100点ゲームで1部昇格に向けて好発進

男子バスケットボール

 2部降格という悔しい結果に終わった昨シーズンから1年。リベンジの時はやってきた。ついに関東大学2部リーグ戦(リーグ戦)が開幕。1部昇格と全日本大学選手権(インカレ)出場権獲得を目指す早大は立大と対戦した。序盤はリズムをつかめずリードされるも、第2クオーター(Q)以降は早大が流れを完全に掌握する。第2Qだけで35得点を挙げると後半も大量得点を奪い、101―68で快勝。1部復帰へ向けて順調な一歩目を踏み出した。

 昨シーズンは開幕7連敗と勢いに乗れなかった早大。初戦で白星を挙げ、好スタートを切りたいところであったが序盤は立大に主導権を握られる。相手の素早い攻守の切り替えを前に後手に回ってしまい、思うようにプレーできない。悪い流れを断ち切ろうとメンバーを全員入れ替えるもののリズムは変わらず、18―22と4点ビハインドで第1Qを終える。迎えた第2Q。このQから出場したG石原卓(社1=東京・京北)が流れを変える。ディフェンスからの速攻で得点を挙げ逆転すると、ここから早大の攻撃が立大に襲いかかる。G森井健太(スポ1=京都・洛南)の巧みなステップからのレイアップやF山本純平(スポ3=福岡第一)のオフェンスリバウンドからの得点で突き放す。第2Q終盤にはG河合祥樹(スポ2=京都・洛南)の2本のスリーポイントシュートなどでこのQ早大は35得点。53―34と大きくリードし前半を終えた。

復帰戦で果敢にゴールに向かう木村

 後半も終始早大ペースで試合は進んだ。積極的なドライブで敵陣を切り崩し、得点を重ねていく。また、昨年の関東大学リーグ入れ替え戦で負傷したF木村晃大(スポ4=京都・洛南)が約10ヶ月ぶりに復帰。ドライブからシュートを沈めるなどケガからの回復ぶりをアピールした。木村の今後の活躍にも期待がかかる。第4QにはF小林裕太郎(スポ4=新潟商)の連続得点などでさらにリードを広げていく早大。ガードからフォワードに上手くボールが渡り、テンポのいいオフェンスが展開された。終了間際にC宮脇隼人(スポ2=京都・洛南)がゴールを決めて101点目。101―68と33点差をつけ、大差で開幕ゲームを見事白星で飾った。

最上級生としてプレーでチームを引っ張る小林

 100点ゲームで立大を圧倒し、大事なリーグ初戦を制した。序盤こそつまずいたものの、徐々に力の差を見せつけての勝利だった。ついに始まったリーグ戦。1部昇格とインカレ出場権獲得には最低でもリーグ戦2位以上が求められる厳しい道のりである。快勝だったものの、チームの100%の力を出し切れている訳ではない。長く続いていくリーグ戦。ここからさらなるチーム力の向上が求められる。早大の1部昇格への挑戦は、まだ始まったばかりだ。

(記事 東哲也、写真 大舘良太)


第90回関東大学2部リーグ戦 9月6日(vs立大)
   1Q 2Q 3Q 4Q 合計

早大

18 35 23 25 101
立大 22 12 16 18 68
◇早大スターティングメンバー◇
G#34 池田慶次郎(社3=東京・京北)
G#11 河合祥樹(スポ2=京都・洛南)
SF#36 澁田貴大(スポ2=東京・京北)
F#16 山本純平(スポ3=福岡第一)
C#38 宮脇隼人(スポ2=京都・洛南)
◇主なスコアリーダー◇
得点  山本純平:21得点
リバウンド  澁田貴大:6リバウンド
アシスト  石原卓:5アシスト
コメント

G武津祐太郎主将(文構4=大分舞鶴)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

初戦だったのでみんな緊張していたと思うのですが、たしかにディフェンスなどが悪くて怒られてしまったので、反省点が多い試合だったと思います。

――夏にチームとして、個人としてなにに取り組んできましたか

夏は浜で走って脚力強化をしたことや、プレスをやるのでディフェンス面の強化と、あとシューティングをがんばりました。

――それをきょうの試合で出せましたか

もっとできると思うので、また頑張りたいです。

――今季のチームのコンセプトはなんでしょうか

見てれば分かると思うのですが、試合に出る時間をみんなでシェアしているので、出ている時間はハッスルするということがコンセプトです。

――きょうの試合はファウルが多かったですね

審判の笛が軽かったこともあると思いますが、これからもそのような試合があると思うので、アジャストしていきたいです。

――今季のリーグの目標はなんですか

もちろん全勝優勝なので、一つも取りこぼさずに気持ちを入れて頑張りたいです。

――チームの状態はいかがですか

良くも悪くもないので、これからの試合で成長していきたいです。

――次の試合に向けて抱負をお願いします

きょうはディフェンスの面で怒られたことが多かったので、あしたの試合で夏にやってきたディフェンスということをしっかり出して、気持ちよく勝ちたいです。

F木村晃大(スポ4=京都・洛南)

