接戦をものにできず敗戦 悔いが残る

日本拳法

 東日本のみならず日本拳法発祥の地である関西からつわものがそろった全国学生選抜選手権大会が東京武道館で開かれた。1回戦、2回戦と緊張が走るシーンがあったものの何とか乗り切り、3回戦で挑んだ同大戦。昨年と同じ相手と代表者戦までもつれ込む接戦が繰り広げられた。しかしここで勝利を引き寄せられず敗北。試合に駆け付けた応援部の声援もむなしく、昨年より順位を落とす結果となった。

 1回戦の相手は大阪市立大。次鋒で出場したのは杉井政樹(スポ1=大阪・関大高)。前大会で好成績を収めた期待のルーキーだったが、開始8秒で面突きを食らってしまう。さらに蹴りが決まらずバランスを崩したところを狙われ再び一本、開始18秒で格下相手に負けてしまう。その後は小田修一郎(スポ4=大阪・関大高)が勝利するも田中照将(商3=東京・麻布学園)が敗戦、2勝2敗と接戦で迎えた大将戦。出場したのは主将の小坂怜亜(教4=大阪・関西福祉科学大高)。開始15秒で面突きを奪った後はなかなか動きのない試合となったが、残り22秒で再び面突きを決め、緊張感をものともせず勝利を収めた。続く2回戦は大体大との対戦。小坂、杉井と2連勝し、続く中堅の小田。格上相手との勝負だったが華麗なタックルを決め相手を抑え込んでからの胴突きで一本を獲得。その後胴蹴りも決まり勝利を手にした。大将戦の田部井達也(スポ4=東京・日大二)は敗れたものの、4勝1敗と今度は危なげなく2回戦を突破した。

杉井の面蹴りが決まった

 3回戦は同大。昨年の全日本学生選抜選手権大会でも同じく3回戦で当たり、代表戦までもつれ込むも辛勝した相手だ。そして今大会でも同じ様相を呈す大接戦となる。先鋒で出場したのは森川晋平(スポ3=奈良・青翔)。互いに一本を譲らぬ展開となったが残り1分となった場面で試合が動く。相手の面を捉える突きを繰り出し、勝ち越しの一本を決める。しかしそのまま勝利かと思われた残り4秒、一瞬のすきを突かれ相手の胴蹴りが決められ、惜しくも引き分けに。次鋒戦では小坂はやや押され気味となり、力を出し切れぬまま連続で一本を取られてしまう。中堅は小田、今度も得意のタックルから抑え込みを決めようとするも体格の大きな相手になかなか決まらない。開始1分過ぎに一本を取ったもののそのあとすぐ相手にも取り返されてしまい、1対1のまま試合は進む。最終盤に抑え込みに成功したものの試合時間の3分が経過し、この勝負も引き分けとなる。負ければ敗退の決まる副将戦には杉井が出場。一本を先取し、好調にみられたが中盤で、相手選手と組み技での攻防を繰り広げた際に足を痛めるアクシデントに見舞われ状況が一転。相手が勢いに押され一本を取られてしまう。しかしそう簡単には終わらせない。日本拳法部のメンバーや応援部の声援に応えるように胴突きを決め見事勝利を奪い取る。大将戦は慎重な展開となり互いに一本が出ず引き分け、勝負は代表者戦にもつれ込む。「絶対勝って準決勝に進んでやろうと思っていました」と強い意気込みを持って選ばれたのは森川。対する相手は大将戦から連続出場の佐竹京介(同大)。ベスト4への切符となる勝利がかかっているだけあり、互いに譲らぬまま試合が進む。残り30秒を知らせる音が鳴り響き試合が激しさを増したが、佐竹に突きを決められてしまい一本を許してしまう。そのまま試合は終了、準々決勝敗退となった。

代表者戦で佐竹に挑む森川

 今大会は昨年を下回る成績となってしまったが、前期の試合はまだ矢野杯争奪東日本大学個人選手権と東京都選手権が残っている。今大会のリベンジを果たすため、この結果を活かし更なる高みを目指せるだろう。まずは再来週、6月30日に迫った個人選手権で頂点へ向け、鍛錬の日々は続く。

(記事 鈴木隆太郎、写真 鈴木隆太郎、柴田侑佳)

掲載が遅くなり、申し訳ありません

結果

▽男子の部

1回戦 対大阪市立大学 3勝2敗

先鋒 〇森川晋平

次鋒 ●杉井政樹

中堅 〇小田修一郎

副将 ●田中照将

大将 〇小坂怜亜

2回戦 対大阪体育大学 4勝1敗

先鋒 〇小坂怜亜

次鋒 〇杉井政樹/br>
中堅 〇小田修一郎

副将 〇森川晋平

大将 ●田部井達也

3回戦 対同志社大学 1勝2敗3分

先鋒 △森川晋平

次鋒 ●小坂怜亜

中堅 △小田修一郎

副将 〇杉井政樹

大将 △田部井達也

代表者 ●森川晋平

コメント

森川晋平(スポ3=奈良・青翔)

――きょうの試合を振り返っていかがでしょうか

同志社戦で先鋒で出て勝ちきれなかったのと、代表者選で負けたのはとても後悔しています。

――1、2回戦では勝利、特に2回戦目は快勝でしたが

予想していた通り手ごわい相手だったので苦しい戦いになるかなと思ったんですけど、みんないい勝ち方をしてくれてすごく勢いに乗れたかなと感じます。

――同大戦で代表者戦に選ばれたときはどのようなお気持ちでしたか

絶対勝って準決勝に進んでやろうと思ってました。たぶん僕が来るかなとは思ってたので代表戦まで行ったら自分が行く、という思いでいました。

――代表者戦はなかなか互いに譲らぬ展開となりました

そうですね。相手も高校時代から強いことは知ってて、同志社行ってからも活躍している姿を見ていました。去年の関西遠征でもお手合わせしていたので、全く知らないわけではなかったのですが。前拳からの後拳につなげる勇気が足りなかったかなと思いました。

――30日の矢野杯に向けて一言

きょうは悔いの残る戦いとなったので、矢野杯でしっかり賞取って、そのあとの都大会も含め良い成績で前期を締めくくりたいと思っています。