引退する4年生が躍動!最後の試合を勝利で終える

準硬式野球
                  

立大2回戦
立大

早大 14
(早)◯杉山、田中、山口、黒須―吉田龍、蘆野
♢(本塁打)今駒 (二塁打)高橋

 下級生の時からチームを支えた選手が多くいる4年生にとってついにこの日がやってきた。雨が降ったり止んだりと難しいコンディションの中での試合となった。両先発とも雨の影響からか自分本来の投球ができず試合は乱打戦となる。2回までに合計11点入る試合となった。しかしワセダは格の違いを見せつけ点差を広げていく。投手陣も杉山周平(教2=神奈川・山手学院)から後を継いだ田中宏和(スポ4=福岡・久留米)が完璧な投球で流れを変えると山口将宏(スポ4=愛知・横須賀)、黒須裕太(人4=栃木・真岡)と4年生の投手リレーで中盤以降は立大に得点を与えない。終盤にもワセダは追加点を奪い終わってみれば14−5で完勝。最後勝利で締めくくった。

 先発は2年生の杉山。雨の中での投球となりリーグ戦で見せてきたような投球ができず2回までに4点を失ってしまう。しかし、2回が終わった後に池田訓久監督(昭60教卒=静岡・浜松商)からバッテリーにタイミングをずらす工夫をするように指示を受ける。その後は立ち直り5回途中まで本塁打による1点に抑え試合の中での修正力を見せた。5回途中からマウンドに上がったのは田中。「最後集大成として自分の投球ができた」と語るように素晴らしい投球で立大に流れを渡さない。8回は山口がマウンドに。苦しんだ今シーズンだったが最後に素晴らしい投球で無失点。最終回はきのう先発したエースの黒須を起用する。長くチームを引っ張ってきた黒須の登板前にはスタンドにいる部員からの大合唱が沸き起こる。感動を誘うような素晴らしい演出が行われる。「自然と力が入った」(黒須)と振り返るように、走者を出すものの最後は三振で締めた。四年生の投手リレーで最後試合を終わらせるという理想的な展開だった。

高橋はホームスチールを決めた

 1点を先制されて迎えた初回の攻撃。今駒顕二郎(教3=東京・早大学院)、森田達貴(スポ3=埼玉・県浦和)の3年生コンビの連打で好機を作ると、好調な高橋峻介(人4=秋田・横手)に適時二塁打が飛び出しすぐに逆転。さらに相手投手が雨で制球を乱し押し出しの死球が続き追加点を奪いこの回4点を取る。2回にもキャリアハイの活躍を見せる鈴木夏亥副将(社4=東京・早実)が安打で出塁すると、矢坂颯雅(社4=東京・早実)の適時打、「捕手が注意力散漫だったから思い切ってやった」という高橋の相手の隙をついたホームスチールなどで3点を追加。5回には秋のリーグ戦後半から定位置を奪った今駒に本塁打が飛び出し追加点。7回には矢坂、倉本芳郎副将(法4=広島・修道)、代打の矢野匠(社4=東京・早実)で好機を演出すると代打を告げられたのは齋藤成利主将(スポ4=福島・磐城)。1年間主将としてチームを引っ張ってきた選手だ。遊ゴロに倒れたものの相手の守備に乱れが出て追加点を奪う。8回も3点を奪うなど14得点で快勝した。

どんな時もチームを盛り上げた

 ワセダの準硬式野球部を語る上で外せないのは控え部員による応援と言えるだろう。主務の菅谷尚弘(社4=東京・成蹊)を中心としてチームを鼓舞し続けた。きょうの試合でも高橋の打席ではメジャーリーグ風な応援、7回には『take me out to the ball game』を歌いチームの追加点を呼び込んだ。最終回の黒須の登板前にも大合唱で感動を誘った。「このチームの良いところだからこれからもやっていって欲しい」(黒須)というように控え部員が試合に出場する選手と共に戦う良い雰囲気はチームの勝利につながったにちがいない。

(記事 藤本壮汰 写真 新開滉倫)

コメント

池田訓久(昭60教卒=静岡・浜松商)

――まずきょうの試合を振り返ってもらっていいですか

正直相手の投手がいつも投げている投手じゃなかったということもありましたが、うちはベストの状態で先発も杉山(周平、教2=神奈川・山手学院)でしたし気持ちも準備もある程度違ったと思いますし、そういうところが形として出たのかなと思います。

