男子部からは2年生二人が講道館杯へ 飯田がベスト8入りを果たす

柔道

 昨年は新型コロナウイルスの影響で中止となった講道館杯全日本体重別選手権(講道館杯)が、千葉ポートアリーナで行われた。大会で上位成績を残すなど、強化委員会から選出された高校生から社会人までの選手が集い、体重別で日本一を争うこの大会。早大男子部からは、中野智博(スポ2=神奈川・桐蔭学園)と飯田健介(社2=福岡・南筑)の2年生二人が出場した。

高校時代にも出場経験のあった中野

 100キロ級に出場したのは、高校時代にも講道館杯の出場経験がある中野。今年5月の全日本強化選手選考会で見事3位に入り、全日本柔道連盟のB強化選手にも選出されている実力の持ち主だ。攻撃的な柔道が特徴の中野だが、初戦は肩の負傷もあってか、あまり積極的な姿勢を見せない。互いに拮抗した試合展開を見せるも中盤、相手が踏み込んだ左足を支点に体を反転させると、これに足を取られた中野が右前方に重心を崩し、支釣込足で技ありを許してしまう。そのまま横四方固も決められ、中野は合わせ技一本勝ちを許して、悔しい初戦敗退となった。

2回戦進出とはならなかった

 81キロ級に出場したのは、9月の全日本ジュニア体重別選手権で準優勝を果たした飯田。初戦の2回戦を相手の反則負けで突破すると、3回戦では国学院大の同じ2年生を相手に迎えた。「厳しい戦いになると予想していた」という飯田だったが、序盤で試合を決めることとなる。開始20秒にも満たない場面で、飯田は相手の釣り手を上げ、そのまま背負うようにして腰に乗せる構えを見せる。相手がバランスを崩して下半身に重心がかかるも、ぶれることなく相手を一気に前方へ投げきった飯田。見事に袖釣込腰で一本勝ちを収め、ベスト8入りとともに4回戦進出を決めた。

3回戦で袖釣込腰を決める飯田

勝てば準決勝進出が決まる4回戦。社会人選手を相手に拮抗した試合展開となり、互いに反則負けの迫る指導2のまま、延長戦のGS(ゴールデンスコア)へ突入する。両者後が無い中、GS突入早々に飯田に極端な防御姿勢・消極的指導が与えられ、準決勝手前で無念の反則負けを喫した。飯田はその後、ベスト8以上の選手が出場資格のある敗者復活戦に登場。勝てば3位決定戦へ進める一戦だったが、社会人の難敵を相手に、序盤から試合の主導権を握ることができない。そして、開始2分すぎに大外刈で体勢を崩されて技ありを決められると、そのまま首に腕を回されて上体を抑え込まれ、袈裟固を決められた飯田。合わせ技一本勝ちを許し、3位決定戦出場を逃すこととなった。

奮闘も3位決定戦手前で敗れた

 3位入賞には届かなかったものの、限られた選手にしか出場資格のない講道館杯で経験を積んだ二人。「負けた相手とは結果以上の差があると感じた」と飯田が振り返るように、ハイレベルな相手との一戦を経て、選手たちは新たな気づきを得たはずだ。残る試合は早慶柔道対抗戦(早慶戦)のみとなり、男子部の試合は20人制の勝ち抜き方式で行われる。現在慶大に連敗中の男子部だが、1年間の集大成であるこの一戦を制し、4年生の花道を笑顔で飾ってほしい。

(記事・写真 湊紗希)

結果

▽男子81キロ級

飯田 健介(社2=福岡・南筑) 4回戦、敗者復活戦敗退

▽男子100キロ級

中野 智博(スポ2=神奈川・桐蔭学園) 2回戦敗退

コメント

飯田 健介(社2=福岡・南筑)

――どのような目標で今大会に臨まれましたか

 3位入賞を目標に臨みました。

――4試合を振り返っていただき、特に印象に残っている試合と、その理由を教えてください

 2試合目です。試合前から相手が強いことは知っていたので厳しい戦いになることを予想していました。しかし、試合早々ワンチャンスをものにして1本で投げることができました。

――初の講道館杯だったかと思いますが、戦ってみてどのような大会でしたか

 初の講道館杯、初のシニアの大会とあって、1試合目は特に緊張しました。4試合を通して、負けた相手とは結果以上の差があったなと感じました。もっと実力をつけないと3位入賞することはできないと思うので、アグレッシブな柔道を心がけて練習を頑張っていきたいと思います。

――今後は早慶戦が控えていると思います。最後に意気込みをお願いします

 4年生に勝利を届けられるように、精一杯頑張ります!