第2回は男子部から百瀬敦也主将(社4=長野・松本第一)、仲島聖悟副将(スポ4=東京・修徳)、佐藤虎太郎(スポ4=神奈川・桐蔭学園)が登場。個性豊かな男子部を率いる3選手に今シーズンの振り返りや今後の意気込みについて語っていただきました!
※この取材は11月14日に行われたものです。
「早大柔道部は自由に強くなれる」(佐藤)
――柔道を始めた年齢ときっかけをお願いします
百瀬 柔道を始めたのは小学2年生の時です。特に柔道をやりたいという理由で始めたわけではないのですが、何か運動をしたほうがいいと親に言われて、友達がやっていた柔道を僕も一緒にやろうということで始めたのがきっかけです。
仲島 僕の父が柔道場を経営していて。その影響で気がついたら柔道をしていたのですが、父の話によると3歳くらいからしていたそうです。
佐藤 僕は6歳くらいだったと思います。今もそうなんですけど、当時からわんぱくというか、やんちゃっていう感じで(笑)。それを見かねた親が「そのくさった根性を叩き直してこい」っていう感じで無理やり道場に入れた感じですね。
――早大柔道部を選んだ理由は何ですか
百瀬 自分が柔道をしていくなかで、ある程度実績を残すことができる環境があるのと、大学卒業後に社会に出ることを考えた時に、いろいろ有利な方が良いかなと思って早大を選びました。
仲島 僕は高校の時に何校か声をかけていただいていたのですが、熱心に声をかけていただいたのが早大だけだったので、早大に決めました。
佐藤 僕も結構いろいろな大学に声をかけてもらっていましたが、何よりも自由にやらせてくれる環境がいいなと思っていたので。早大柔道部は自由に強くなることができるなと思って早大に決めました。
――今シーズンを振り返っていかがですか
百瀬 コロナの影響で大会が開催されるかどうかわからないという状況で今シーズンは始まって、延期された大会は中止になるのかと思いきやこの年末に怒濤(どとう)に組み込まれて。チームのコンディションを考えるうえではとてもやりづらかったなというのが正直なところです。大会がなかった期間の練習もいろいろ考えながらやりましたが、うまくいっているのか疑心暗鬼でした。それで先週の団体で(全日本学生優勝大会)であのような結果になって(3回戦敗退)、自分の至らないところが多かったなという反省点はあります。
仲島 半分は満足していますが、もっとできたなっていう後悔も半分あります。東京都の個人戦(東京都学生体重別選手権)が10月にあって、決勝まで行ってインカレ(全日本学生体重別選手権)と講道館杯(講道館杯全日本体重別選手権)の出場権を得ることができたのは自分の中ではまずまずだったかなというところですね。ただ、団体戦(全日本学生柔道優勝大会)では、もっと勝てたなというのが正直なところです。チームとしての戦略の浅さが出たのではないかと思います。選手の並びが悪かったのもあるのですが、流れを変えることのできる選手がいなかったというか、圧倒できる力を持った選手がいなかったというか。負けることが決まった状態で自分にまわってきてそこで勝ち切ることができなかった上級生としての不甲斐なさもあります。
佐藤 東京都の個人戦(東京都学生体重別選手権)では高校の時から勝ったり負けたりの相手に競り負けて。負けは負けですが予選なので、聖悟が準優勝して講道館杯を決めたのはうらやましいなというのはありますが、次(全日本学生体重別選手権)勝てばいいかなっていう感じでした。それよりも引きずったのが先週の団体戦ですね。東洋大戦に僕が出ていれば勝てたなというのが正直なところです。全国のベスト8とベスト16では全然違うので。百瀬が今までひっぱってきてくれたチームで、何とかそこを達成したいなと思っていたので悔しかったですね。
「今年のチームは上位を狙えるチーム」(百瀬)
――今年のチームの雰囲気について教えてください
百瀬 本当に上位を狙えるチームだなと思いますし、個性的な子がそろったチームなので、僕は主将としてそこを伸ばしたいなって思っています。規制はせずに、選手の中で自由に考えながらやってほしいなというのがあります。