――2回の守備の後にバッテリーを呼んで話をしていましたどういうことを話していたんですか

やっぱりタイミングがあっていたので、例えばクイックで投げたりだとかタイミングをずらすために間をあけたりだとかを投手と捕手の双方で工夫してやらないとまた同じような形になるぞというふうに伝えました。その後2イニングはしっかり抑えてくれました。

――杉山投手が本塁打を打たれるとすぐに投手を変えましたが、あの交代は準備されていたんですか

次、タイミングがあっている印象を私が受けたらすぐに変えるからなということはバッテリーには伝えていたのであそこは迷いなく変えました。

――田中(宏和、スポ4=福岡・久留米)が好投して流れを相手に渡しませんでしたね

4年生の最後で意地を見せてくれて期待通りの投球を見せてくれたので非常に嬉しかったです。

――多くの4年生がきょうの試合で活躍しましたが4年生に向けてメッセージをお願いします

力のあるチームだったので春も秋も優勝できるチームだったと思います。でも私の力不足もあるし、彼らも彼らなりに色々考えて感じることもあると思うんですけど、何があと一歩足りなかったのか、それをこれから社会に出る学生、大学院に進んで勉強を続ける学生もいるわけなんでこの経験を生かしてもらいたいです。2位でいい、2位であまんじるということではダメなんでやっぱり1位にならないとダメですから。それは人生も同じなので常に上を見続けて上昇志向、向上心持って人生を送ってもらいたいと思います。

――多くの主力が抜ける来シーズンに向けてどういうチーム作りをしていきたいですか

うちの場合は投手を中心とした守備力をまずしっかりと固めるということ。投手に関しては1年生に3人ほど期待をもてそうな投手がいるので彼らをしっかりとこの冬鍛えていきたいです。2年生、3年生には冬を越えると頭角を現してくる選手がいるのでそういう選手を期待しつつ、打撃に関しては今年よりは間違いなく落ちるので、その落ちたところを機動力や、バントの精度を上げること、きょうの高橋(峻介、人4=秋田・横手)のホームスチールのような隙をついた走塁を常にできるようなそつのなさを磨いていきたいです。

齋藤成利主将(スポ4=福島・磐城)

――きょうの試合を振り返っていかがでしょうか

優勝がないと決まったなかでの戦いだったんですけど、後輩たちにいい形でつなごうと思って、2位で終えたかったので勝ててよかったかなと思います。

―ご自身は8回裏に代打で打席が回ってきましたが、どのような心境で打席に向かいましたか

最後くらいチームに貢献したかったんですけど、出られたことが嬉しかったですね。

――4年間を終えたいまの率直な心境はいかがですか

率直には寂しいというか、優勝できなかったのでやりきれない気持ちもあるのが正直なところですね。ただ、頼もしい後輩がいるので、後輩たちに頑張って欲しい気持ちもあります。

――最後のミーティングではどのような言葉をかけましたか

同期の4年生には感謝の気持ちを伝えて、後輩たちにはこれからの1年間自分たちが成し得なかった優勝、全日本出場というのを果たしてもらいたいと思いを込めて激励というか、らいねんへ向けてやってほしいと思うことを伝えました。

――ミーティングでは涙を流されたというお話も聞きました

涙もろい性格ではなかったんですけど、4年間という年数がどうしても凄くて、最後の1年間をキャプテンとしてやってきて、その思いがこみ上げてくるものがあったので、堪えられずにはいられなかったですね。

――キャプテンとして感じるものはありましたか

リーグ戦が始まるまでは優勝を目指すという気持ちだけだったんですけど、終わりを迎えるにつれて自分の野球人生が終わると同時に、このチームで戦うことも終わってしまうのかと、そこが寂しい気持ちというか、もうちょっとやりたいなというのが正直な気持ちですね。

――今季のチームはどういうチームでしたか

4年生が多く出ていている代だったので、4年生がチームを引っ張っていく形で最後まで行きたかったです。ただ、いい後輩たちがいっぱいいるので、その選手たちが起用に応えて結果を出してくれて、自分たち4年生だけのチームではなく、来年に向けてもつながるチームだとわかったので、よかったかなと思います。

