白熱の早慶戦で2年ぶり勝利!

日本拳法

第42回早慶定期戦が開催され、個人トーナメント、女子団体戦、本戦が行われた。個人トーナメントでは井澤嵩⽃(法1=東京・芝)が優勝。女子団体戦は負け越したものの、本戦は4勝3敗で慶大を下した。両校応援指導部のほか、多くの観客が詰め掛けた拳法場で見事2年ぶりに早慶戦勝利を収めた。

出場機会が限られる男子選手が主に出場する個人トーナメントは、準決勝以降早大勢同士の対決となった。井澤は2回戦で慶大の選手に勝利すると、準決勝では序盤に連続で面突きを決めて福田翔馬(先理1=神奈川・聖光学院)を下す。決勝戦は辰巳大悟(法2=東京・早実)との対戦に臨んだ。試合が動いたのは残り9秒の場面。井澤が辰巳の隙をついて胴に突きを決め、見事優勝を果たした。女子は3人制の団体戦が行われた。先鋒・星野奈穂(スポ1=東京・小山台)が敗戦を喫すると、鎌田琴未(スポ2=東京・日本女子大付)は面突きを決めるも、逆転負けで連敗を喫する。それでも大将・井上晴未(政経2=神奈川・山手学院)は相手と間合いを取りながら試合を進めると、胴蹴りで一本を奪い勝利。井上が一矢報いて1勝2敗で終えた。

蹴りを仕掛ける井澤

大将として出場した井上

本戦では先鋒・金田空大副将(教3=大阪・明星)が抑え込みから胴突きを奪うと、直後には相手の足を取って胴突きを決めて幸先よく勝利する。次鋒・橋口翔平(人3=鹿児島中央)も序盤こそ拮抗(きっこう)した展開となるも、鋭い面突きを連続で決めて危なげなく連勝。しかし、その後は松木義一(文3=東京・西)、河口陽(教4=新潟第一)が連敗を喫し2勝2敗に。ここで三将・中垣貴裕(国教4=東京・穎明館)は激しい突きの打ち合いを制し、再び早大がリードする。副将・押村星舟(政経4=東京・芝)は試合開始直後に一本を奪われるも、胴突きを決めて追い付く。しかし、後がない相手の攻撃を止めることができず、抑え込み面突きを許して敗れた。これによって早慶主将による大将戦は、勝った方が本戦優勝という大一番に。試合序盤は西村世潤主将(文構4=大阪・桃山学院)が慶大主将・近藤佑亮の攻撃を受ける展開となる。投げ技を掛けられて不利な体勢となる場面もあったが、なんとか耐えて一本を許さない。すると中盤以降は徐々に流れをつかんだ西村。試合時間残りわずかの場面で相手が体勢を崩した隙を見逃さず、面突きで待望の一本を奪う。試合はこのまま終了し、4勝3敗で2年ぶりに早慶戦で勝利を収めた。

一本を奪いガッツポーズする中垣

一本を決める西村

2年ぶりに早慶戦勝利を収めた早大。今週末に控えた全日本学生拳法選手権に向け、勢いをつける勝利となったことだろう。4年生にとっては泣いても笑っても集大成となるこの大会。4年間の全てを出し切り、悔いのない戦いを大阪の地で披露してほしい。

優勝杯を受け取る西村

(記事 矢彦沢壮真 写真 近藤翔太、田部井駿平、中村環為)

コメント

西村世潤主将(文構4=大阪・桃山学院)

――早慶戦を振り返っていかがですか

 結論から言いますと、全員よく戦えていたなと思っています。下級生中心で行われたトーナメントでは、1回戦の勝利者がもう早稲田しかいないって状態で、いい出だしが切れていました。下級生も普段試合に出ていない上級生も結果が自信につながったのかなと思っています。女子戦に関しましては、負けたんですけれども、全員1、2年生で若いです。これからまだまだ伸び代があるなって感じましたので、気負いせずに楽しんでやってほしいなと思っています。本選に関しましては、勝利できたので結構嬉しいなと思っています。

――3勝3敗で迎えた大将戦を振り返っていかがですか

 自分が大将で出ることも分かっていましたし、向こうも死ぬ気でやってくるので、3勝3敗で回ってくるっていうのは把握していました。そういった中で、最後勝敗を決めるのはやっぱりチーム力、チームワークなのかなと思っています。そこで勝ったから、最後早稲田が勝ったのかなと思っています。

――全日本学生拳法選手権が迫ってきました。チームの状態はいかがですか

 昨年負けた早慶戦で勝利することができたので、流れとしては十分いいのかなと思っています。さっきも言ったんですけど、最終的に団体戦は個人の力量ではなく、チームとしての気持ちで決まるものだと思っているので、みんな自信持って満足いくようにやってほしいなと思っています。

――最後に、全日本学生拳法選手権へ向けて意気込みをお願いします

 おそらく関西学院と当たると思っているのですが、ベスト4の景色っていうのを僕たちもまだ見たことがないので、そういった景色をチームに見せて引退することができればなと思っています。

井澤嵩⽃(法1=東京・芝)

――優勝した感想を教えてください

気持ち良かったですね。最近怪我をしてあまり練習できなかったのですが、今までしっかりとやってきた分をうまく⽣かすことができたと思います。

――個⼈トーナメントの3試合を振り返っていかがですか

1回戦の相⼿の⾦選⼿(デヒョン、慶⼤)は新⼈戦や出稽古に⾏った時に結構当たっていて、あまり相性は良くないのですがなんとか勝てていたので、そのアドバンテージがあったと思います。2戦⽬の福⽥(翔⾺、先理1=神奈川・聖光学院)は、(普段から)練習 していることもあってなんとなく息は分かっていました。相⼿(福⽥)が疲れていたみたい で、結構楽に勝つことができました。最後の⾠⺒さん(⼤悟、法2=東京・早実)は、動きがトリッキーな上に⾃分の疲れもあってなかなか苦戦していたのですが、頑張って勝てました。

――個⼈トーナメントの3試合において、全体的に意識していたことは何ですか

あまり引き過ぎないことです。前拳を出して、きちんと責め続ける姿勢を忘れないようにしました。

――今⼤会を終えて、得られた収穫を教えてください

もう少し組みで相⼿を投げられた、もしくは相⼿を絞められた部分があったので、それらの練習をする必要性を感じた点です。また、⾃分で投げる技術を得たいと思いました。

――今後への意気込みをお願いします

先輩からも将来の主将として期待されているなと感じるので、その期待に恥じないように胸を張って頑張っていきたいです。