――主将だからとか、4年生だからというところで上下関係を意識することもあまりないのですか
百瀬 そうですね。他の大学と比べて上下関係が厳しいということもなく、いい意味でお互いに気を使わずに何でも言いあえる環境なのではないかなと思います。
――自分たちの学年の雰囲気を教えてください
百瀬 うちのチームは個性的だという話をしましたが、4年生がまさにその代表みたいな感じですね(笑)
――近日中に長嶋選手や中野選手と対談するのですが、後輩の印象を教えてください
百瀬 名前があがった子達は、これからも主力としてチームを引っ張っていく存在ですし、後のキャプテン候補というか、早大柔道部のポイントゲッターになってくるような子達なので、今後の早大柔道部を見ていくにあたって、この子達の活躍というのは注目に値するのではないかと思います。
――早慶戦の意気込みをお願いします
百瀬 公式戦ではないですが、やるからには勝ちに行こうと思いますし、僕は柔道を大学でやめるので、有終の美を飾れたらなと思います。
仲島 全日本ジュニアに出場する後輩たちは4年生としては出さないつもりなので。となるとうちはかなり厳しいというのが正直なところです。勝ち抜き制でも厳しいのですが、点取り方式はなおさら厳しいです。全体としての結果はどうなるかわかりませんが、自分は確実に勝ちたいと思います。
佐藤 僕としては社会人になっても柔道を続けますし、後輩たちも来年以降があるので、未来を見据えたうえで新しい自分を見つけられるような早慶戦にしたいなと思います。その中でお祭りのような感じで楽しめたらいいなと思います。あと、今年は保護者が見に来ることができると思うので、親御さんたちも楽しんでくれたらいいなと思うのと同時に、感謝を伝えられるような柔道ができたらいいなと思います。
――慶大の注目選手がいたら教えてください
佐藤 それは柔道じゃないとダメですか?
仲島 どういうこと(笑)
佐藤 仲良くしてくれている山室未咲(4年)と久野倫平(4年)っていう子達がいるんですけど、すごくいい奴らです(笑)
百瀬 藤井(崚将、4年)選手とか織茂(友多郎、4年)選手だったり、杉村(晃希、3年)だったりは、当たったら対策を考えないとなと思います。
――柔道以外のスポーツを見たりしますか
百瀬 高校の友達が大学でも野球をしているのですが、この前その友達の大学最後の試合があったので、見に行きました。
仲島 僕は結構何でも見ます。オリンピックはほぼほぼ見たんじゃないかと思います。あとプロ野球を見るのが好きで、どのチームが好きというのはないのですが、パリーグが好きです。
佐藤 ラグビーとか結構見ますかね。早稲田のラグビー部にも僕が通っていた桐蔭学園から何人か入ってますし。あとはプロ野球ですね。
――どこのチームのファンですか
佐藤 阪神ファンです。
――僕は巨人ファンです(笑)
佐藤 絶対巨人ファンの反応だと思った(笑)。悪く書かないでね(笑)
――他大学で活躍されている選手とかは意識しますか。佐藤選手は高校の後輩に国際大会で活躍している村尾選手などいますが
佐藤 意識していないって思っていても、どこかで意識してしまっているような気がします。(村尾)三四郎も国際大会で活躍したりとか、関東学生で筑波に行った同級生の子が優勝したりとかしているのを見ると、自分も頑張ろうってなりますね。いい関係なのかなって思います。
――休日は何をされていますか
百瀬 寝てますね。寝るかアニメ見るか、たまに釣りに行くかですね
仲島 僕も何もしないですね。
佐藤 2人は異常なくらい寝ますからね(笑)。僕が夕方頃(寮に)帰ってきたらまだ寝てるとかありますから。僕は結構アウトドアで、サーフィンが好きなので、サーフィンしに行ったりしますね。
――最近のマイブームとかはありますか
百瀬 僕は最近BiSHというアイドルグループにハマってますね。
仲島 僕は最近卒論にハマってますね。
佐藤 ハマってないだろ(笑)
――卒業後の進路について教えてください
百瀬 僕は大学で柔道は終わりにして、普通に働きます。
