第一回目の連載では来年の早稲田柔道部を背負う3年生、佐藤虎太郎(スポ3=神奈川・桐蔭学園)、仲島聖悟(スポ3=東京・修徳)と、これからの活躍が期待される2年生、長嶋勇斗(スポ2=山梨・東海大甲府)、高山康太(スポ2=神奈川・桐蔭学園)をお招きする。4年生から「個性が強い」と評される彼らはどのようなことを話してくれるのだろうか。
※この取材は11月4日にオンラインで行われたものです。
佐藤選手は昨年の全日本ジュニア体重別選手権73キロ級で準優勝を収めた
――お互いに他己紹介をしていただきたいのですが、まず初めに佐藤選手の紹介をお願いします
仲島 めちゃくちゃ好青年で、私生活でもすごい真面目です。柔道にも一所懸命で後輩から慕われる存在ですね。
――佐藤選手から見て仲島選手はどんな方でしょうか
佐藤 すごいモテて、好青年です。
――長嶋選手の紹介をお願いします
高山 優しくて、気さくに話しかけてくれます。
――高山選手の紹介をお願いします
長嶋 困っている人がいたらとりあえず助けるという。僕は(高山選手と)面接練習の時に初めて会って、駅ですれ違ったのですが、落ちているごみを拾っているのを見て、第一印象ですごいなと思いました。桐蔭学園は教育が行き届いているなと思いました(笑)。
――自粛期間中に取り組んでいた練習と、練習で特に意識していたところを教えてください
長嶋 僕ら三人(長嶋選手、仲島選手、高山選手)は自粛期間中、ずっと寮にいたので一緒に練習していましたね。
高山 そうですね、腕立てをしたり走ったり、一緒に練習することでお互いに切磋琢磨していました。自粛明けにちょっとでも周りと差を付けられるように日々行動していました。
――佐藤選手は自粛期間中はどんな練習をされていましたか
佐藤 自粛期間中は地元に帰ってサーフィンをして自然とのふれあいを大事にしていました。
――サーフィンは新しく始められたのですか
佐藤 サーフィンは高校生の頃からやっています。後は何もしていないです。
――自粛期間があけて柔道に対する考え方や練習との向き合い方が変化した部分はありますか?
仲島 久々に柔道ができたのが楽しかったです。あんまり遅れた分を取り戻さなきゃという意識はなかったですね。柔道ができるのが嬉しいなという感じでした。
高山 (自粛期間後すぐでは)大会の開催のめどがたっていなかったので、いつでも次にあるかもしれない大会に向けて準備を心掛けていました。
長嶋 僕は自粛が明けて、ようやく柔道ができるのだな、と思いました。柔道ができない期間があったことで当たり前に柔道ができる環境に感謝しなければならないなと思いました。
――試合の中止が相次ぐ中で、柔道へのモチベーションを保つためにしていたことはありますか
高山 試合がなくて、モチベーションはやはり維持するのが難しかったですね。モチベーションを日々模索する毎日でした。
長嶋 モチベーションが少ない中でもどう練習するかを模索していました。
一本を決める高山選手
――柔道をやらない期間を通じて感じたことは何ですか
高山 柔道をやっていないとこんなにも時間ができるんだということに気が付いて、自分の他の勉強、自分は語学を勉強したいのですが、そういうことに時間を使えました。部活をやっているとどうしても疲れてしまうので。しっかり自分のやりたいことに時間を使えることの大切さを感じて、柔道だけやっていてもだめなのだなと感じました。
――今年のチームの状況はいかがですか
仲島 自由な感じのチームです。4年生から厳しく言われたりするということもないので、やりたいように自由にできています。
高山 昨年に比べて自由に、いい雰囲気で仲良くできていると思います。
――練習のスタイルが自由になったということですか
仲島 昨年は主将が練習メニューを決めていて、今も主将がメニューを決めてはいますが、>何をやりたいかを聞いて、メニューを組んでくれるので、やりたいメニューで練習できています。
――新入生に関しては、どのように感じていますか
高山 とても強いメンバーが揃っていて、これからが楽しみです。1年生は、重量級で重くて強いです。それに1年生は仲が良いですね、みんな一緒に固まっていますね。
長嶋 ずっと一緒にいるよね!
