東大1回戦 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 |
東大 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
早大 | 0 | 2 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | X | 4 |
(早)〇杉山、前田-吉田 ♢(二塁打) 杉山、今駒、徳島 |
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今、日本のスターといえば二刀流で有名な大谷翔平(ロサンゼルス・エンゼルス)。しかし、きょう早大スタンドを沸かせたエンジのスターは杉山周平(教3=神奈川・山手学院)だ。開幕戦となったきょうの東大戦では、8回を無失点に抑える、まさにエースらしい投球を披露。また、打者としては先制の適時打を放ち、『9人目の野手』としてチームの勝利に貢献した。杉山の先制打の後も今駒顕二郎(教4=東京・早大学院)、徳島有樹(スポ4=早稲田佐賀)、リーグ戦初の先発出場となった池澤一真(スポ2=栃木・大田原)の活躍により点を重ねていった早大。最終回は清瀬杯第50回全日本大学選抜(清瀬杯)でも活躍した前田直輝(スポ3=熊本)が東大打線を3者凡退に抑え、開幕白星発進に成功した。
気温は30度を超え、まだ夏のような気候の中、準硬式野球部の秋が始まった。開幕戦の相手は東大。ここ20年は勝ち点を取っていない東大だが、「相手も実力があるので、東大だからといって下に見ることなく」(徳島)と言うように、気を引き締めて臨んだ早大ナイン。初回こそ凡退するも、2回に吉田龍平(スポ3=東京・小山台)が中前打で出塁すると、続く池澤がしっかりと犠打を決め、1死二塁という先制の好機を作り、打席には杉山。「打つことも自分の仕事だと思っています」と言う杉山の打球は左翼への適時二塁打に。思わぬ形で先制に成功した。するとその後2死三塁の場面で、この夏から1番に座る今駒が左中間への適時二塁打を放ち、1点を追加。清瀬杯ではその打撃と巧みな守備で優勝に貢献した今駒がきょうも見せた。投げては、杉山は2回と4回に走者を三塁まで進めてしまうなど、決して本調子ではなかったが、自身の粘りの投球とバックの助けもあり、無失点で試合を進めた。
先発の杉山。きょうもヒーロー
1週間以上もの厳しい合宿の後に立川まで駆け付けた応援部の心強い応援も見られたきょうの試合。5回に永井隆太(スポ4=石川・七尾)が敵失で出塁すると、打順は清瀬杯から5番打者として活躍する徳島に。「一塁ランナーを返すには長打しかない、と思い、狙っていきました」と言うその打球は左翼への適時二塁打となり、3点目を獲得した。すると続く吉田がこの試合2本目の安打を放ち、1死二、三塁で池澤。この好機で、池澤はスクイズを決め、これが4点に。応援部やスタンドの応援に応える活躍を見せた。
チーム3点目となる適時打を放つ徳島
4年生にとっては最後のシーズンとなる東京六大学秋季リーグ戦(秋季リーグ戦)。「自分の成績はどうでもいいので、チームが優勝できるように」(徳島)と言うように、気合は十分だ。エース杉山の復帰や前田の台頭など、課題であった投手陣も力強くなっている。きょうの試合は、調子自体は良くなかったが、「なんとか試合を作ることができたので、その点は良かった」と言うエースの杉山には次回登板で快心の投球に期待したい。また、この試合も好守や援護点などで投手陣を支えた野手陣だが、犠打の失敗、牽制死なども見られ、課題も残る。まだまだ開幕したばかりだが、次週には天王山となる法大戦も控えるので、早めに改善しておきたい。いざ優勝へ。早大の本気の秋が始まった。
(記事、写真 金澤麻由)
コメント
徳島有樹(スポ4=早稲田佐賀)
――きょうの試合を振り返っていかがでしたか
東大といえども、こういう僅差の試合になるほど相手も実力があるので、東大だからといって下に見ることなく全力で当たることを意識して臨みました。
――チーム3点目を入れた3打席目を振り返っていかがですか
あのピッチャー(高田泰輔、東大3年)にはずっとストレートで推されていて、きょうは4番の中村(大輔、商4=東京・早大学院)に珍しくヒットが出なかったので、(自分で)一塁ランナーを返すには長打しかない、と思い、狙っていきました。
――清瀬杯から調子が良いですが、要因などはありますか
しばらく試合に出ていなくて、その悔しさだけでやって来て、清瀬杯ではたまたま結果が出たのですが、それだけで終わってはいけないと思い、清瀬杯が終わってからのこの一週間、自分なりに調整してきたので、結果が出て少し安心しています。
――クリーンアップに座って気を付けていることなどはありますか
前の二人(3番・永井、4番・中村大)がどうせ打つので( 笑 )。自分は本当に気楽にやらせてもらっています。特に5番打者としては、ランナーを還すこと、得点を入れることが自分の役目だと思っているので、その点を一番に意識してやっています。
――最後のシーズンとなる秋季リーグ戦への意気込みをお願いします
自分の成績はどうでもいいので、チームが優勝できるように色々な形で貢献できれば、と思っています。
杉山周平(教3=神奈川・山手学院)
――きょうの投球を振り返っていかがでしたか
あまり調子自体は良くなかったのですが、なんとか試合を作ることができたので、その点は良かったと思います。
――走者が三塁まで進む場面もありましたが
チームが勝つことが一番なのですが、自分の中では0点(で抑える)ということをすごく意識しているので、ランナーがサードまで行った時でも、ここは踏ん張って0点で抑えるぞ、という気持ちで投げました。
――9回の前田投手の登板は事前に決まっていましたか
わりと点差が付いた場面で交代する、ということは決まっていたので自分としてはそこで変わったことには納得しています。
――きょうは先制の適時打を打ちましたが
そうですね( 笑 )。バッティングはあまり期待されてはいないと思うのですが、(東京)六大学のリーグ戦ではDH(指名打者)がないので、打つことも自分の仕事だと思っています。池澤が自分の前で(犠打で走者を二塁に)送ってくれたので、ここは打つしかないな、と思って( 笑 )。甘い球をしっかり捉えられた結果があのような(先制)の形になって良かったと思います。2打席目、3打席目の内容はあまり良くなかったので、それはこれからの課題です。
――打点が付くのはいつぶりですか
2年春ぶりだと思いますね。久しぶりです。
――最後に秋季リーグ戦での目標をお願いします
チームが優勝することはもちろんですが、自分としては、自分には安定した(いい)結果を残すことが求められていると思うので、きょうだけではなく、きょうのような投球を今後もできるように一戦一戦最高の準備をしていけたら、と思います。