仲島 僕は卒業も実業団のチームに入って柔道を続けます。午前中は仕事をして午後は柔道をするっていう感じです。
佐藤 僕も大学卒業後も柔道を続けます。今よりもっと柔道に打ち込む環境になるので、頑張ります。
――柔道部を引退してからしたいことはありますか
百瀬 同期のみんなと旅行に行きたいですね
佐藤 大学の話か(笑)。もっと将来の話なのかと思って、子供が欲しいとかなのかと思った(笑)
仲島 温泉に入りたいですね。
――集大成に向けて意気込みをお願いします
百瀬 僕は大学で柔道を終えるので、1人の柔道家としてあまりにも悔いが残るような試合にはしたくないなと思います。できることは全てやって、自分の中で満足できる結果になればいいと思います。それが結果的にチームにとってプラスになればよりいいなと思います。
仲島 僕は柔道生活がこの先も続くので、ここで有終の美を飾って終わりたいというのがあるわけではないのですが、とにかく勝ちたいです。投げて勝つというのが僕の理想なので、投げて勝てれば大満足って感じです。もし投げて勝てなかったとしても、泥臭く、勝ちにこだわりたいです。
佐藤 僕は投げて勝つというところにこだわるよりも、本当に泥臭くというか、延長戦で何十分間戦っても勝ってやるって感じなので、それを貫いて勝つということが一番ですね。そのための練習もちゃんとしていますし、いつも通りやれば結果はついてくるのかなと思います。
百瀬 メンバーのポテンシャルは他の大学にも負けていないと思うので、やることをしっかりやったうえで、それを試合で全部だしきって、もうひとつ上のステージに行ってほしいなと思います。
仲島 いい選手がいっぱいいるので期待はしているし、応援もしているけど、俺も負けないよって感じです。
佐藤 何かに縛られることなく、楽しく一生懸命柔道やってくれれば嬉しいですね。
「柔道だったからこそ人として成長できた」(仲島)
――みなさんにとって柔道とは
仲島 今の僕を作っているものですね。生きていくうえで絶対に必要なわけではないのですが、それでもやっぱり今の僕があるのは柔道をやってきていろんな人と出会えたからだと思います。他の競技でもそういう部分はあるのかもしれませんし、人として成長できたのかもしれませんが、僕は柔道だったからこそ人として成長できたと思います。柔道をやらせてくれたことにも、続けさせてくれたことにも、その中で関わってくれた人たちにも感謝したいなと思います。
百瀬 柔道なしではどんな人生歩んでいたかわからないし、この大学にもきていなかったと思います。柔道が無かったら今の僕はないと思うし、(選手は引退するが、)今後も柔道には少しは携わると思います。その中で、これからも(柔道を通してそれが)糧になっていく場面があると思うし、自分を語る上で無いことにはできないのかなと思います。
佐藤 柔道なしには生きていけないですね。柔道に没頭してきてよかったなって思うし、ここまで強くしてくれた指導者やまわりの人たちに本当に感謝ですね。柔道を通して感謝を学びました。
――ありがとうございました!
頼れる4年生の活躍に期待です!
(取材・編集 安齋健)
◆百瀬敦也(ももせ・あつや)(※写真中央)
1999(平11)年9月28日生まれ。170センチ。長野・松本第一高出身。 スポーツ科学部4年。個性豊かな選手が集まる早大柔道部をまとめあげている百瀬主将。柔道人生最後の試合となる早慶戦で勝利し、有終の美を飾ります!
◆仲島聖悟(なかじま・せいご)(※写真左)
1999(平11)年12月8日生まれ。162センチ。東京・修徳高出身。 スポーツ学部4年。約1時間に及ぶ対談でしたが、最後まで心のこもった言葉で語ってくださった仲島副将。早慶戦では、仲島選手の「投げて勝つ柔道」に期待です!
◆佐藤虎太郎(さとう・こたろう)(※写真右)
1999(平11)年11月23日生まれ。171センチ。神奈川・桐蔭学園高出身。 スポーツ科学部4年。大学卒業後も柔道を続ける佐藤選手ですが、選手引退後は早大柔道部に監督として戻ってきてチームを優勝に導きたいと語ってくれました。卒業後の佐藤選手にも注目です!