――最後に一言お願いできますか

ワセダの良さ、強さをしっかりと出せば優勝、全日本というのも見えてくると思うので、後輩たちには応援しているので頑張って欲しいなと思います。

倉本芳郎副将(法4=広島・修道)

――連勝で最終カードを締めることができました

優勝の可能性がなくなってはいたのですが、自分たちにとっての有終の美を飾るためにも絶対に連勝で終わろうということをみんなで言っていました。最後は4年生の意地を見せられたと思いますしそこがきょう良かったなと思います。

――個人としても最終打席は左前適時打といいかたちで終えることができたのでは

高橋(崚介、人4=秋田・横手)も颯雅(矢坂、社4=東京・早実)もつないでくれたので自分もなんとしてでも次の蘆野(涼、社4=東京・早実)につなごうという思いで打席に立ちました。いい結果になって良かったです。

――これでチームは勝ち点4。昨秋から数えて3季連続で勝ち点4ながら優勝を逃すという結果に終わってしまいましたが

もう、本当に悔しいの一言です。やはりあと一歩、あと1勝、勝ちきれない部分が自分たちの弱さというか…、本当にいいところまで来ているのにあと1勝ができないというところが現状だと思うので、本当に悔しいです。自分たち4年生はこれをいい経験だと前向きに捉えて次の人生に生かしていきたいですし、後輩たちにはこの悔しさを来年、晴らしてほしいなと思います。

――優勝を逃したとはいえ成長を感じた部分も多かったのでは

みんなで「当たり前のことを当たり前にやっていこう」と話し合って、内野守備でもバッティングで言えばバントといった部分を意識してやっていました。そういうのが去年の秋リーグくらいから徐々に自分たちのいい部分として表れてきて『自分たちの勝ち方』を確立することができました。ことしの代でそれをさらにグレードアップさせてスタイルをもっと確かなものにしたかったのですが、そこができたり、できなかったりっていうところがあったのでそこを毎試合自分たちのペースでできるようにならないといけないのかな、と思います。

――ことしは副将としてチームを引っ張る立場でもありました

4年生は人数が多いのですが、同期みんなまとまってくれて助け合うことができていました。自分は副将という立場ではあったのですが、特別なにかをしたということはなく、むしろみんなに助けてもらったという感想ですね。ひでと(齋藤成利主将、スポ4=福島・磐城)を中心にみんなまとまることができていたと思うので、それが本当によかったと思いますね。

――四年間で一番印象に残っているシーンは

一番印象に残っているのはこの前の法政との3回戦(◯8-5)ですね。

――その理由は

あの試合は勝たなければ優勝の可能性がなくなってしまうという試合で、なおかつ今季法政に黒星をつけられたのはワセダだけだったので。あと「法政から勝ち点を取ってやる」というみんなの強い気持ちとスタンドの思いも一体となっていたと思います。試合ではミスもなく、みんなのいいプレーが出て勝つことできたので自分の野球人生の中でも特に印象に残っていますね。

――背番号『24』のユニホームを着てプレーするのもこれが最後ですが

24番は1年生のときから与えられた番号で4年生の最後の最後まで付けることができて、個人的にも気に入っていました。

――最後に、共に歩んできた同期の4年生に対してコメントをお願いします

本当に感謝しかないですね。「ありがとう」とみんなに言いたいです。本当に同期がいたからここまで来れたし、同期なしでは語れない四年間でした。これからもずっと関係を持っていくと思うのでこれからもよろしく、ということを伝えたいです。

鈴木夏亥副将(社4=東京・早実)

――きょうはどのような意気込みで臨まれましたか

きょうが最後の試合だったので、何としてもこの4年生中心のチームで勝とうと意気込みで臨みました。

―序盤から乱打戦となったゲームでした

今季よく杉山が抑えてくれてたんですけど、きょうは立大さんの打撃が凄かったんですけどら僕らも負けじと乱打戦に持ち込めたのはよかったかなと思います。

――ご自身も適時打を放った場面がありましたが、あの場面振り返っていかがでしょうか

常日頃から監督さんが「悪天候の日は低い打球を打とう」ということをおっしゃているので、それを意識した結果だと思います。

――今季の成績が42打数17安打で打率が4割超という成績でした。ご自身の今季全体を振り返っていかがでしたか

毎シーズンやることは変わらないので、僕自身中軸を打たせていただいて、何としとも走者を返すであったり、後ろにつなぐということを意識してやった結果、今季のいい成績につながって、初めて4割超えたことは嬉しいですね。

