守りの野球で全日本への出場権獲得!

準硬式野球
TEAM
群大荒牧
早大 ×

 東京六大学春季リーグ戦での完全優勝から2週間。この日早大は、全日本大学選手権(全日本)への出場権を懸け、群大荒牧との一戦に臨んだ。北関東王者を迎えた試合は緊迫した展開に。しかし4回に均衡を破ると、5回には代打の高橋崚介(人1=秋田・横手)が右翼へ2点本塁打。投げてはエース・河合亮太(スポ4=茨城・茗溪学園)が9回途中1失点の好投でリードを守りきり、30年ぶりの全日本制覇へ、まずはその挑戦権を手に入れた。

 3回までに6三振と、序盤は相手左腕の緩急自在の投球に手も足も出なかった打線。しかし4回、中軸の右打者二人がその突破口を開いた。1死から4番の南貴文主将(スポ4=兵庫・加古川西)が右翼線への二塁打で好機を演出すると、打席には木村杯新人戦での活躍でスタメンに抜てきされた鈴木夏亥(社1=東京・早実)。高めの変化球を叩くと、鋭い打球が右中間を抜けていく。適時三塁打となり先制点を奪った。続く5回は安打と犠打などで無死一、三塁としたものの、けん制死もあり2死三塁に。このまま無得点で終わりたくない早大は、同じく1年生の高橋を代打に送る。するとここで、新進気鋭の強打者が起用に応える一発。「自分の精一杯のバッティングを」と振り抜いた4球目は、右翼手の頭上を悠々と超える特大の本塁打となり、勝利を大きく手繰り寄せた。

本塁打を放ち、塁を回る高橋

 先発のマウンドに登ったのは河合。積極的にバットを振ってくる群大荒牧の打線にてこずり、毎回のように走者を背負う苦しい投球が続く。しかしピンチのたびに、力のある直球と持ち前の粘り強さが光り、相手に得点を許さない。9回途中までに9安打を浴びるも要所を締め、1失点と踏ん張った。そしてあとアウト1つの場面でバトンを受け取った沼座翔平(スポ3=広島なぎさ)も、迎えた打者を三振に仕留め危なげなくゲームセット。自慢の投手陣がこの日もその実力をいかんなく発揮した。

9回途中に河合からマウンドを譲り受ける沼座(左)

 投手を中心とした早大らしい野球ができたように見えたが、南は試合後、「攻撃面で課題は多かった」と引き締まった表情で振り返った。本戦までは残り2か月間。し烈な競争がまた始まる。昨年の悔しさを知る上級生、新戦力として台頭してきた1年生、お互いが高めあい、チームとしてレベルアップすることが重要だ。この期間でいかに成長できるかが、悲願の全日本制覇への命運を握る。

(記事 伊藤広真、写真 河島孝大)

コメント

南貴文主将(スポ4=兵庫・加古川西)

――きょうの試合への意気込みは

とにかく勝とう、というのはもちろんなんですけど、今まで自分たちがやってきたことを全力でやり切ろうということでした。変に無い物ねだりだったり高望みはせずに、自分たちの野球をやろうというのを徹底しました。

――自分たちの野球というのは具体的にどのようなことですか

粘り強く守って、1点ずつ取っていくというのが自分たちの野球だと思っています。

――試合を振り返ってみていかがですか

結果として3対1で勝てたといえば勝てたのですが、もっと点は取れたと思いますし、攻撃面では課題は多かったのかなと思います。

――試合後のミーティングではどのような話をされていたのですか

まずみんなに感謝の気持ちを伝えました。新チームが始まってから本当に成長できたということで。4年間でのどの代よりも成長スピードの速い代だと思っています。そして、全日本(全日本大学選手権)までの残り2か月間を頑張ろうという話をしました。

――序盤は打ちあぐねていた相手を中盤からとらえ始めましたが、何か変えた部分はありましたか

低めの直球の伸びとチェンジアップがすごく良かったので、膝元付近は捨てよう、振らずにいこうと意識したのが功を奏したかなと思います。

――先制点につながる二塁打を放ちましたね

4番として出塁できたのはすごく良かったと思います。

――きょうは1年生の活躍も見られましたが、やはり今後に向けて明るい材料ですか

新人戦で高橋(崚介、人1=秋田・横手)と鈴木(夏亥、社1=東京・早実)の二人は打っていて、起用したらこうして結果を出してくれて。1年生を使いつつ、もっと3、4年生も頑張ろうという話もしました。

――昨年の全日本では準決勝敗退ということでしたが、そのチームと比べてことしのチームの完成度、実力というのはいかがですか

きょねんと比べたらまだまだです。でもこの2か月でしっかり成長していきたいと思います。

――この2か月で成長するために、どのように過ごしていきたいですか

練習の質はもちろん、全員がうまくなること、全員でレギュラー争いだったり競争をしていくことを大切にしたいなと思います。

――最後にことしの全日本の目標を教えてください

絶対に優勝したいと思います。

河合亮太(スポ4=茨城・茗溪学園)

――きょうの投球を振り返って

そうですね、まあ調子は良くなかったので。要所を締められたいつも通りのピッチングができたかな、って思います。

――5回以外は走者を背負っての投球となりましたが、苦しさはありましたか

僕は三者凡退で抑えられることはなかなかないので(笑)まあ、いつも通りかな、と思ったので。それで抑えられたので良かったかなって思います。

――最終回二死から安打を許し、沼座投手(翔平、スポ3=広島なぎさ)にマウンドを譲りましたがその時の心境はいかがでしたか

あの回は、自分が行くか行かないかっていうのを、上が話していて。「行けるか」って聞かれて、「行きます」ってそれは言いますよね(笑)そう行ったら、「1人出したら交代な」って言われて。2人抑えて「よっしゃ」って思ったら打たれちゃって。少しガッカリしました。でも、この試合は防御率とかは関係なかったので(笑)まあ、それで沼座が抑えてくれたんで良かったかな、と思います。

――全日本選手権までの期間をどのように過ごしたいですか

そうですね、まあ7月くらいまでは、普通にトレーニングして。そこから調整に入って全日本で一番良い調子に持っていけたら、と思います。

――全日本選手権への意気込みをお願いします

優勝します!

高橋崚介(人1=秋田・横手)

――きょうの本塁打を振り返って

自分が狙っていた球がスーッと入ってきてくれて、それにバットを出していって、自分でもホントにびっくりして。打球がどこに飛んだのか分からないくらいびっくりしました。

――代打で打席に向かわれた時、どのような心境でしたか

もう先輩たちの全日本を決める試合だったので、迷惑をかけないように自分の精一杯のバッティングをしたいと思っていました。

――全日本選手権への意気込みをお願いします

自分は迷惑をかけないようにボールに食らいついて、まず代打で出た時にはヒットを打てるようにしたいと思います。