攻守で相手に流れわたさず 37年連続早慶戦勝利!

女子バスケットボール

第82回早慶定期戦 6月15日 国立代々木競技場第二体育館

6月15日、満員の代々木第二体育館にて、第82回早慶定期戦(早慶戦)が開催された。37連覇を目指し勝負に臨んだ早大は、第1Q(クォーター)を拮抗(きっこう)した展開で終えるも、第2QではF衣川璃来(スポ2=埼玉栄)やF望月綾乃(スポ3=東京・実践学園)を中心に、大量得点で23点差をつける。後半には下級生選手の活躍も目立ち、終わってみれば92-59と、大舞台を大勝で終えた。

代理主将を務めた江頭

大声援が飛び交う中始まった今試合。開始直後は慶大に流れをつかまれた。開始早々にスリーポイントを許すと、すかさずF菊地実蘭(スポ2=愛知・桜花学園)が2点を返すも、直後に再びスリーポイントを決められる。その後もう2点を加えられ、6点差に。不穏な空気が漂い始めたかに思われたが、F西ファトゥマ七南(スポ3=千葉・昭和学院)のシュートを皮切りに、4連続得点で逆転すると、その後も衣川のパスカットから自ら放ったシュートや、PG山宮好葉(スポ2=東京成徳大)の鋭いアシストもあって、7点のリードに成功。ここで慶大はたまらずタイムアウトをとる。タイムアウト明け、さらにリードを広げたい早大だったが、慶大の連続得点で2点差まで詰め寄られると、その後は取っては取られの展開が続き、21-18と3点リードで第1クオーター(Q)を終えた。第2Q序盤、早大は複数回スリーポイントを試みるも、ゴールリングに阻まれ続けて慶大を引き離せない。しかしその一方で、ハードなディフェンスにより相手の得点も許さない、といった膠着(こうちゃく)状態が続いた。試合を動かしたのは衣川、スリーポイントを沈めると、そこから勢いづいたか、菊地のドライブ、衣川のバスケットカウントなどで得点を重ね、相手に1点も与えないまま10点差をつけた。慶大は2度目のタイムアウトをとったが、その後も早大の猛攻は止まらず、48-25と大差をつけて試合を折り返す。

バスケットカウントを取った衣川

このまま逃げ切りたい後半戦。点差がついた中でも早大は攻撃の手を緩めず、速攻やフリースローを決め切ることで着実に得点を稼いでいく。途中、連続で慶大にスリーポイントを沈められる局面もあったが、F江頭璃梨副将(スポ4=宮崎・小林)のスリーポイントやF牧芙羽香(商1=埼玉・早大本庄)のドライブなどで決して相手に流れは渡さない。点差を守ったまま、68-46で最終Qへ。第4Q序盤はPG池田朱李(スポ2=埼玉・久喜)のトリッキーなノールックパスからF利川晴菜(文構4=埼玉・早大本庄)がスリーポイントを決めると、その後もG橋爪花奈(文構2=埼玉・早大本庄)のドライブや、ルーキーF清水瑠莉(人1=茨城・下妻第一)の連続得点など、多くの選手が見せ場を作った。最後はⅭ松﨑玲那(社4=愛知・桜花学園)が得点をあげ、92-59と、大差をつけ早慶戦37連覇を飾った。

ノールックパスを決めた池田

PG江村優有主将(スポ4=愛知・桜花学園)不在の中でも、圧倒的な力の差を見せつけた早大。序盤は連覇のプレッシャーもあったか、動きが固い部分も見受けられたが、徐々に本来の調子を取り戻し、危なげなく勝ちを手にすることができた。秋の関東大学リーグ戦、そしてその先の全日本大学選手権大会に向けて、弾みのつく試合となったことは間違いないだろう。2014シーズン以来の日本一に向けて、まだまだ歩みを続ける早大の今後に目が離せない。

(記事 長屋咲希、写真 田中瑠花、植村皓大)

第82回早慶定期戦 6月15日(vs慶大)

1Q2Q3Q4Q合計
早大2127202492
慶大18211359

◇早大スターティングメンバー◇
F#1 菊地実蘭(スポ2=愛知・桜花学園)
F#7 西ファトゥマ七南(スポ3=千葉・昭和学院)
PG#13 山宮好葉(スポ2=東京成徳大)
Ⅽ#22 中野雛菜(スポ4=神奈川・東海大相模)
F#32 江頭璃梨(スポ4=宮崎・小林)

