慶大相手に圧巻の20点差勝利

準硬式野球
慶大
早大 16 × 21

 「どんな形であっても勝ちたい」。3回戦終了後、池田訓久監督(昭60教卒=静岡・浜松商)はこのように語った。4回戦の相手は、ライバル慶大。東京六大学春季リーグ戦(リーグ戦)の前哨戦ともなるこの戦いは、早大にとって何がなんでも勝ちたい試合であった。結果は、またしても打線が爆発。20点差という圧倒的な力の差を見せつけ、ライバル校対決を制した。

 稲穂打線はこの日もその強さを発揮した。初回、打者21人、40分近くに及ぶ攻撃で、いきなりの16得点。試合の形勢を決定づけた。この回だけで選んだ四死球は11。また、ストライクとボールがはっきりと分かれた慶大投手陣の甘い球を逃すことなく、7安打を量産した。その後、3回にも5点を重ねて21得点。2試合続けてのコールド勝ちを収めた。この日、チーム最多タイの4打点を挙げたのは休波隼(スポ4=茨城・日立第一) 。昨年までは代打での出場機会が多かったが、今季は4番打者を任されている。その重責からか、シーズン初戦となった前試合では硬さが目立ち、無安打に終わった。「きのう打てていなかったので迷惑かけた分を取り返そう」(休波)。チームメイトのアドバイスもあり、いつも通りの打撃を心がけてバッターボックスに臨んだ。結果は上々。初回、無死満塁の場面で左中間に適時打を放ち、大量得点の契機を作る。続く2打席目も自らのバットで追加点を重ね、主軸としての役割を果たした。

初回、先制打を放った休波

 頼もしい先発投手が帰ってきた。大河原朋哉(スポ4=大阪・三国丘)。ケガのため昨年の春季リーグ戦以来となる、約1年ぶりの登板だ。長身から振り下ろされる直球は、速さ、制球ともに健在。4回に味方の失策も重なり1点を失うも、テンポの良い投球で相手打線を淡々と打ち取り、久々の勝利投手となった。これから大河原には、先発の柱としての活躍が期待される。持ち前の打たせて取る投球で、早大に流れを引き寄せられるのか――。今後の登板に注目が集まる。

見事な復活ぶりを見せた大河原

 2戦連続コールド勝ちにも、チームは「次からが本番」(平田祥太郎、基理4=大分上野丘)と、気を引き締める。ベスト8が出そろい、これからの試合は強豪校が相手だ。この2試合で31得点という勢いそのままに、まずは目の前の一戦に臨みたい。

(記事 杉田陵也、写真 尾澤琴美)

※記事中の学年は新年度のものです。

コメント

休波隼(スポ4=茨城・日立第一)

――きのうの試合では打撃で苦しんでいるように見えましたが、きょうは第一打席目で三塁打を放ちました。どのような気持ちで臨まれましたか

きのう打てていなかったので迷惑かけた分を取り返そうという気持ちと、きのうチームメイトの方からもっとこうしたほうがいいのではないかと言われたのでそこを修正していこうという気持ちで臨みました。

――チームメイトからはどのようなアドバイスをもらったのですか

前に打てていた時はもっとリラックスして(打席に)入っていたのではないかと言われたので、きょうはできるだけ楽に構えようと思いました。

――狙い球は絞られていたのですか

僕はあまり狙い球は絞らないタイプなのですが、ワンスリーになった時点で次は甘い球が来るだろうなと思ったので、振っていこうとは思っていました。

――早慶戦ということで特別な意気込みなどはありましたか

慶大には昨年の秋に負けているので、その分を取り返してやろうという気持ちはありました。

――きょうのコールド勝ちの要因は何だと思われますか

オフシーズン振り込んできたので、皆バットはよく振れていると思いますし、応援やベンチの雰囲気もとても良いので、それが大きく後押ししてくれていると思います。

――相手に1点返された後のミーティングではどのようなことをお話されていたのですか

点を取られたことに関しては特に無かったのですが、投手がいろいろ交代していく中でその投手からも点を取ろうという話はしていました。

――次の試合への意気込みをお願いします

次は恐らく接戦になると思うので、1点でも多く点を取って終われていればと思います。絶対に勝ちたいと思います。

平田祥太郎(基理4=大分上野丘)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

初回から打線がつながって大量点が取れたので良かったと思います。

――平田選手自身も前の試合で2安打、きょうの試合でも3打点と打撃の好調さがうかがえます

いまはすごく良い感じで(バットを)振れているので、この調子を維持して、次からが本番になると思うので、そこでしっかりと打ちたいです。

――平田選手の打順が昨日の6番から、きょうは9番になりました。打撃が好調にもかかわらず打順が変更されたのはなぜですか

他に9番を打てる人がいなかったので(笑)。打順は下がった形になりましたが、打線がつながったので、これで良かったのかなと思います。1番(打者)の倉本(芳郎、法2=広島・修道)も当たっているので、いい形で回してあげたいなと思っています。

――4回には平田選手の失策も絡んで失点を許してしまいました

そうですね。守備に不安があるので、次の試合までにまた一からやり直したいなと思っています。

――最後に次の試合に向けて一言お願いします

まだまだ上を狙わないといけないと思うので、チーム一丸となって頑張りたいなと思います。

大河原朋哉(スポ4=大阪・三国丘)

――試合を振り返っていかがですか

味方が一気に大量得点を取ってくれたので、その後はすごく投げやすく、打ち取る投球を意識できたのでよかったと思います。

――昨季はけがをされていたと思いますが、公式戦の登板はどのくらいぶりですか

ほとんど1年ぶりでした。

――その中でどのような心境でマウンドにあがりましたか

あまり考えたらよくないと思ったので、練習試合のような気持ちでリラックスして投げることだけを考えました。

――1回の攻撃を待つ時間が長かったと思うのですが、その間どのようなことを心がけていましたか

また2回が初回だと思って投げました。初回は自分の中ではなかったことにしていました。

――今後の意気込みをお願いします

これからも、連戦が続くかもしれないので、無理に押さえ込む投球ではなく、打ち取る投球を意識してチームの勝利に貢献できればいいなと思います。