接戦を制し早慶戦11連覇を達成

日本拳法

伝統の早慶戦が11月3日に慶大日吉キャンパスにおいて行われた。早大にとってはここ10年この早慶戦本戦では負けておらず、この日も連覇の記録を更新すべく戦いに挑んだ。本戦は大将戦にその勝敗が委ねられる展開となり大白熱。激闘の末、早大は勝ち星を4とし、早慶戦11連覇を達成した。また、本戦の前に行われた早慶新人戦では太田翔一朗(先理1=愛知・海陽学園)が2位入賞。府立大会へ向け、部全体として良いスタートを切った。

両大応援部によるエール交換がなされたあと、まず最初に行われたのは新人戦。早大からは3名が出場し、総勢5名の選手が優勝をかけて戦った。準決勝では太田と来代進(国教1=東京・渋谷教育学園幕張)が対戦。お互いの手の内を知り尽くしているからこその熱戦が繰り広げられた。最初の1本を奪ったのは太田。開始50秒の時点で押さえ込み面を決める。何度も場外へもつれ込む戦いが続いたものの、残り1分4秒のところで再び太田の押さえ込み面が決まり決着。決勝へ進出した太田は大川(慶大1年)と対戦したものの、二本負けを喫し初めての大会を2位という結果で終わった。

躍進を見せた太田

 続いて本戦が開催された。この日の早大の顔触れはいつもと少し違ったものとなった。先鋒を任されたのは田中照将(商2=東京・麻布学園)。ここで勝って勢いに乗りたいこの試合、田中はまず面突きで先制を奪う。直後に組み倒される危機を迎えるが必死の抵抗で相手に決定打を打たせず、早大陣営からは大きな歓声が上がった。しかし仕切り直したその後、正面からの面突きをかわし切れず残り2分06秒で勝負は振り出しに。低めの姿勢から相手を崩しに行くも相手に阻まれ、空いた田中の胴に膝蹴りが決まり勝負あり。慶大はここでチームを1年間率いてきた主将・矢森亘(慶大4年)、ポイントゲッターとして勝ちに貢献してきた武元(慶大3年)を続々投入し、早大は0-3と後がない状況。背水の陣を敷き挑んだ早大は中堅・小川友太朗(商4=広島・元町)が面に蹴りを叩き込みまず1本。そのまま互いに譲らず残り時間は40秒。しかし慶大も優勝まであと1人、ここで執念の一突きが入り最後の1本をかけて戦うことになる。ここから小川が本領発揮。得意の投げの体勢に入ると、相手の抵抗をものともせず押さえ込み面。反撃の狼煙をあげる1勝目となった。この流れに乗り、三将、副将と勝ち星を挙げ遂に決着は大将戦へもつれ込む。「まさか自分にこんな局面が回ってくるとは」と語った主将・森裕紀(政経4=早稲田渋谷シンガポール)。しかしその後には「やる事をやれば勝てると思っていた」と自信の言葉が続いた。両校の緊張と応援のボルテージも最高潮に達した大将戦。開始20秒で面突きを奪い、優勝に王手をかける。終始攻めの姿勢で相手を圧倒し、残り1分53秒で2本目の面突き。これでワセダの早慶戦11連覇が達成された。

今大会も流れを変える1勝を挙げた小川

早慶戦11連覇。今大会においては優勝という結果だけでなく、新戦力の台頭も見られたこともあり心強い収穫もあった。目標と掲げる府立まであと3週間。白星の4連取は大きな勢いに繋がることであろう。「このチームなら昨年よりもいい順位に繋がる」そう思うことが出来るチームだからこそ、少しでも上の順位を目指すべく最後の大詰めの局面を迎える。

(記事、写真 柴田侑佳)

※掲載が遅くなり大変申し訳ございません。

結果

▽新人戦

1回戦敗退

福留尚典(人1=静岡・浜松南)

 2回戦敗退

来代進(国教1=千葉・渋谷教育学園幕張)

決勝戦敗退

太田翔一朗(先理1=愛知・海陽学園)

▽本戦

先鋒 ●田中照将(商2=東京・麻布学園)

次鋒 ●毛利公名士(商2=東京・つばさ総合)

三峰 ●矢野慶(教4=東京・早実)

中堅 〇小川友太朗(商4=広島・基町)

三将 〇小田修一郎(スポ3=大阪・関西大高)

副将 〇小坂怜亜(教3=大阪・関西福祉大高)

大将 〇森裕紀(政経4=早稲田渋谷シンガポール)

森裕紀(政経4=早稲田渋谷シンガポール)

――きょうの試合を振り返ってみていかがですか

本当に接戦で危ない試合だったと思います。

――4勝3敗と春の東日本大学選手権と同じ結果になりました

取れる所でしっかり取って、やっぱりまだ足りていない部分が負けという結果になったのだと思います。本当に綺麗に形に出たのがこの試合です。

――森さんの大将戦に団体戦の勝敗が委ねられることになりました

緊張しました。全く想定していなかったので、まさかこんな局面が回ってくるとは。でもやる事をやれば勝てると思っていたので、心配はしていなかったです。

――きょうは新人戦も行われましたが、初試合となった1年生達の戦いぶりはいかがでしたか

全員良かったと思います。日々教えていることをみんなちゃんとやっているので、ことしは選手も多いんですけど、ちゃんと戦えていることが分かったので安心しました。優勝こそ逃してしまいましたが、スタミナ不足も原因かと思いますのでそこはこれから付けていって欲しいです。

――府立大会がいよいよ迫ってきました、意気込みをお願いします

4位ではなく、優勝を目指せる圏内にいると思います。きょうギリギリの接戦になってしまったことは反省しなければいけないんですけど、反省すべき点は反省して残りの期間できちんと調整していきます。