投打かみ合わず悔しい準優勝

準硬式野球
TEAM
日大
早大

 山あり谷ありの戦いを乗り越え、関東地区大学選手権(関東選手権)の決勝まで駒を進めた早大。昨季は決勝が中止となり日大と両校優勝を分け合ったが、ことしは晴天のもと日大と白黒を付けることとなった。しかし結果は投打ともに精彩を欠き4-1の敗戦。初回に幸先よく先制したものの、逆転されさらに突き放された。

 初回の攻撃は早大が泥臭さを存分に発揮した。1番打者の松井克成(スポ4=東京・早稲田実)が粘ること13球の末四球で出塁。3番堂園武史(人4=大分上野丘)の安打、4番南貴文主将(スポ4=兵庫・加古川西)の四球で塁を埋め、6番平田祥太郎(基理3=大分上野丘)が相手遊撃手の失策を誘って先制に成功する。この回相手投手に投げさせた球数は42。次の回以降に期待を抱かせる内容となった。しかし2回以降、立ち直りを見せた相手投手の前に打線は沈黙する。「工夫が無かった」(櫻井雄祐学生コーチ、人4=神奈川・桐蔭学園)と振り返る淡泊な攻撃。簡単に2ストライクに追い込まれ、相手の術中にはまってしまった。結局最後まで突破口を見出すことができず、散発4安打で追加点を奪えなかった。

空振り三振を喫し悔しがる嶋田次郎(スポ3=長野・松本深志)

 一方の投手陣。先発のマウンドに上がったのは河合亮太(スポ4=茨城・茗渓学園)だ。ボール球が先行しながらも要所を締め6回までを1点に抑える。だが同点で迎えた7回、先頭打者に安打を許したところで二番手沼座翔平(スポ3=広島なぎさ)にスイッチ。沼座は走者を3塁に進めながらも気迫の投球で2アウトまでもっていき、次の打者も2ストライクから低めの変化球でバットに空を切らせた。しかし投球は無情にも捕手のグラブをかすめ後ろへ。振り逃げを許し、3塁走者も生還して勝ち越し点を喫した。ここで集中力が切れたか、沼座は後続にも安打を許し2失点。この回3点を奪われた。沼座の後を受けた3番手向江洋光(人3=大分上野丘)が踏ん張るも万事休す。開いたリードは最後まで縮まらなかった。

向江にマウンドを譲る沼座

 「悔しい」。この日無安打に終わった南貴文主将(スポ4=兵庫・加古川西)は率直な感想を口にした。しかし「一戦一戦成長できた」(南)「自信になった」(櫻井コーチ)とチームはこの大会での戦いを前向きにとらえている。関東選手権はあくまでも今年度の戦いの序章に過ぎないのだ。まもなく開幕する東京六大学春季リーグ戦に向けて課題を修正し、春季連覇を果たすことができるか。早大の真の戦いはこれからだ。

(記事 鈴木泰介、写真 河島孝大)

コメント

南貴文主将(スポ4=兵庫・加古川西)

――試合を終えての感想をお願いします

正直悔しいです。でもこれが自分たちの現状なのかなと思います。その悔しさを今後の練習で生かしていけたらなと思います。

――攻撃面では思うようにいかなかったと思うのですが要因は

相手が結構いい投手が来たというのがあって気持ちの焦りもあったのかなと思います。

――ご自身のプレーを振り返っていかがでしたか

きょうは一本も出なかったので、自分がどんな調子であっても一本は打たなければいけないなと改めて実感しました。

――新チームとして戦ってきて手応えはありましたか

練習試合でいい成績が残せていなかったのでどうなるのかなというのが正直なところでしたが、一戦一戦試合を積むにあたって成長していけたという点が良かったです。今後も成長していきたいと思います。

――すぐにリーグ戦が開幕すると思いますが、意気込みを最後にお願いします

この悔しさを胸に絶対優勝したいです。

櫻井雄祐学生コーチ(人4=神奈川・桐蔭学園)

――試合を終えての感想をお願いします。

思っていた以上に力の差は無いなというのは一番に感じて、勝負所でのミスの無さ、攻撃の効率の面では日大の方が格段に上と感じました。

――攻撃面では1回に投手に球数を投げさせながら、2回以降は少ない球数で抑えられましたが、要因は

2回に相手のキャッチャーがテンポを早くするようになってから、その対応、打席を外すとかバントの構えをするとかというちょっとした工夫が無かったというのが要因かなと思います。

――新チームとして戦っての手応えはありますか

きょねんのスタメンが大幅に抜けて、弱い弱いと言われ続けていたのですが、でも戦えるという自身にはなりました。けれども逆にこのままでは全日本にすらでれない、日大に勝てない、前に勝った中大にも負けてしまうという甘い部分があったので、修正できると思います。

――リーグ戦にむけた課題を教えてください。

関東でいいゲームをできた一方、目に見えるミスも見えないミスも分かったので準優勝できたからといっておごることなく、準優勝に終わった要因を突き詰めていきたいと思います。