体重別の個人戦で学生日本一を決める、全日本学生体重別選手権。女子部からは、大森惠花(スポ1=東京・渋谷教育学園渋谷)と野澤知莉主将(スポ4=神奈川・桐蔭学園)の2人が出場した。ベスト8以上で今月末の講道館杯体重別選手権(講道館杯)の出場権を獲得できる今大会で、野澤が見事に準優勝の快挙を成し遂げた。
先月10日の全日本ジュニア体重別選手権(全日本ジュニア)で3位入賞を果たし、講道館杯の出場権を獲得した大森。初戦は序盤から積極的に投げ技を仕掛けるも接戦となり、延長戦のGS(ゴールデンスコア)へと突入する。しかしGSに入って間もないタイミングで大森は相手を斜め前に崩すと、そのまま内股を決めて一本勝ちを収めた。続く2回戦は強豪・環太平洋大の相手に内股を仕掛けたところで逆に足を刈られ、内股返しで技ありを許した大森。そのまま試合に敗れ、悔しい2回戦敗退となった。
1回戦で内股を仕掛ける大森
同大会で昨年はベスト8に終わった野澤は、初戦を不戦勝、2回戦を相手の反則負けで突破して順調に準々決勝を迎える。その準々決勝では、試合序盤ですかさず相手の後方から足を掛けて小外掛を決め、技ありを獲得。続けて大内掛も決まり、合わせ技一本勝ちで準決勝へと駒を進めた。準決勝は互いに一歩も譲らず、試合時間も8分を超える接戦となるが、相手の反則負けで野澤が決勝進出を決めた。
積極的な柔道を見せた野澤
昨年にも対戦経験がある、強豪・環太平洋大の相手と迎えた決勝。「力の差があった」と振り返ったように、積極的に攻めるも技が満足にかからず、厳しい試合展開となる。その中でも持ち味を発揮する野澤だったが、開始2分頃に体勢を崩されると、そのまま内股で技ありを許してしまう。すぐに体勢を直そうとするも、相手に肩と右腕を抑え込まれて肩固を決められ、合わせ技一本勝ちを許して惜しくも優勝には届かなかった。
準優勝を果たし笑顔を見せる野澤
大森は惜しくも2回戦敗退、野澤は優勝こそ逃したものの、月末に行われる講道館杯への出場権を獲得している2人。準優勝の野澤が「講道館杯に向けてここから立て直して、勝てるように頑張りたい」と力強く語ったように、全国の有力選手が集う講道館杯での、早大柔道部の躍動に期待したい。
(記事・写真 湊紗希)
結果
▽女子70キロ級
大森 惠花(スポ1=東京・渋谷教育学園渋谷) 2回戦敗退
野澤 知莉主将(スポ4=神奈川・桐蔭学園) 準優勝
コメント
野澤 知莉主将(スポ4=神奈川・桐蔭学園)
――どのような意識で今大会に臨まれましたか
去年負けた相手が(トーナメント表で)自分の反対側にいたので、そこまでは頑張って勝ち進んで優勝したいなあという気持ちで臨みました。
――最後の決勝戦を振り返っていかがですか
去年も戦っていた相手なので、そのときの動画を見返して作戦を練ってから臨みましたが、やはり力の差があったかなと思いました。
――試合を通じて得た手応えや課題はありますか
大学生はレベルの高い戦いになるので、自分自身綺麗に投げる選手ではありませんが、柔道のルールをうまく利用して勝つことがすごく重要だなと思っていて、そこを意識して試合を運んでいけたのかなと思います。
――最後に今後への意気込みをお願いします
3週間後に講道館杯(講道館杯全日本体重別選手権大会)があるので、そこに向けてここから立て直して、勝てるように頑張りたいと思います。