――特に行った練習などはありますか

どんなコースでも芯で打とうという意識は持っていて、その結果今回いいヒットが多かったですし、そこに繋がったのかなと思います。

――今季のチームはどのようなチームだと思いますか

毎回言わせていただいているんですけど、4年生中心のチームで、この4年間一緒にやってきた仲間だということもあっていい雰囲気だと思います。

――4年間を終えて後輩たちへ向けて一言あればお願いします

僕自身1年生のときから試合に出させていただいて、いろんな経験をしてきたので、後輩のみんなにもいいこと悪いことあると思うんですけど、それに負けないで最後までやりきってほしいと思います。

田中宏和(スポ4=福岡・久留米)

――リーグ戦最終戦でしたが、きょうの試合を振り返っていかがですか

序盤から杉山(周平、教2=神奈川・山手学院)が打たれたので、いつでもいけるように準備をしておけと監督から言われたので、万全の準備をして臨むことができると思います。

―5回表に本塁打を打たれた後、流れを立大に流されそうな場面での登板となりました。どのような心境でマウンドに向かいましたか

あまりそのあたりは気にしていなくて、逆にワセダのほうに流れを持ってこようと思いマウンドに向かいました。

――ご自身の投球を振り返っていかがですか

上出来だったと思います。

――今季をトータルで振り返ってどんなシーズンでしたか

春季はあまりチームに貢献できない投球が続いてしまって、その分夏休みから準備をしてきて、秋季は中継ぎ・抑えとしてチームに貢献できたので、最後4年生の集大成として自分の投球ができたので良かったと思います。

――具体的にはどのような準備をなさいましたか

コントロールと緩急を使った投球をしっかりとやっていこうということで、夏休みから取り組んできて、リーグ戦登板してみてそれが実際に生きていたので、そういうところを実戦で出せたというのがよかったかなと思います。

――最後にこの4年間を終えて一言お願いします

自分自身この4年間ケガに悩まされてきたので、1、2年生の時はほとんど試合に出させてもらってなかったので、苦しい思いは沢山しましたけど、その分自分の投球ができたので楽しかったなというのがいちばん大きいですね。

黒須裕太(人4=栃木・真岡)

――最終回にマウンドに上がりましたが

自分はきょう投げると思っていなかったので、8回表に成利(齋藤、スポ4=福島・磐城)から最後行くかと言われて、宏和(田中、スポ4=福岡・久留米)山口(将宏、スポ4=愛知・横須賀)といい風につないでくれたので、最後自分が行かせてもらいました。後手後手に回ってピシッと抑えることはできず悔しさはあるんですけど、最後マウンドに最後の投手として立てたことは後輩に何かを残せたのかなと思います。

――登板前にはスタンドから大合唱で後押しするという粋な演出がありましたが

本当に嬉しかったです。ああいうことを経験したことがなかったので自然と肩に力も入ってしまったのかなと思うんですけど。本当に良い仲間たち、後輩たち、引退してしまった先輩たちに巡り会えたことでここまでやってこれたと思うので非常に感慨深いものがあります。最後ああいう風に盛り上げてくれたのはこのチームの良いところだと思うし、これからもやっていってほしいなとも思います。そういう面でも嬉しかったです。

――ずっとチームを引っ張ってきた黒須さんにとって準硬式野球とはどういう存在ですか

大学4年間で自分を成長させてくれた場でもありますし、様々な経験をさしてくれた場所で一番思い入れのあるものかなと思います。準硬式野球というのは、マイナーなスポーツかもしれないですけど本当に素晴らしいものがたくさんあるのでこの素晴らしさというものを後輩にはこれからも守っていってもらいたいですし、またさらに準硬式野球というものを広めていってほしいと思います。

――主力の多くが卒業して来シーズンを迎える後輩たちにメッセージをお願いします

本当に自分たちが成し遂げられなかった優勝というものを後輩たちには達成してもらいたくて、自分たちもいろいろ努力しながらチームとしていろいろやってきたとは思うんですけど、それでも優勝という2文字には届かなかったので、それだけ優勝というものは難しいものだとは思うんですけど後輩たちには達成してもらいたいです。

