新人戦で優勝! 今後へ弾みをつける

日本拳法

 男子体重別個人選手権の他に女子個人選手権と団体戦である大学新人戦が同時に行われた今大会。個人選手権では社会人が参加するなど、ハイレベルな試合が展開された。注目すべきは1、2年生による団体戦。強敵の明大や中大と熱戦をくり広げ、念願の優勝を果たした。

 個人戦手権では橋本周平主将(社4=大阪・清風)が階級を上げ、中量級の部に出場。初戦は開始30秒で抑え込み面突きを決めた後、すぐに胴突きを決め勝利する。好調な滑り出しを見せた。2戦目は持ち前の素早さを存分に発揮する。フェイントを混ぜながらの攻撃で相手を翻弄(ほんろう)すると、面突きで1本先取。その後、胴突きを決め、準々決勝へ駒を進めた。準々決勝は延長戦の末、バランスを崩したところを一気に攻め込まれ、最後は相手に軍配。悔しさをあらわにした。3位決定戦では相手の組みによる攻撃を何とか耐える。しかし攻撃に転じることができず、立て続けに2本奪われ、ベスト4で今大会を終えた。

敢闘賞を受賞した橋本主将

 団体戦の初戦は立大と対戦する。先鋒の森川晋平(スポ1=奈良・青翔)が幸先良く勝利すると、チームはそのまま勝ち続け2回戦へ進出する。2回戦の相手は明大。2勝2敗で、勝敗は大将の森川に委ねられた。まず素早い組み技で1本取った森川は勢いそのままに2本目も胴突きで奪い勝利。続く東海大にも勝利したワセダは決勝へと進んだ。中大との決勝戦は先鋒の田部井達也(スポ2=東京・日大二)が勝利するが、続く次鋒、中堅が敗れ、不利な状況へと追い込まれる。副将の田中照将(商1=東京・麻布)が何とか引き分け、1勝2敗1分とし、望みを大将戦までつないだ。すると大将の森川は開始直後に抑え込み面突き、面突きで圧巻の強さを見せる。2勝2敗1分になったため、代表選へ突入する。「緊張しました」と語る森川だったが、緊張を感じさせない落ち着いたプレーで2本とも抑え込み面突きで奪う。見事中大との接戦を制し、優勝を果たした。

3つの試合で大将を務めた森川

 今大会は多数の社会人も出場する中、ワセダの選手はベスト4やベスト16など好成績を残した。特に新人戦の優勝は下級生にとって大きな自信になるだろう。「これでやっと府立(全日本学生選手権)で戦うための土台ができたなと感じます」(橋本主将)。目標は大阪で行われる全日本学生選手権の優勝。更なる高みを目指して戦い続ける。

(記事、写真 森原美紘)

※掲載が遅くなり、申し訳ありません。

大会後の集合写真

結果

全日本体重別選手権

▽軽量級の部

2回戦敗退

小坂怜亜(教2=大阪・関西福祉科学大高)



初戦敗退

伊東天晴(人科3=東京・世田谷学園)



▽軽中量級の部

ベスト16

三橋由吾(文4=北海道・札幌北)



初戦敗退

齋藤龍之介(法4=埼玉・早大本庄)

宮脇希(教育4=神奈川・山手学院)

田島崇行(教育3=埼玉・浦和)

森裕紀(政経3=早稲田渋谷シンガポール)



▽中量級の部

ベスト4

橋本周平主将(社4=大阪・清風)



初戦敗退

茂木蔵人(社3=東京・早実)



▽重量級の部

ベスト16

小川友太朗(商3=広島・基町)





▽女子個人選手権

2回戦敗退

大石和奈(先理1=広島女学院)





▽東日本大学新人戦

優勝



1回戦 対立大 5勝

○先鋒 森川晋平(スポ1=奈良・青翔)

○次鋒 田部井達也(スポ2=東京・日大二)

○中堅 田中照将(商1=東京・麻布) 
○副将 笹原隆寛(文構1=東大教育学部付中)

○大将 天野陽仁(政経2=東京・早大学院)



2回戦 対明大 3勝2敗

○先鋒 田部井

●次鋒 笹原

○中堅 天野

●副将 田中

○大将 森川



準決勝 対東海大 3勝1敗1分

○先鋒 田部井

△次鋒 田中

○中堅 天野

●副将 笹原

○大将 森川



決勝 対立大

○先鋒 田部井

●次鋒 天野

●中堅 笹原

△副将 田中

○大将 森川

○代表選 森川

コメント

橋本周平主将(社4=大阪・清風)

――本日の結果をふり返って率直な気持ちをお願いします

今回はベスト4ということで、階級を2階級上げて、どこまで行けるかというということだったのですが、その結果としては悪くなかったのかなと。1日2回負けたというのは、勝ち切れるところで勝てなかったということだと思います。特に3位決定戦は完封されていたので、まだまだ課題があります。

――今大会はどのような位置付けで挑まれましたか

準々決勝で、予定では百合草選手(春男、明治)と当たる予定だったのですが、そこまで行って、自分が百合草選手とどこまで戦えるのか計りたいというのが正直なところです。

――具体的な目標はありましたか

準々決勝の壁を超えることです。

――準々決勝の終盤で、転倒してから1本取られてしまうという場面がありましたが、予想外でしたか

うまい選手で、東京の別の大会でも対戦していて警戒はしていたんですけど、相手の技術の方が一枚上手だったなと思います。

――昨年より階級を上げましたが、階級によって違いはありますか

技術レベルであったり、体のレベルであったり、集まる選手層が桁違いに高いと思います。

――相手に合わせてプレースタイルを変えていますか

はい。相手に合わせ変えられるのがやはりいいと思うので。

――残りの試合数が少なくなってきましたが、今後の試合に向けて意気込みをお願いします。

新人戦が1つの大きな物差しになるかなと思います。2年生を中心として結束して最後まで戦いぬけたことというのが、府立(全日本学生選手権)で優勝を目指すための大きなポイントになるのではないかなと思います。

森川晋平(スポ1=奈良・青翔)

――新人戦優勝と最優秀選手賞受賞おめでとうございます。今のお気持ちをお聞かせください

ありがとうございます。全員で一丸となって優勝できて嬉しいです。

――メンバー同士で声をかけあっていましたが、森川選手自身は積極的に声をかけるタイプですか

自分は高校でキャプテンをしていたので、率先して声がけしていました。

――キャプテンの経験が今に生きているということですか

そうですね。今回の新人戦は1、2年生のチームで、自分はその中で経験者だったので、できるだけアドバイスできたらなと思ってしていました。

――ご自身の持ち味は何ですか

組み、蹴り、パンチ全部からめて試合を組み立てることができるのが強みだと思います。逆にこれといった優れたものがないので、そこが今の課題となっています。

――大将を任されてプレッシャーは感じましたか

はい、そうですね。僕で勝負が決まる試合が多かったので、そこはプレッシャーを感じました。ただ、これからワセダを背負っていく人間としては良い経験をさせてもらったなと思います。

――今大会で最も印象に残った試合は何ですか

決勝戦の代表選です。最後しっかり勝ち切れたのが1番印象に残っています。

――今大会で得た収穫や課題はありますか

組みで勝つことが多かったので、今後の課題として立ち技でしっかり勝っていけるようにしていきたいなと思います。

――次の試合に向けての抱負をお願いします

府立を目指しているので、今できることをしっかりやっていきたいと思います。