【連載】府立大会直前特集『万理一空』第1回 毛利公名士×森川晋平

日本拳法

 第1回目にお話をうかがったのは2年生コンビ。森川晋平(スポ2=奈良・青翔)と毛利公名士(商2=東京・つばさ総合)。今年の大会で着実に勝利に貢献する活躍を見せる2人に、これまでの大会を振り返りつつ直後に迫る府立大会への意気込みを語っていただきました。

※この取材は11月20日に行われたものです。

新人戦を終えて

――お互いの他己紹介をお願いします

毛利 自分行きます、森川の人柄は真面目ですね!非常に。でも滑りグセはあります。関西出身の割によく滑ります。

森川 それここで言うか〜悪い奴やな〜(笑)

毛利でも頼りになるいい奴です。

森川 じゃあ公名士。非常に明るいキャラクターでグローバルな感じですね。まぁこんな感じなんですごく面白いんですけど玉に瑕(たまにきず)なのが、しょうもないネタを何回も言ってはウケないんですけど、繰り返して言うことで面白くしようとする力技ですね。

毛利 確かに強引だな。

森川 でも日本拳法に関してはすごくセンスのある戦い方でみんなの期待を超えてくるようなそんな戦い方をしていて。同期としては頼もしいし、これから一緒にやっていくのが楽しみでもあるし、もっともっと上を目指せる仲間かなって思います。

――森川さんは推薦での入学になったかと思いますが、なぜワセダを選ばれたのですか

森川 声をかけてもらったのがワセダが一番最初、ということもあるんですけど、どんな大学かなって調べていってみたら自分の高校時代の部活の雰囲気とここの部活の雰囲気がよく似ていて。高校の部活の雰囲気が好きなので大学でも似ているところでやりたいと思っていたのでワセダの入学を決めました。

――日本拳法とはどのように出会われたのでしょうか

森川 元々柔道をやってたんですけど高校に柔道部が無くて、部活見学とかで見に行ったのが日本拳法部でした。あとは友達誘われてたので一緒に入った感じです。

――奈良の高校の日本拳法部はあまり見なかったイメージがあります

森川そうですね、部活自体は3校しかなくて。色々見学して決めたんですけど、最後は半ば強引に。(笑)

――毛利くんは逆に途中入部という形だそうですね

毛利 春は元々やっていたので空手部に入ろうとしていたんですけど親から「勉強しろ」と言われてしまって。じゃあサークルで何かをしようかとも思ったんですけど、結局は勉強しなくて。ならいっそ部活に入った方が練習時間が長い分、逆に勉強の時間を確保できるんじゃないかなと思って空手部に入ろうとした所に、当時の同期が「拳法部っていう空手部ほど大変じゃない部活があるんだど」って誘ってくれて。大学からの初心者も多かったし、こっちの方が練習について行けるかもしれないと思ったので入りました。

――一昨日は新人戦がありましたが、森川さんは同期と後輩の活躍をどのような思いで見ていましたか

森川 それこそ自分が予想していたよりもいい試合をしてくれて、ワクワクしたのと僕自身もすごく熱くさせてもらったので、新人戦の後は府立で僕が盛り上げて勝利に貢献出来たらいいなと思いました。

――コートの外から大きな声で檄を飛ばされていたのが印象的でした

森川 僕も監督に3回くらい怒られました。「お前ちょっと興奮するな」と。でもあの場にいて、同期が頑張ってるの見て僕自身も出たいなと思っていたし、それこそ歯痒い思いもしたので。応援したくなるような試合をみんながしてくれたので、それに乗せられたって感じですね。

――新人戦は出場されてみていかがでしたか

毛利 去年みたいに絶対的なエースがことしはいないので、正直チームの中にもやって行けるのかという不安はあったと思うんですけど。後輩達とか団体戦初出場の森田(良樹、スポ2=東京・富士)の活躍とかがあったり、試合前の練習もみんなよく動けていたこともあって「いけるな」って感じになりました。

――全ての試合に出場されたかと思いますが振り返ってみていかがですか

毛利 個人的には実力通りかなって感じです。でも慶応戦で6月の大会で2-0で負けてる相手と戦って1-1の引き分けに持ち込むことができたのは考えて戦えるようになってきた成果かなと思います。

――ことし1年間の戦いを振り返ってみて印象的なものはありますか

森川 難しいな

毛利 え、じゃあ僕からやります。5月の東日本リーグ戦が一応団体戦のデビュー戦だったんですけどそこで明治大の林さん(林力希、明大)っていう格上の選手からパンチで一本を取れたことで、絶対に無理なんかじゃないって感じることができたことが気持ちの面での切り替えになりました。それが一番イメージに残っています。

森川 負けた試合の方が印象に残りやすいんで、負けて試合です。7月の大会(全国学生選抜選手権大会)の1回戦で僕、4年生の小川さん(小川友太朗、商4=広島・基町)森さん(森裕紀、政経4=早稲田渋谷シンガポール)3年生の小坂さん(小坂怜亜、教3=大阪・関西福祉科学大高)の4人でしっかり勝ってあと1人には試合を楽しんでもらうって感じで臨んだんです。でもその時に初戦で僕が浮き足立ってしまって。高校の先輩相手の試合になったんですけど、お互いを知り尽くしてる中で戦術とかにこだわりすぎてしまって負けてしまったんです。僕のせいで団体としても負けそうになってしまった所を小川さんが代表戦でしっかり勝ってくださって、その後の試合で挽回するチャンスを作ってくださった事が印象に残っています。