山口将宏(スポ4=愛知・横須賀)

――最後の公式戦で快勝しました

前週で法政が優勝を決めてしまったので優勝はなかったですが、思い出すのは去年の春リーグですね。きょうと同じく最終カードが立教戦でそこで2連勝して、そのいい流れで夏の練習を取り組むことができたおかげで、秋リーグにもいいかたちで入ることができました。それで自分の成績もそうですが、優勝こそできませんでしたが2位という成績につながったと思うのでやはりこの試合は来年につなげるためにいい試合をしようと、連勝しようという気持ちで臨みました。

――その昨秋のリーグ戦から3季連続で勝ち点4の2位という結果ですが

僕の中では去年の勝ち点4と今回の勝ち点4には大きな差があります。というのも去年の秋は自分が先発として中心で投げて勝ち星を挙げることもできたという結果の勝ち点4でした。ただこの秋、そして春も、一年通じてちょっと個人的には苦しんだのでなかなかチームに貢献できませんでしたし、勝利に貢献できませんでした。そういった中でも杉山(周平、教2=神奈川・山手学院)をはじめ下級生のピッチャーが先発して出てきてくれて、得た勝ち点4というのは来年につながると思います。

――話にあったようにこの一年は登板機会に恵まれませんでしたが、このカードは2試合続けて三者凡退に抑えることができました。いいかたちで締めることはできたのでは

そうですね。なかなか登板機会がなくてチームに貢献できないという悔しい思いはあったです。中には最後の余韻に浸る選手もいるとは思いますが、僕は与えられたところでしっかり一イニング、一イニング、目の前の打者を抑えようという気持ちで投げました。

――この四年間で印象に残っている試合は

やはり印象に残っているのは1年春に経験したチームのリーグ優勝ですね。そこで「リーグ優勝ってこんなにいいものなんだなぁ」という思いを知ったところからのスタートだったので、そういった点からするとそこから一度も優勝にたどり着けず、本当に悔しい思いをしましたね。

――好成績を残した昨秋よりもやはりリーグ優勝なんですね

そうですね。去年は去年である程度納得のいくシーズンではあったのですが、自分も勝ってチームも優勝するというのが一番の理想なので、そういった点からすると去年の秋よりかはリーグ優勝ですね。

――最後に同期の4年生に一言お願いします

去年のいい時期も4年生の時の苦しんだ時期も含めて、同期が様々なアドバイスをしてくれてそれが力になりました。同期のピッチャーに関してはお互い切磋琢磨(せっさたくま)できたと思います。黒須(裕太、人4=栃木・真岡)は常に先頭に立って引っ張っていってくれたし、宏和(田中、スポ4=福岡・久留米)も齋藤(凌、社4=東京・早実)も内田(友也、スポ4=兵庫・北須磨)も他の選手も、練習などで自覚を持っていたし、本当に同期には感謝しています。

笹井健佑(社4=東京・早実)

――連勝で四年間を締めくくることができましたが

結果的に優勝はできなかったのですが、最後勝ち切ることができて、2位でシーズンを終えることができてよかったと思います。

――ただ個人としては4打数無安打に終わりました。やはり打ちたかったという気持ちはありますか

野球人生最後の試合だったので打ちたいという気持ちはもちろんありました。ただ『自分のスイングをする』ということを心掛けて試合に臨んで、最後の打席もしっかりと振り切って終わることができたので満足はしています。

――下級生のときから主軸として活躍した笹井選手ですが、やはり慣れ親しんだ東伏見での最後の試合ということで特別な思いもあったのでは

そうですね。9回の守備に就いたときに、「ここから見る景色もこれで最後なんだなぁ」と。感慨深い気持ちはありましたね。

――9回2死で一度マウンドに集まりましたが

ちょっと一呼吸置こうということでみんなで集まって、みんなで頑張ろうという話をしました。

――この四年間で一番印象に残っているシーンは

やはり1年生の秋の立教戦に代打でホームランを打った試合ですね。それが初めてのホームランで初めて試合で活躍できた試合だったのでそこが一番思い出に残っていますね。

――また四年間で一番成長したと思う部分は

一番は心の部分です。最初は結果が出なかったりうまくいかないことが続いたときに自分の中で処理しきれない部分があったのですが、学年が上がるにつれてそれをコントロールすることができるようになっていったと思います。