――きょうは昨年の入れ替え戦以来のプレーでしたがいかがでしたか

久しぶりの公式戦ということもあって、緊張とかはなかったんですけど、自分としてはちゃんと本来のプレーはできなかったなという反省点はありますね。

――ケガで長らく欠場していて、きょう復帰するにあたってどのような気持ちで試合に臨まれましたか

きょねん入れ替え戦でケガして負けて2部に落ちたので、らいねん後輩には1部でやって欲しいですし、自分もきょねんの悔しさをしっかり1部に上がることで晴らしたいと思っているので、結構リハビリには時間がかかりましたけど、リーグ戦は1部復帰向けてやっていこうと思っています。

――きょうの試合をふまえてご自身のコンディションはいかがですか

チームメイトとの対人はあったんですけど、他のチームとの試合とかが少なくて、自分でも何したらいいかきょうは上手くできなかった部分が多いので、そんなに流暢に構えられる立場ではないですけど、やっぱりチームのためにしっかり1個1個やって勝利に結びつくプレーをできるようにと思っています。

――この夏はチームとしてどのような練習に取り組んできましたか

ディフェンスの確認という部分と、自分たちはディフェンスから速攻を出してっていうアップテンポなオフェンスをしなければいけないので走ることと、後はシュート力というのは得点に直接つながる部分なので、ディフェンスと走ることとシュートっていうのは重点を置いて練習していました。

――夏の成果は試合に現れていましたか

完璧に現れていたという訳ではなくて、随所にあったんじゃないかなという感じです。

――リーグ戦の目標は

それはもちろん1部復帰することで、インカレの出場権を得ることです。(1部に復帰することが)インカレにつながると思うので。ことしは14人全員が(試合に)出ているし、チームの1人1人が欠けることができないので、チームの一員として頑張っていきたいと思います。

F小林裕太郎(スポ4=新潟商)

――開幕戦でしたがどのような気持ちで臨みましたか

今まで苦しい練習をしてきた分、やってきたことをしっかり表現していこうという話をきのうのミーティングでもしてきて、試合に臨みました。

――この夏、チームの形としてはどのような練習をしてきましたか

きょねんとは違いアウトサイドのシュートに比重を置いて練習してきました。それからオールコートでのプレッシャーも意識的に練習してきました。

――きょうの試合ではそのプレッシャーをかけるディフェンスが見られましたが、いかがでしたか

試合の入りの部分から自分たちの形をつくることはできなくて、相手にやられてからようやく火が付く感じでした。最初から、途中からできていたようなディフェンスをすることがチームとしての目標です。

――きょうはベンチメンバー全員出場でしたが、チーム層も厚くなってきたのではないでしょうか

この夏から、全員出場するというのがチームスタイルになったので、ひとりひとりが試合に出るという強い気持ちを持って毎日練習していると思います。

――初戦を終えて、この夏の成果はどのくらい出せましたか

半分くらいです。最初からディフェンスで仕掛けることができなかったり、アウトサイドの精度がまだですね。

――きょうの試合では最初流れが悪かったものの、小林選手たちの交代で流れを引き寄せましたね

1番目のチーム、2番目のチームとあまり流れをつかめていなかったので、自分たちのチームで流れをつかもうという強い気持ちでプレーできたと思います。

――ご自身は今年で最後のリーグ戦となりますが、目標はなんでしょうか

1部復帰です。チームに少しでも貢献していきたいです。最上級生として、プレーで引っ張っていければ1番いいですが、声だとか、チームルールを徹底する姿勢だとか、そういう部分を見せていきたいと思います。

――あすの江戸川大戦に向けて一言お願いします

江戸川大はきょうの試合で勢いづいたと思いますし、今のワセダの課題である試合の入りをチームで意識して、しっかり戦って勝ちます!