――夏合宿を振り返ってみて印象に残っている練習とかありますか

森川 去年と似たようなメニューではあったんですけど、千本ミットっていうのがあって、パンチのみのミット練習なんですけど、量より質とはよく言われますがある程度こなせばそれに見合った技術も付くと思うので、千本ミットをやったことで部員全員を見渡してみてもパンチの精度は上がったかと思います。

毛利 僕は元立ちですかね。元立ちって1人固定で3人連続で試合をする練習なんですけど、結構キツいんですよ。でもあれをやると、1試合3分の試合が少し楽に感じると言いますか。きっと成果は出るんじゃないでしょうか。

――関西遠征の際は関西の大学との合同稽古を行われたと聞きました。関西と関東の拳法の違いはどこにあると思いますか

森川 僕は関西出身やったんですけど、大学で関東に来てみて思ったのは関東の方が技術に凝っているというか細部に渡ってまで練習するイメージがあります。それとは逆に関西は少し荒々しいというか結構喧嘩っぽい感じの拳法なので、関東に来て僕が忘れていたことを思い出させてくれたように感じます。

毛利 選手全体的に勢いがあるというか、ガンガン前に出てきますし打たれてもお構い無しに出てくるのが印象的でした。同じ土俵で勝負しないようにってことだけは意識していました。

「前日の睡眠時間をポジティブに捉える」(毛利)

新人戦にて攻勢を見せる毛利

――オフの日は何して過ごしていますか

森川 基本的に、筋トレか、バイトかですね。あとは引きこもってます。そんなどっかに出かけて…とか滅多にしないですね。

毛利 僕は結構色んなところに出かけますね。映画に行ったりとか、カラオケに行ったりとか結構遊んでますね。

――今ハマっていることはありますか

毛利 勉強ですかね…

森川 嘘ばっかり(笑)

毛利 3年から始まるゼミが始まったんですけど、結構自分が興味ある内容のゼミに決まったので先取り先取りでゴリゴリ勉強してます、だから趣味は読書ですね

森川 盛るなぁ(笑)大丈夫か?(笑)

毛利 ほんとだって盛ってませんから(笑)

森川 僕はTikTokですかね。

――撮るほうですか?

森川 見る方ですね、あそこでかわいい女の子見て無限に癒されてます。

毛利 あ!そういうのか!それだったら昔のテレビのコーナー
をYouTubeで見てます。3行ラブレター甲子園とか。

森川 それめっちゃいい!好きや(笑)

毛利 一般の人の投稿なんですけどきゅんきゅんします。

森川 3行で感動するし面白いし

毛利 優しい気持ちになれます。

――試合前の験担ぎとかありますか

森川 赤の勝負パンツ履きます。大学入ってからなんですけど、ちょっと変えてみようかなと。

毛利 前日の睡眠時間をポジティブに捉えることですね。

――と、言いますと

毛利 たくさん寝れたら「これだけ寝たから大丈夫だ」と。逆に少なかったら「試合に向けて集中して興奮しているんだな」と。ポジティブに。

「勝つことで恩返しできたらな」(森川)

鋭い蹴りで相手を圧倒する森川

――ついに4年生の先輩方が引退されてしまいます。お二人にとってはどんな先輩たちでしたか。

森川 僕は結構4年生の先輩方に可愛がっていただいたので。それこそご飯も連れて行っていただきましたし、飲み会とかプライベートにわたってまで面倒を見ていただいたので、引退されるっていうのはすごく寂しいんですけど。このまま一緒に拳法できたらなって僕は思っていても、それは時間が許してくれないので。僕の勝敗がチームの勝敗に大きく関わるって自覚して、勝つことで恩返しできたらなって思います。

毛利 4年生の先輩にはチームの雰囲気作りとかにおいても盛り上げて下さる先輩ばかりで、試合でもきっちり勝ってきてくださる頼もしい先輩方で。引退されてしまうっていう寂しさとともに、今先輩達が担ってくださっている役割が自分の役割として回ってくることに関して不安もあります。

――今克服したい課題はありますか

森川 勝負所で勝ちきれるようなそんな選手になりたいので、気持ちの面でもっとポジティブに捉えたり、勝ちに行くっていう気持ちを強く持てるメンタルを付けたいです。

毛利試合になると焦って荒っぽくなったり雑になったり、バタつきがちになるので冷静な判断ができるように周りの状況を意識しながら戦えたらいいなと思います。

――府立へ意気込みをお願いします

森川 一戦一戦が僕らワセダにとっては厳しい戦いになるので、そこでいかに自分の役割を果たせるのかっていうのがポイントになるので全試合勝ちに行くつもりでやりたいです。

毛利 チームが勝っていくために自分に出来ることを全力で精一杯やっていきたいなと思います。

(取材・編集 柴田侑佳)

府立への意気込みを書いていただきました

◆森川晋平(もりかわ・しんぺい)(※写真右)奈良・青翔高出身。スポーツ科学部2年。合宿のオフの日は1日中寝ていたそう。体力回復に務めていたようです。試合になると相手を見据えて鋭い突きを繰り出し相手を圧倒します。文字には起こし切れませんでしたが、対談では毛利くんの突っ込んで欲しいポイントで律儀にツッコミを入れている姿が印象的でした。

◆毛利公名士(もうり・くなし)(※写真左)東京・つばさ総合高出身。商学部2年。合宿のオフの日は他部員たちと野球をしていたという毛利選手。ハプニングも起こったそうですが、貴重なオフを楽しんだそうです!試合では豪快な上段蹴りが決まるとチームの雰囲気も盛り上がります。府立大会でも決まるでしょうか…?