実力を発揮できず、男女とも入賞を逃す

日本拳法

 先日行われた東日本大学選手権で優勝し、勢いに乗っているワセダ。今大会は男女合わせて10人が出場。だが全国から集まった強豪に苦戦を強いられ、思ったような力を発揮できず、男女ともに入賞を逃してしまう。その中で石田勝希(スポ3=大阪・初芝立命館)がベスト16という成績を残して、第29回全日本学生個人選手権は幕を閉じた。

得意の蹴りで一本を奪う石田(左)

 石田は「勝たなきゃいけない相手には確実に勝って、自分よりレベルが上の人にはチャレンジという気持ちで臨みました。」と言うように、気合十分できょうの大会に臨んだ。石田は2回戦こそ判定で辛くも勝利を収めるが、3回戦では華麗に胴蹴りで一本を先取、1-0で4回戦へと駒を進めた。そして迎えた4回戦、立ち上がりを攻められ、開始20秒で胴蹴りによる一本を取られてしまう。終盤石田は猛追を見せるもあと一歩のところで追いつけず試合終了、手痛い敗北を喫した。石田は「一瞬気を抜いた時に(突き蹴りが)入ってしまいました。」と悔しい表情を見せた。主将である西野誠士(社4=大阪・清風)は高校時代の同級生である玉木(立大)と対戦。「やりづらさはあったが、それはお互い分かっていた」(西野)。両者善戦で試合は進み、勝敗は判定にもつれ込むかと思われていた終盤、試合時間残り1秒のところで押さえ込みからの面突きで一本を取られてしまい、西野は2回戦敗退となった。この結果に対して西野は「情けない結果だった」と悔しさを滲ませた。

 一方女子は、出場した3人の中で唯一、新井咲里(国教3=埼玉・不動岡)が1回戦を勝ち上がるも、2回戦で敗退。吉村朱夏(基理1=東京・頌栄女学院)と鈴木佑璃奈(文1=神奈川・湘南白百合学園)は初戦敗退となった。試合後、神川紀信監督(平16商卒=広島学院)はきょうの結果について「あまり良くなかった」と答え、「戦力的にはかなり厳しい」と本音をこぼした。

相手を圧倒するも決めきれなかった西野(左)

 思うような結果を残せなかったワセダ。しかしこの悔しい敗戦を無駄にせず、成長の階段を一歩一歩登っていってほしい。そして、全日本学生選手権(インカレ)では奮闘を期待したい。選手たちの戦いはまだ終わらない。

(記事 佐藤凌輔、写真 目黒広菜)

結果

▽男子
ベスト16
石田勝希(スポ3=大阪・初芝立命館)
3回戦敗退
沼沢祐典(教4=大阪・清風)
2回戦敗退
猪又健一郎(創理4=東京・早実)
西野誠士(社4=大阪・清風)
下島海(創理3=東京・巣鴨)
欠場
土嶋悠太(創理4=東京・早実)
中山拓也(基理3=智弁和歌山)

▽女子
2回戦敗退
新井咲里(国教3=埼玉・不動岡)
1回戦敗退
鈴木佑璃奈(文1=神奈川・湘南白百合学園)
吉村朱夏(基理1=東京・頌栄女学院)

コメント

神川紀信監督(平16商卒=広島学院)

――きょうの試合、全体的な印象はいかがですか

あまり良くないです。

――それぞれの選手の試合についてはどのように思われますか

比較的、選手それぞれが苦手なタイプの選手に当たることが多かったのですが、それに対する対策などができていないところがあると思いました。

――西野誠士選手(社4=大阪・清風)が初戦で敗退なさった理由はどのようにお考えですか

西野は比較的落ち着いて試合に入っていたと思います。玉木(立大)は西野の高校時代の同期なのですが、西野の方が強いと思うんです。それで西野は初戦の入りをかなり落ち着いて入ったところがあって、最後の何十秒かのところで判定(勝ち)を狙っていってしまったのかなという感じはしました。

――準決勝に進出した選手がいないことについてはどのようにお考えですか

これは結構大きい問題です。府立(全日本学生選手権)で当たるようなところは大抵一人ずつくらいは少なくとも準決勝に進んでいるべきところなのですが、うちはベスト16に一人入っているだけなので、戦力的にはかなり厳しいかなと。

――インカレに向けて修正していきたい点はどのような点ですか

1カ月しかないので技術的に大きな改良が望めるというわけではありません。きょう府立のトーナメントの組み合わせが出たので対戦相手を研究して、試合に向けた大学に対する対策を個別にしっかりやっていきたいということと、きょうの試合の修正をしっかりしたいと思います。

西野誠士主将(社4=大阪・清風)

――今回の結果を振り返っていかがですか

情けない結果でした。

――敗因は何ですか

相手が僕より強かったから負けたと思います。

――相手が高校の同級生だったということでやりづらさはありましたか

やりづらさはもちろんありましたけど、それはお互いわかっていたことなので僕の実力不足ですね。

――この結果を受けて次の大会に向けて生かしていきたいことや、改善したい点はありますか

最後の大会まであと1カ月を切っているので、できることは限られていると思うんですけど、もう一回自分の弱点を洗い出して整理して次の試合に生かせれば良いかなと思います。

石田勝希副将(スポ3=大阪・初芝立命館)

――きょうの試合を振り返っていかがでしたか

50点くらいです。

――今大会はどういった意気込みで臨まれましたか

勝たなきゃいけない相手には確実に勝って、自分よりレベルが上の人にはチャレンジという気持ちで臨みました。

――敗因は何だったと考えますか

突き蹴りを警戒していたのですが、一瞬気を抜いた時に(突き蹴りが)入ってしまいました。

――きょう見つかった課題はありますか

どんな相手にも気を抜かず、確実に勝てるようにならなくてはならないと思いました。

――全日本学生選手権に向けてチームとしてどのような点を修正、改善していきたいですか

しっかりとチャンスをものにしていけるようなチームにしていきたいなと思います。