開幕戦で完封負け/法大1回戦

準硬式野球

法大1回戦
法大
早大
(早)●向江、沼座、黒須―松下

◇(三塁打)鈴木 (二塁打)松下

 関東地区大学選手権から1週間。この日、東京六大学春季リーグ戦(リーグ戦)が開幕した。ことしの早大にとって、この大会は目指す全日本大学選手権への挑戦権を手に入れるためにも絶対に負けられない。しかし、初戦となったこの試合では打線が沈黙。キレ、制球共にリーグトップレベルの投手・末次慶一郎(法大)を前に3安打に抑え込まれ、完封負け。健闘した早大投手陣を援護できず、これまで強みとしていた打撃に課題が残った。

 ここまでの3試合で40得点と、驚異的な数字を残してきた稲穂打線。しかし、この試合はまさかの無得点に終わった。「相手の方が上と割り切るしかない」(松本憲太郎主将、スポ4=福岡・筑紫丘)。力の差は歴然としていた。直球と変化球を織り交ぜ、テンポ良く投げ続ける末次の投球は早大打線を翻弄(ほんろう)。3回、そして4回には松下和樹(先理4=静岡・掛川西)、鈴木夏亥(社2=東京・早実)による長打で好機をつくったが、後続が続かず得点をあげることはできなかった。また、単調な攻撃を続けてしまったことも、無得点の要因の一つだ。自慢の打撃力を背景に、積極的に打ちにいく早大打線。その好球必打の姿勢が、今回は裏目に出た。「工夫がなかった」(松本)との言葉通り、この試合は9回の攻撃中6回が三者凡退。好投手を相手になすすべなく打ち取られていった。

8回三振に倒れた松下

 課題であった守備では、明るい兆しが見えてきた。この日の先発は、向江洋光(人4=大分上野丘)。前回の登板では制球の乱れが目立ったが、この試合では課題を修正し、本来の投球を披露した。8回途中まで7安打を浴びながらも、要所を締める粘投。「本来の自分のピッチングだった」(向江)と、本人も納得の内容で法大打線を2点に抑えた。また、エースの奮闘にバックも応える。基本を忠実におさえた丁寧な守りで、この日は失策0。8回には、左翼手後方への痛烈な打球を高橋崚介(人2=秋田・横手)が、下がりながら捕球するなど、向江を盛り立てた。

力投を見せた向江

 初戦の敗戦でいきなり窮地に立たされた早大。何としても次戦をものにし、第3戦へ勝ち点の望みをつなげたいところだ。リーグ戦の今後を占う第1節。ここが最初の正念場となる。冬から取り組んでいる堅い守備への挑戦が、形となって見えてきたこの試合。黒星スタートながら、成長した部分を垣間見ることができた。リーグ戦優勝という目標に向け、ここから再スタートを切ることができるのか――。次戦にチームの行く末が掛かる。

(記事 杉田陵也、写真 進藤翔太)

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コメント

松本憲太郎主将(スポ4=福岡・筑紫丘)

――きょうの試合を振り返って

少ない好機をものにできていればというところでしたが、上手くいきませんでした。好機自体多くなくて、何かしらの工夫が必要だったなという試合でした。

――きょうの試合では3安打に抑えられましたが、法大の末次慶一郎選手はどのような投手でしたか

直球も変化球もキレが良く、四球もない制球も良い投手で、きょうの相手投手の感じだと、相手の方が上と割り切るしかないのかなと思います。

――その相手投手に対して「工夫がなかった」と松本選手も仰いましたが、チームとしてもっと攻撃面で改善するところはありますか

チームとして狙い球を絞りきれなかったですし、相手も好投手なので絞らせてくれなかったというところもあります。あとは、出塁をして走塁で何とかしたかったということがあります。

――守備面では失策もなく、前回大会からの成長も見られました。大会後の練習での守備練習は何を意識していましたか

もう一度基本を確認しようということで、しっかり正面で取って相手の胸に投げるということを全体で確認しました。それが良かったのかなと思います。

――勝ち点のためにはあしたの勝利が絶対ですが、そこに向けての意気込みをお願いします

いきなり正念場という感じですが、投手の調子も上がってきていますし、守備もしっかりできているので、あしたはしっかり切り替えて全員で相手に向かっていけばきっと勝てると思っているので、全員で勝てればなと思っています。

向江洋光(人4=大分上野丘)

――きょうのピッチングを振り返ってみていかがでしたか

負けたのであまり喜べることではないんですけど、きょうは久しぶりに自分の納得のいくピッチングが出来たと思います。

――先日の東海大戦に比べて四球の数が少なかったと思いますが、何か意識したことはあるのでしょうか

いままで投げ急いでるということをOBや監督(池田訓久、昭60教卒=静岡・浜松商)から言われていて、下半身主導でしっかり投げるというのを意識して投げるようにしていました。そうしたら良い球がいくようになりましたね。

――被安打7ながら失点は2と、粘りのある投球だったと思いますがそれに関してはいかがですか

自分はヒットをたくさん打たれるので、ある意味自分らしいというか、点をやらなければいいので。そういう意味ではきょうは本来の自分のピッチングだったかなという風には思います。

――東京六大学春季リーグ戦の開幕戦で先発としての登板でしたが、どういう気持ちで試合に臨みましたか

全然調子が上がっていなくて、この試合でダメだったらこれからはずっと使ってもらえないだろうなっていうくらい覚悟していたので、まず試合に使ってくれたことに感謝することと、まだ第1節なので、もう一回ここから、次の試合また勝てるように、チームに貢献できるように頑張りたいと思います。

――そんな中での登板で良いピッチングができたことは自信になったのではないでしょうか

何よりもほっとしています。

――4回裏にベンチ前で池田監督とお話されていましたが、何を話されていたのでしょうか

いや、特別なことはないんですけど、もっと頑張れよ、と。熱い方なので。

――あしたの試合の先発というのはあり得るのでしょうか

あしたはないです。あしたは大河原(朋哉、スポ4=大阪・三国丘)で。彼もすごく良い投手なので、やってくれると思います。

――ではあした勝てば第3試合での登板ということになるのでしょうか

そうですね。3戦目はぼくだと思います。

――次回の登板に向けて意気込みをお願いします

しっかり調整して、次は勝てるようにいいピッチングをまたしたいと思います。