コメント

F江頭璃梨副将(スポ4=宮崎・小林)

――今日の試合を振り返って

 一年に一回の早慶戦という伝統的な大きい大会で、勝つことはもちろんですが、日本一を目指すレベルで試合をしようと話をして臨みました。ただ、入りのところが悪くて、競ってしまう場面が多かったのが良くなかったと思います。タイムアウトや2ピリ終わりに、もっと気持ちを入れていかないととみんなで話して、そこからはディフェンスが改善したり、リバウンドを取り切ったり、ルーズボールも頑張って、ペースを上げることができたので良かったです。でもそれを最初からやっていかないと日本一にはなれないなと改めて実感したので、また明日から細かい部分にもこだわって練習していきたいと思います。

――会場の雰囲気は

 早慶戦ならではの雰囲気というか。一年に一回しか、観客が満員のところでできないので、楽しみつつも、やっぱり少し緊張もあったりしました。でもみんな楽しんでできていたと思うので良かったと思います。

――点が入らない展開が続いた時、チームで話したことは

 ディフェンスがうまくいっていなくて、簡単にスリーポイントをやられたりとか、マッチアップが遅くて簡単にレイアップ持っていかれるということがあって、ディフェンスのリズムが悪いからオフェンスもつながっていないよねという話になりました。なので、ディフェンスはしっかり頑張って、オフェンスはもっと走るし、一人一人がシュートを狙っていいよという話をしました。そこからみんながシュートを狙い始めるようになって、(得点の)ペースが伸びていったのかなと思います。

――自身のプレーを振り返って

 教育実習に行っていて、合流したのが2日前だったので、不安もありましたが、最後の早慶戦なので楽しもうという気持ちで入りました。それこそ最初の入りは良くなかったなと反省しているのですが、試合最後まで楽しむことができて良かったなと思います。

――リーグ戦に向けての意気込み

 早稲田は日本一を目指しているチームなので、リーグ戦に向けて、今日出た課題や今までの課題を一個一個つぶしていって、今よりもっと強い状態で日本一をとれるように頑張ります。

衣川璃来(スポ2=埼玉栄)

―― 今日の試合全体を振り返って

勝利はしましたが、特に序盤、慶大に3Pを決められて流れを渡してしまい、早稲田のリズムで試合をすることが出来ませんでした。

―― 攻守で粘り強いプレーが目立ちましたが、選手同士でどのような話をしていましたか

 リバウンドを取るというところは、今年の課題としてあったので、全員で意識してやろうと話していました。

―― いつもとは違う応援の雰囲気についてはいかがですか

 こんなに素晴らしい舞台で試合をすることができて、本当に貴重な経験をさせていただいたと思っています。

―― 1年生も何人か出場しましたが、先輩としてどんなことを感じていますか

 1年生が出場している姿や、話ている姿は頼もしいし、いいなと思っていました。

―― 最後に今後の目標をお願いします

 これからインカレがあるので、まずはそこに向けて、チーム一丸となってやっていきたいと思います。

PG池田朱李(スポ2=埼玉・久喜)

――年に一度の早慶戦を振り返って

 最初の方は相手にシュートを決められてしまって焦った展開になりました。もっと自分たちの課題であるリバウンドやルーズボールのところを修正してより良いゲームができたらと思いました。けれどもとても楽しくプレーできたので、それはよかったです。

――チームの司令塔としてプレイ中に意識したことは

 早い展開で攻めるっていうのが普段の早稲田のスタイルなので、早くボールを運ぶことと、周りを生かすためにもノーマークにして、いいシュートができるような良いパスを出すことを意識してやっていました。

――普段とは違う早慶戦ならではの応援の雰囲気について

 ほんとにこんなふうにプレーできる機会はあまりないのですごく緊張しましたが、もっと楽しもうって思いでプレーできたので、本当に楽しかったです。

――今回の試合にも1年生が多数出場したが、先輩としての意識は

 自分のプレーにあまり良くなかった部分があったので、後輩たちを引っ張ることはできませんでしたが、これから新人インカレがあって、今後の全国大会とかでもっと強い相手と戦うことになると思うので、責任感を持っていい先輩ができるように頑張ります。

――今後控えている新人インカレやリーグ戦に向けての意気込み

 毎回の試合楽しんで、早稲田のバスケットができるように声出してみんなで楽しんでやっていきたいと思います。