、チームの調子はいかがですか
先週専大に勝ったということで、チームとしてもいい雰囲気になって、今週の練習からみんな集中してやれていたと思います。それがいい流れで試合につながったと思うので、チームの雰囲気はいいと思います。
――試合前にチームで確認したことはありますか
拓大は非常に走ってくると同時に僕たちと同じで身長のないチームなので、全員がリバウンドに飛び込んでくることと、相手のエースの94番の長谷川君(智伸、拓大)のスリーポイントを全員で抑えようというのは話していました。
――確認したことの出来具合はいかがですか
リバウンドはある程度自分たちで取れていたと思うんですけど、結局長谷川君にスリーを9本決められているので、そこが点差を離せなかった要因かなと思います。もう少しあそこで抑えられれば、早い段階で20点、30点と開けることができたと思うので。
――あすの日体大戦に向けて意気込みをお願いします
結構練習試合をしているので相手の特徴も分かっているんですけど、拓大と同じようにトランジションが特徴のチームだと思います。でも相手が誰であろうと自分たちがするべきバスケットは変わらないと思うので、全員で楽しく、走って勝ちたいと思います。

G玉井勇気(スポ3=福岡第一)
――ハイスコアな展開で勝利しましたがいかがですか
点を取れたことはいいんですけど、ディフェンスがしっかりできてないのは良くないですね。もう少しディフェンスを頑張って、自分たちが点を取れないときに相手も抑えられるようにしていかないとこれからは後半厳しいと思います。
――第2Q以降は苦しい時間もありました
僕たちは40分間ずっと集中しつづけるというのができなくて、必ず気持ちが切れてしまう時間があります。その切れてしまったときにどう立て直すかというのが大事で、きょうは立て直すというか持ちこたえることができて良かったです。
――どういったところで持ちこたえることができましたか
オールコートプレスをかけられたときも、みんなで運ぼうという意識を持ってできましたし、最後まで逆転される前に流れを引き戻せていたのでそこは良かったです。あとは気持ちが切れてしまう時間を減らしていかないといけないと思います。
――ご自身のプレーについてはいかがですか
きょうはちょっとふわふわしてしまって、少し緊張しました。ディフェンスもオフェンスも中途半端で良くなかったです。(速攻の)走る場面では走れていたので、良かったのはそこだけです。

C二宮弘憲(スポ3=福岡大大濠)
――久しぶりの試合出場でしたが、感想をお願いします
まあそんなに出ていないのであれなんですけど、楽しかったですね。自分にできることをやろうかなという感じでした。試合の流れからしてリバウンドを取ろうと思ってましたけど。
――試合の感覚はいかがでしたか
全然(ダメ)ですね。まだ復帰して3、4日しかたっていないので、不安ばかりで出たんですけど、出してくれるからにはしっかりやろうと思いました。
――ケガの経緯はどのようなものだったのでしょうか
5月のトーナメント(関東大学選手権)が終わってからすぐケガしてしまって、一回復帰しようとしたんですけど無理しすぎてもう一回ケガしてという感じで。そこから実質4ヶ月ぐらいチームを離れていましたね。
――きょうの試合ではしっかり得点も決めましたが
自分でも結構夢中にやっていたので詳しくは分からないんですけど、流れの中で決められたので良かったと思います。
あすからは普通に出場されますか
分からないです。明日からはどのようになるのかも分からないし、倉石さん(平総監督、昭54教卒=東京・早実)次第なのでそこは。

F木村晃大(スポ2=京都・洛南)
――きょうの試合を振り返っていかがでしたか
きょうは、立ち上がりから良い試合で、そのまま勢いで勝てたので良かったかなと思います。

――チーム全体で速攻ができていた感じでしたが攻撃面での手応えはありますか
しっかりリバウンドが取れたら、河上さん(宗平、人3=京都・洛南)や玉井さん(勇気、スポ3=福岡第一)が走ってくれる。ウチの強みはやっぱり河上さんと玉井さんのスピードだと思うので、そこを活かすために自分たちがリバウンドを取ることが重要かなと思ってやっていました。

――木村選手の体を張った守備も光っていたように感じますが
先週の大東大戦や専大戦に比べたらインサイドでどんどん押し込んで来る感じではなかったので、先週よりは守りやすかったと思います。

――第3Qで相手に点差を詰め寄られたあとの大事な場面での自身の得点に関してはどうですか
点差を詰められることは拓大のチームの特色で、わかっていたことでした。そういう苦しい時に河上さんがファール数の影響であまり行けなかったので、そこで自分が得点できて相手に流れを完全に渡さなかったということができたのは、個人的には良かったのかなとは思います。

――明日の日体大戦に向けて一言お願いします
きょう勝ててもあす勝てなかったら意味ないと思うので、明日しっかり勝って、まだリーグは始まったばかりですけどチームに弾みをつけられたらいいと思います。