――1年生が合流する時期が例年よりも遅れてしまいましたが、特に影響はなさそうですか
高山 はい、問題ないです。
――佐藤選手にお聞きします、今年のチームに関していかがですか
佐藤 仲島が言っていたように自由だなと思います。
――注目の新入生はいますか
佐藤 道下(新大、スポ1=東京・国士館)は一緒に講堂館杯も出ているので、いいと思います。女子の山口(さき、スポ1=埼玉・埼玉栄)も、僕の好きな柔道をします。攻撃的でいい柔道をすると思います。
――早慶戦は久しぶりの大会になると思いますが、どのように臨まれますか
高山 自粛明け初めての試合になるので、自分の柔道がどのようなものになっているのか、確かめたいと思います。
仲島 久々の試合にはなりますが、早慶戦は緊張をするわけでもなく、楽しい雰囲気で試合が出来るので、久々の試合をする場としてはいいんじゃないかなと思っています。
長嶋 講道館杯で、(佐藤)虎太郎さんや道下が試合をしている姿を見て、やる気が出たというか、また柔道をしたいなと思いました。この出たいという気持ちと感謝の気持ちを持って、早慶戦にぶつけたいと思います。講道館杯を見てから、久々に試合ができると実感が湧いてきているので、頑張りたいと思います。
佐藤 来年のチームを占う戦いにもなると思います。そして長嶋くんが言うように、感謝の気持ちを忘れずに戦いたいと思います。
――早慶戦で注目してほしいポイントはありますか
佐藤 早大は18人で、慶大の20人に合わせられず、慶大に合わせてもらっているという形になります。1人欠けてしまっても負けてしまうという状況で、コンディショニングを管理してくれるトレーナーさんが居るからこそ勝負できると、感謝しています。そういったトレーナーの頑張りも、僕らの柔道以外に見て欲しいかなと思います。
――ご自身のプレーに関してはいかがですか
佐藤 大きい相手と当たることになるとは思うので、逃げずに戦う柔道を見てもらえればなと思います。
高山 僕は寝技が得意なので、早慶戦は寝技で勝ちたいと思います。
長嶋 内股からの巴投げという僕の得意技があるので、それを出せればいいなと思っています。巴投げで相手を投げるところを見ていてください。それと一昨年卒業されている伊藤(悦輝、平成31年卒)コーチに肩車を教えてもらっているので、これも受け継いで勝ちたいと思います。
仲島 僕は肘の調子がよくなく、得意技をだせないので、ほかの技で頑張ろうと思います。
――最後に早慶戦への意気込みをお願いいたします
長嶋 今年のチームは全学年仲がいいので、チーム一丸となり、投げる早稲田の柔道を前面に出して、慶大に勝てるように頑張ります。
高山 昨年は慶大に負けて、眠れないくらい悔しかったので、今年こそは絶対に、“覇者早稲田”という感じで勝ちたいと思います。
佐藤 早慶戦は1年に1回の楽しい試合なので、楽しみたいと思います。応援よろしくお願いします。
仲島 今年のチームは投げる技を持っている選手が多いので、柔道の基本である投げて勝つ柔道を、実践して勝ちたいと思います。
――ありがとうございました!
(取材・編集 倉持七海、樋本岳)
早慶戦での活躍に期待です!
◆佐藤虎太郎(さとう・こたろう)(※写真左)
1999(平11)年11月23日生まれ。171センチ。神奈川・桐蔭学園高出身。スポーツ科学部3年。自粛期間中はサーフィンで自然とのふれあいを大事にしていたという佐藤選手。対談中も自然体で話してくださいました。早慶戦では果敢に攻める佐藤選手の姿に注目です!
◆仲島聖悟(なかじま・せいご)(※写真中央左)
1999(平11)年12月8日生まれ。163センチ。東京・修徳高出身。スポーツ科学部3年。自粛中もマイペースに練習に取り組んでいたという仲島選手。柔道の楽しさを噛みしめながら早慶戦でも躍動します!
◆長嶋勇斗(ながしま・はやと)(※写真中央右)
2000(平12)年5月6日生まれ。175センチ。山梨・東海大甲府高出身。スポーツ科学部2年。自粛期間を通して、当たり前に柔道ができる環境に感謝するようになったという長嶋選手。その感謝の気持ちを持って、早慶戦を戦い抜きます!
◆高山康太(たかやま・こうた)(※写真右)
2000(平12)年5月27日生まれ。180センチ。神奈川・桐蔭学園高出身。スポーツ科学部2年。対談中は終始笑顔で話してくださった高山選手。去年、慶應に及ばなかった悔しさを晴らすために「覇者早稲田」の気持ちで戦います!