雪辱を晴らし優勝!

日本拳法

 ことしこそ優勝という目標を果たしたいワセダ。出だしは悪かったものの徐々に調子を取り戻し、予選リーグを通過し決勝リーグに進出。強豪・中大と明大との接戦をものにし、優勝を手に入れた。また、チームをけん引した西野誠士主将(社4=大阪・清風)が最優秀選手賞に輝いた。

 予選リーグは余裕で勝ち抜けるかと思われたが、初戦に力を出しきれないという課題が露呈し、なかなか一本が奪えず苦戦を強いられる。3勝1敗3分でなんとか白星を得ると、続く2試合目は緊張がほぐれたのか7勝0敗で勝利。決勝リーグに駒を進める。

最優秀選手賞を受賞した西野主将

 決勝リーグ1試合目の対戦相手は中大。先陣を切った西野主将が圧倒的な強さを見せ2本先取し勝利するが、次鋒の猪又健一郎(理4=東京・早実)は惜しくも敗れる。副将まで終えて3勝3敗。勝敗の行方は大将の石田勝希副将(スポ3=大阪・初芝立命館)に託された。開始3秒、胴突きで一本を奪うと、その後も激しい攻撃を仕掛ける。相手に反撃の余地を与えず勝利を手に入れ、優勝に一歩近づく。2試合目は昨季のこの大会で優勝した明大。先に2勝挙げ流れをつかみ、3勝したところで回ってきたのは、またしても石田副将。相手も手ごわく、技が決まらない。だがラスト30秒を切ったところで胴突きが入り一本先制する。そのまま時間切れとなり石田副将は大事な白星をつかんだ。最後の3試合目は専大を相手に6勝1敗と圧勝し、全勝で念願の優勝を達成した。

要所での活躍が目立った石田副将(左)

 優勝という結果は確かに素晴らしいものである。だが初戦に弱いというトーナメントでは致命的な課題も見えた。この課題を克服しなければ次の全国大学選抜選手権大会は厳しい戦いになるだろう。「天狗にならずに励んでいきたい」(西野主将)この言葉通り修練を重ね、あと2週間でどこまで力を伸ばせるかに注目だ。

(記事、写真 伊藤なつ実)

結果

※早大のみ

予選リーグ▽対立大 ○3勝1敗3分

先鋒 △石田

次鋒 ○下島海(理3=東京・巣鴨)

参鋒 ●三橋啓吾(スポ2=千葉・成田)

中堅 ○中山拓也(理3=智弁和歌山)

参将 △猪又副将 ○沼沢祐典(教4=大阪・清風)

大将 △西野

▽日大 ○7勝0敗

先鋒 ○石田

次鋒 ○下島

参鋒 ○土嶋悠太(理4=東京・早実)

中堅 ○中山

参将 ○松田道明(理3=東京・早実)

副将 ○沼沢

大将 ○西野

決勝リーグ▽対中大 ○4勝3敗

先鋒 ○西野

次鋒 ●猪又

参鋒 ○土嶋

中堅 ●中山

参将 ○沼沢

副将 ●下島

大将 ○石田

▽対明大 ○4勝2敗1分

次鋒 ○下島

参鋒 ●土嶋

中堅 △猪又

参将 ○中山

副将 ○石田

大将 ●沼沢

▽対専大 ○6勝1敗

先鋒 ○西野

次鋒 ○猪又

参鋒 ●中山

中堅 ○沼沢

参将 ○下島

副将 ○土嶋

大将 ○石田

コメント

神川紀信監督(平16商)

――結果を振り返っていかがですか

優勝という結果は嬉しかったですし、副将の石田が東日本大学リーグ戦から優勝を狙っていくと言っていたので、その目標が達成できたことは良かったです。あと内容とかを含めて、東日本大学リーグ戦全体のレベルの問題もあったのかなと思います。選抜(全国大学選抜選手権大会)に向けて、この結果から何を引っ張り出してあと2週間どう過ごすかが課題だなと今は感じています。

――3月に行われた大会と比べて選手の状態はいかがですか

昨年はレギュラーに4年生が多かったんです。なので今季はあまり公式戦に出ていなかった新3年生や新4年生が出るようになって、3月の段階では団体戦に不慣れなところが見えたのですが、きょうは下島や猪又がきっちりと準備して試合に臨めていたので成長が見えたなと思いました。

――選抜に向けての課題を教えてください

初戦の滑り出しが悪いことです。選抜は初戦からとても強いところと当たるのできょうみたいな初戦の滑り出しだと厳しいと思います。気を付けないと選抜1回戦負けもありますね。

西野誠士主将(社4=大阪・清風)

――きょうの試合を振り返って一言お願いします

優勝できたことは嬉しいんですけど、もしもう1回このリーグ戦をやったら、もう1回絶対に優勝できるわけではないと思うので、確実にワセダが東日本で一番強いと言えるようなチームにしたいです。そのためには課題がたくさんあるので明日からの練習も、天狗にならずに励んでいきたいと思います。

――西野さん自身のコンディションはいかがでしたか

完璧ですけど就職活動があるので両立はやっぱり難しいなと思います。

――チームの雰囲気はいかがですか

非常にみんな仲良いですね。チーム全体の課題としては積極性に欠ける部員が多いことです。そういうのがプレーにも出てくるので、当たり前のことを当たり前にこなせるようにしていきたいです。

――それを改善するために西野さんがしていることはありますか

自分から先頭を切って物事を始めたり、もしくは部員に積極性がたりないぞと口を酸っぱくして言うことですね。

――最後に選抜に向けての意気込みをお願いします

トーナメント運があまり良くないんですけど、十分優勝の可能性はあると思うので優勝狙って練習を頑張っていきたいです。