――最後に同期の4年生に向けてコメントを

こんな僕でしたが四年間みんながいたおかげでここまで頑張ることができたので、本当にありがとうという気持ちとこれからも一緒に頑張ろうという気持ちですね。

高橋峻介(人4=秋田・横手)

――最後のリーグ戦打撃好調で打ちまくりましたが

1年生の時に試合に出してもらっていたのに、2年、3年生のときは不甲斐ない結果に終わり、そう考えると4年生で自分と向き合える時間をしっかりとれて成長できてリーグ戦で打てたのかなと思います。

――きょうの試合ではホームスチールを成功させましたがそのシーンを振り返ってください

ホームスチールは相手捕手が注意力散漫で自分を見ずに返球していたので、打者が投手の杉山ということもあり1点が欲しかったので思い切って行ってみました。

――ホームスチールをしたのは初めてですか

そうですね、初めてです。

――高橋選手が打席に立つとより一層大きな声援が控え部員から起こりますがその応援については

いろいろあったんですけど、やっとみんなに応援される選手になれたのかなと思います。感傷に浸るではないですけど、本当に4年生を中心に僕のことを応援してくれて、自分が謙虚な気持ちでやっと野球ができるようになり応援してもらえるようになったのかなと思いました。

――多くの時間を共に過ごした同期にメッセージをお願いします

自分が腐っている時期にははっきりと叱咤する声を僕にかけてくれて気づくことも多かったですし、仲間って馴れ合いするだけではなくて辛い時に声をかけてくれたり、ダメな時に怒ってくれたりするのが仲間だと思うんで、僕のことを見放さずにやってきてくれて本当にありがとうと伝えたいです。

矢坂颯雅(社4=東京・早実)

――最後の試合で3安打。最後の打席でも安打を放ちました

きょう試合が始まる前から気負わず楽に行こうと決めていて、最後の試合ということで楽しむことだけ考えて、リラックスして打席に入ることができました。

――チームとしても連勝といいかたちで締めくくれましたね

そうですね。きょうの試合に勝てば2位になって、次の代での関東大会(関東地区大学選手権)のシード権を取れるということを聞いていたので、シード権を取って後輩たちにいいバトンを渡したいと思っていました。本当に勝ててよかったと思います。

――矢坂選手自身、4年生に野手転向など他の選手とは違う苦労もあったと思いますが

そうですね。ただピッチャー時代に培った足腰の力もありましたし、配球も考えながらやっていたのでそれは打撃に生かせたかなとは思います。ですが、個人的には最後の1年だけ野手になって試合に出させてもらっていた中で、この100人いる部の期待に応えられなかったのではないかという気持ちがあります。それでもチームの代表として強い気持ちで試合に臨めたと思います。

――3年春には開幕投手も務めました。投手時代の思い出は

やはりピッチャーをやりたいから手術をして、入部しました。もう一度ピッチャーをやりたいという気持ちはありました。

――具体的にどういったケガで手術することになったのですか

右肩関節唇の損傷ですね。斉藤和巳(元福岡ソフトバンクホークス)とか斎藤佑樹(平23教卒=現北海道日本ハムファイターズ)も苦しんだ重度なケガで、高校時代に手術してから2年間は野球ができないと言われていたので、3年春が入部してからの自分のスタートでした。それには間に合ったというかたちなのですが、それには間に合わず、という感じでしたね。ただ手術をしてでも野球をやりたいという気持ちがあったので、手術してよかったと思います。

――四年間で特に印象に残っている試合は

初めてマウンドに上がった試合は今でも忘れられませんね。それまでずっと投げられなかったのですが、投げることができてあの試合は本当に楽しかったですね。ボールも触れなかった2年間で、初めてのマウンドは3年春の慶應との練習試合だったのですがそれが一番の思い出です。

――最後に四年間共に過ごした4年生に向けて一言お願いします

ワセダには堅いイメージがあると思うのですが、結構色んなやつがいてその中で出ているやつも出てないやつも一丸となって勝ちにこだわって練習してきました。本当にいいチームに恵まれてプレーすることができました。