地区大会を勝ち抜いた20歳以下の選手で日本一を争う、全日本ジュニア体重別選手権(全日本ジュニア)。早大柔道部は、女子部から出口華(スポ2=兵庫・夙川)と大森恵花(スポ1=東京・渋谷教育学園渋谷)、男子部からは飯田健介(社2=福岡・南筑)が出場した。
10日に行われた女子部の試合では、まず先に52キロ級に出場した出口が登場。果敢に相手に技を仕掛けるも、試合は4分を超えて延長のGS(ゴールデンスコア)へ突入する。粘りを見せたい出口だったが、審判からの指導が重なって反則負けを喫し、惜しくも2回戦敗退となった。
女子52キロ級に出場した出口
その後70キロ級で2回戦から登場した大森は、腕挫腕固の一本勝ちで初戦を突破。だが続く3回戦で、相手に背負投から横四方固めの合わせ技を決められ、準決勝進出を逃してしまう。しかしその後、ベスト8以上勝ち進んだ選手が参加できる敗者復活戦に臨んだ大森。1戦目を横四方固の一本勝ちで勝利すると、続く3位決定戦では大外刈り決めて一本勝ち。敗者復活戦を勝ち上がり、自身初の全日本ジュニアで見事に3位入賞を果たした。
表彰台で笑顔を見せる大森(写真右)
今大会、男子部からただ一人出場した飯田は、初戦と2回戦を相手の反則負けで突破。しかし迎えた3回戦は、開始10秒ほどで相手に巴投げで技ありを決められ、リードを許す試合展開となる。その後は果敢に技を仕掛けるも、残り時間も迫り追い詰められた飯田だったが、試合時間あと残り1秒の場面で谷落を決め、技ありを獲得。ギリギリのところでGS(ゴールデンスコア)へと持ち込むと、相手の反則負けで勝利し準決勝へと駒を進めた。
3回戦で谷落を決める飯田
続く準決勝も、接戦の末にGSへと突入する。序盤で大外刈を仕掛けられるも、飯田は体勢を崩されることなく、逆に相手に大外刈をかける大外返を決めて技ありを獲得。見事に決勝戦進出を決めた。ここまで粘り勝ちを見せてきた飯田だったが、迎えた決勝では積極的に技を掛ける相手に、大内刈から縦四方固めの合わせ技を決められて惜敗。惜しくも優勝には届かなかったが、男子81キロ級で2位に輝く、好成績を残した。
表彰台に立つ飯田(写真左)
大会を振り返ると、女子部では大森が3位、男子部では飯田が2位と躍動を見せた早大柔道部。惜しくも優勝には届かず、試合後は悔しさを語った選手たちだったが、今後へ向けて確かな手応えや課題を感じた大会となったはずだ。
(記事・写真 湊紗希)
結果
▽女子52キロ級
出口華(スポ2=兵庫・夙川) 2回戦敗退
▽女子70キロ級
大森恵花(スポ1=東京・渋谷教育学園渋谷) 3位
▽男子81キロ級
飯田健介(社2=福岡・南筑) 2位
コメント
大森恵花(スポ1=東京・渋谷教育学園渋谷)
――どのような気持ちで全日本ジュニアに臨まれましたか
一試合目から、相手が知っている選手で厳しい戦いになると考えていたので、もちろん優勝したいという気持ちはありましたが、まずは目の前に置かれている試合にしっかり勝てるようにしようと試合に臨みました。
――敗れた二試合目と最後の3位決定戦をそれぞれ振り返っていかがですか
まず二試合目では、練習で反復してきた背負いの受けができず、投げられてしまったので悔しく思います。それでも、自分の技を何回か掛けて相手が崩れた場面もあったので、そこは自信を持って、今後は技に磨きをかけたいです。3位決定戦では、東京都ジュニアで対戦し敗れた相手だったので、試合前は不安でいっぱいでしたが、最後は大外刈りで上手く投げることができたので良かったです。
――3位という結果はどう捉えられていますか
初めての全日本ジュニアだったので、3位に入賞できたことはとても嬉しく思います。
――試合で得た収穫や反省点は何かありますか
やはり組み手がまだまだ下手だと実感したので、練習で色んな相手とやり、先に相手を掴めるようにしたいです。
――最後に、今後へ向けた意気込みをお願いします
今回の試合で講道館杯の出場権を獲得することができたので、その試合で入賞できるよう、また頑張ります。
出口華(スポ2=兵庫・夙川)
――どのような気持ちで全日本ジュニアに臨まれましたか
一試合一試合無駄のない試合をし、結果を残してお世話になってる方に恩を返したいという気持ちと、優勝するという気持ちで臨みました。
――今日の試合を振り返っていかがですか
自分の弱さと甘さに気付かされた試合だったと思います。何も出来ず試合が終わってしまい、悔しい気持ちと情けない気持ちがあります。また、遠くから応援しにきてくださった方や、サポートをしてくださった方に申し訳ない気持ちでいっぱいです。
――試合で感じた反省点などはありますか
練習でしていた事が思うように出せず、自分の今ある力を出せきれていませんでした。普段の練習で自分の足りていない部分を分析し、自信をもって試合に挑めるまで努力しなければならないと感じました。
――最後に、今後へ向けた意気込みをお願いします
今回の反省点を次にどう繋なげるかが大切だと思うので、気を引き締め感謝の気持ちをもち1日1日を無駄にせず、次の試合で良い結果を残したいと思います。
飯田健介(社2=福岡・南筑)
――どのような気持ちで全日本ジュニアに臨まれましたか
優勝をして、強化選手に入ることを目標に試合に臨みました。
――3回戦では技ありを先行された中、残り時間わずかの場面でGSへと持ちこみ勝利しました。試合を振り返っていかがですか
開始早々技ありを取られ、時間が終わりに近づくにつれて焦りもあったのですが、自分の技に対する相手の反応などを、試合しながら整理できていたことが良かったと思います。残り10秒の場面で「待て」がかかった際、谷落をかけることは決めていました。結果的にGSに持ち込むことができ、そして勝利につなげられたので良かったです。
――続いて決勝戦を振り返っていただけますか
練習してきたことを発揮することができずに負けてしまい、とても悔しいです。負けた要因として、自分の優位な組手にさせてもらえなかったことだと思います。それにより、試合前にイメージしていた柔道をすることができず、それが負けにつながったのだと感じています。
――2位という結果はどのように捉えられていらっしゃいますか
優勝することを目標にしていたので悔しいです。しかし、講道館杯につなげることかできたので、この悔しさを講道館杯で晴らしたいと思います。
――最後に、今後へ向けた意気込みをお願いします
講道館杯頑張ります!