強豪に挑むも、入賞には一歩及ばず

柔道

 20歳以下の学生日本一を決める全日本ジュニア体重別選手権大会(全日本ジュニア)が開催された。今大会では、優勝者は世界ジュニア選手権、3位以上で講道館杯の切符を獲得となる。早大からは、女子から3人、男子から2人が出場した。初日の女子部では、52キロ級の出口華(スポ3=兵庫・夙川)、57キロ級の姥琳子(スポ1=福岡・修猷館)、70キロ級の大森恵花(スポ2=東京・渋谷教育学園渋谷、2日目男子部は81キロ級で板東新(スポ1=静岡・加藤学園)、100キロ超級で笠井雄太(スポ2=愛知・桜丘)がそれぞれ全日本ジュニアの舞台へと挑んだ。

今大会初出場となった姥

 大会1日目の女子部では、姥が唯一の1年生であった。2回戦目からお互い譲らない一進一退の展開を見せる。ゴールデンスコア(GS)に突入後も姥は積極的な攻めを見せ、最後は相手の反則負け(消極的指導)で一本を勝ち取り、粘りを見せつけた。続く3回戦では、15歳から17歳による世界一を決める世界カデ選手権で今年優勝したばかりの敬愛高校・本田との対決となった。2回戦同様激しい競り合いを見せたものの、GSに突入し消極的指導で反則負け、惜しくも敗退となった。「自分のやりたいことが発揮できなかった」と振り返った姥、試合後には悔しげな表情を浮かべた。

 

積極的に技を仕掛け続けた板東

 大会2日目の男子部には、東京都ジュニア選手権でそれぞれ3位、優勝を勝ち取った板東と笠井が駒を進めた。板東は初戦からGS9分にまで及ぶ激闘を演じたが、最後には勝負強さを見せつけ体落で技ありを獲得。2回戦では序盤からたたみかけ、払巻込で技あり。そして迎えた3回戦では、習志野高時代に同大会を制した明治大の伊澤が相手となった。中盤頃、相手に抑え気味となってしまい苦しい展開に。試合開始約3分の崩袈裟固で一本を取られた。その後敗者復活戦に臨んだが、隅返の合わせ技で強敵相手に敗北を喫した。

 先週行われたばかりの東京学生体重別選手権で優勝したばかりの笠井。その勢いのまま2回戦開始すぐの小外刈で難なく一本、試合を制した。3回戦、最後は押し出しの指導を取られた相手の反則負けで一本勝ちを決める。準決勝ではお互い積極的に攻めていく熱戦を見せた。だが、終盤に内股で技ありを取られ、敗者復活戦へと挑む。敗者復活戦では笠井が序盤から勢いを見せつけ有利に試合を運ぶ。積極的に技を仕掛けていくも、最後はもつれ込む展開を呈し相手の裏投が認められ、惜しくも入賞を逃した。

 

笠井は初戦から一本を決めた

 今回は惜しくも早大からの入賞は無かった。それぞれ悔いの残る場面があったが、多くのレベルの高い選手と戦う中でそれぞれの課題を確認することが出来た。次に迎える全日本学生体重別選手権や講道館杯に向け、この経験を糧とし、今後の選手たちの躍進への一歩となることを望む。

(記事・写真 安齋健、今村奎太)

結果

▽女子52キロ級

出口華(スポ3=兵庫・夙川) 初戦敗退

 

▽女子57キロ級

姥琳子(スポ1=福岡・修猷館) 3回戦敗退

 

▽女子70キロ級

大森恵花(スポ2=東京・渋谷教育学園渋谷) 2回戦敗退

 

▽男子81キロ級

板東新(スポ1=静岡・加藤学園) 3回戦敗退

 

▽男子100キロ超級

笠井雄太(スポ2= 愛知・桜丘) 準決勝敗退

コメント

笠井雄太(スポ2=愛知・桜丘)

――どのような目標で今大会に臨まれましたか

 この大会では世界ジュニアの代表もかかっているので、優勝しなければいけないという思いで挑みました。

――今大会を振り返っていかがでしょうか

 コンディションを試合前までに十分に仕上げられなかったなと感じています。また実力不足なのもとても感じました。

――試合を通して得た収穫や反省点はありますか

 試合前のコンディション、また試合までの取り組みに課題を感じました。また得た収穫としては、今後試合では対策される立場なので、それを覆すだけの実力をつけなければならないなと感じました。

――今回の試合で特に印象的な場面はどこでしたか

 一回戦です。開始早々に投げて勝つことができたので、次の試合にも気持ち的に楽に挑むことができました。

――最後に、今後の意気込みをお願いします

 今回不甲斐ない試合をしてしまい、反省点も多かった大会だったのですが、今ある自分への課題を修正し、これからある全日本学生や尼崎体重別の大会に活かせたらなと考えています。

姥琳子(スポ1=福岡・修猷館)

――どのような目標で今大会に臨まれましたか

 優勝し、世界ジュニアにつなげるという目標で臨みました。

――今大会を振り返っていかがでしょうか

 今大会は自分のやりたいことが発揮できず、もっと努力することが必要だと感じました。

――試合を通して得た収穫や反省点はありますか

 今の自分の柔道では全国には通用しなかったため、自分の柔道スタイルを良いところは残しつつ少しずつ変えていこうと思いました。

――最後に、今後の意気込みをお願いします

 日本一になれるように頑張ります。