個人戦幕開け 社会人相手に奮闘

日本拳法

 団体戦に区切りをつけて個人戦を迎える時が来た。まずは初戦・高幡不動尊あじさいまつり奉納大会。ワセダからは男女合わせて8人が出場した。社会人の底力を見せつけられつつも2段の部で小枝信介(社3=埼玉・西部文理)が3位、敢闘賞という結果を残し、級の部では大栄卓磨(文構2=上智福岡)が自衛隊の選手を圧倒し2回戦に進出。中楯寛人(社2=神奈川・逗子開成)や高橋智之(政経2=神奈川・浅野)も善戦した。また女子の部では新井咲里(国教4=埼玉・不動岡)が立大の選手に快勝し敢闘賞を受賞した。

二段の部3位の小枝(左)

 2分間3本制、階級ごとのトーナメント制で行われた今大会。日本拳法連盟公式戦ではないものの自衛隊をはじめとする社会人が多く参加し、さながらの盛り上がりを見せた。武道のプロともいえる自衛隊を相手にワセダは苦戦し、なかなか白星を得られない。「強い相手と戦ってみたいという思いはあった」と語った小枝はそのような状況の中、組み技を駆使して確実に勝利を積み重ねた。準決勝戦では相手に組み敷かれそうになるものの立ち上がり粘りの姿勢を見せる。結果は惜しくも判定負けであったが同点で迎えた3位決定戦の延長戦、相手の一瞬の隙をつき抑え胴付き一本。入賞を果たした。

 級の部では2年の中楯、高橋、大栄が出場。大栄はきょねんに引き続き2年連続の出場だった。自衛隊の選手との初戦、開始直後から激しい乱打が行き交う。胴蹴りを決めた大栄は残り10秒にダメ押しの胴突きを繰り出し相手に勝利。1年間の成果を感じさせた。中楯は開始3秒後に相手の奇襲で一本を取られるも残り2秒で抑え面突きを決め相手に追いすがる。延長戦で敗れるも粘り強い姿勢を見せつける試合だった。

2年連続の出場となった大栄(左)

 前回(全国大学選抜選手権)までの団体戦とはうって変わった雰囲気を持つ個人戦。チームとしての強さが求められる団体戦とは違い、個人の実力が大きく試される。2週間後に矢野杯争奪第27回東日本学生個人選手権を控えたワセダにとって今大会で得た経験は大きい。次の大会での活躍に期待がかかる。

(記事 田中智 写真 土屋佳織)

結果

▽級の部

2回戦敗退

大栄卓磨(文構2=上智福岡)

 

1回戦敗退

中楯寛人(社2=神奈川・逗子開成)

高橋智之(政経2=神奈川・浅野)

 

▽初段の部

1回戦敗退

早川文明(教4=千葉・市川)

 

▽二段の部

3位 敢闘賞

小枝信介(社3=埼玉・西部文理)

  

3回戦敗退

松田道明(基理4=東京・早実)

  

▽三段以上の部

1回戦敗退

下島海(創理4=東京・巣鴨)

   

▽女子の部

敢闘賞

新井咲里(国教4=埼玉・不動岡)

コメント

小枝信介(社3=埼玉・西武文理)

――きょうの大会を振り返って、感触やできはいかがでしたか

前々回の大会から取材をしていただいているたびに組みに徹せずに丁寧に組もうということを言っているのですが、今大会も組みに徹してしまった部分があります。後半の戦いでは自衛隊の方など体格の大きい方もいて、自分の組みが通用しないこともあったので、反省すべき点だと思います。

――調整はうまくいきましたか

今回調整という調整は行なっていません。ただ全力でやろうという気持ちでした。

――前々回・前大会と違って公式戦というかたちではありませんでしたが気持ちの変化はありましたか

そうですね、公式戦ではなかったのですけれども今大会はいつもと違って自衛隊の方などが多く出場されていて自分の組みがどれくらい通用するのかという思いがありました。

――今季初の個人戦でしたがどのような思いで臨まれましたか

団体戦ではないので、前日の夜にはプレッシャーというものはないかなと思ったのですけれども、やはり個人戦ですので強い相手と戦ってみたいという思いがありそのような2つの思いがありました。

――準決勝戦では判定負けという結果でしたが

判定負けという結果だったのですが、準決勝の相手の選手が優勝した選手ですごく組みのうまい選手だったのでやれることはやったという結果ですし、後悔はありませんでした。

――2週間後に矢野杯争奪東日本学生個人選手権が控えていますが、それに対する意気込みをお願いします

前々回の大会(東日本大学リーグ戦)で技能賞、今回は3位という結果を頂いているのでその経験や反省を生かしていきたいと思っています。