昨年笑顔で終えた東京学生優勝大会(東京学生)で今年はうれし涙がこぼれた。他校を寄せ付けず圧倒的な強さを見せた早大。東京理科大、立大、創価大との3試合で勝利し、女王としての貫禄を見せた。特に佐藤美裕主将(スポ4=千葉・八千代)は全試合一本勝ちで勝負を決め、主将としてチームをけん引。全日本学生優勝大会(全日本学生)に向けて弾みをつけた。
2回戦は快勝し、迎えた準決勝の立大戦。先鋒の藤原七海(文構3=福岡・修猷館)が引き分けで終えると、中堅の佐藤が相手の隙を突き、合わせ技で一本を取る。続く中野愛巳(社2=福岡・南筑)は普段48キロ級で戦う小柄な選手。「引き分け以上で終わろうと思っていた」と語るように小柄ながら自分の役割を果たし、体格差のある相手に簡単に負けなかった。1ー0で勝利を収めた。
全試合一本勝ちで決めた佐藤
早大の優勝を阻もうとするのは4年連続決勝で対戦する創価大。佐藤が一本を取るも中野が敗れ、大将戦に勝負を託す。初めて大将を任された藤原は「プレッシャーはあったが、自分の柔道をしようと思っていた」という言葉通り、落ち着いた試合運びを見せた。一進一退の攻防が2分続いた頃、突然試合は動く。藤原が横四方固めで相手を押さえ込み、一本。最高のかたちで試合を締めくくった。
決勝戦が終わったあと、選手たちの目から涙がこぼれた
3年連続優勝でこの大会を終えた早大女子柔道部。けが人が多い中、他校を寄せつけない試合運びを見せた。次に待ち構えているのは全日本学生優勝大会(全日本学生)。「今回の大会で一つになったチームをより強固にして、全日本学生に挑みたい」(佐藤)。これまで3連覇してきた大会で新たな歴史を刻むことができるか。全日本学生までの1ヶ月間、全員でレベルアップをしてまたうれし涙を流せるように一歩ずつ突き進んでいく。
(記事 瀧上恵利、写真 友野開登)
※掲載が遅くなり、申し訳ありません
笑顔で表彰式を迎えた早大柔道部
結果
▽2回戦 対東京理科大 3−0
▽準決勝 対立大 1−0
▽決勝 対創価大 2−1
コメント
佐藤美裕主将(スポ4=千葉・八千代)
――優勝おめでとうございます。きょうはどのような気持ちで臨まれましたか
今大会はメンバー交代できる人がいなかったので、自分が取るしかない状態でした。なので内容はどうであれ、必ず点を取ることを考えるのと、一戦一戦大切に戦おうと思っていました。
――きょうの調子はどうでしたか
良かったです。
――一本で決める場面が光りましたね
決められるチャンスがあったらそこで取るしかないので、ワンチャンスを狙っていました。
――主将としてチームの状態、雰囲気はどうですか
チームとして徐々に一つになっていると思います。ただけが人が多いので、その人たちがチームから離れないように意識しています。
――全日本に向けての意気込みをお願いします
先輩たちがこれまで3連覇してきたということはすごくプレッシャーになると思うのですが、初心に戻って自分たちは自分たちのチームで初優勝を目指そうと思っています。今回の大会で一つになったチームをより強固にして、全日本に挑みたいです。
藤原七海(文構3=福岡・修猷館)
――きょうの試合を振り返っていただけますか
きょうは体調が悪くて1回戦・2回戦と自分のいつも通りの柔道ができなかったので、3回戦の決勝では絶対に自分の柔道をしようと思っていました。最後の最後に自分の柔道ができてすごい良かったです。
――きょうはどのような目標で臨まれましたか
絶対に優勝するというのはもちろんありましたし、出てない選手の為にも頑張りたいし全日にいい形で繋げられるような試合をしたいなと思っていました。
――きょうの柔道の調子はいかがでしたか
3回戦だけを見れば緊張もあまりせずにいつも通りの柔道ができましたが、1・2回戦は緊張とかプレッシャーとか、3連覇をしているというプレッシャーに負けていたかなと思います。
――創価大戦では決めれば勝ちという場面で登場されたと思いますが、どのような気持ちで試合に臨まれましたか
今まで5歳の頃から15年間柔道をしてきて初めて団体戦で大将で出た試合だったのでプレッシャーというのはありましたが、相手が1年生というのは知っていたので絶対に負けられないなという気持ちで勝ちに行きました。
――次の大会に向けて一言お願いします
全日本学生ももちろん優勝して、きょうはうれし泣きだったので、また早稲田大学女子柔道みんなでうれし泣きできるように全日本学生では優勝してきたいと思います。
中野愛巳(社2=福岡・南筑)
――優勝おめでとうございます。今大会どのような目標を持って挑まれましたか
チームとしては優勝を目指していました。チーム内でけが人が多くて総力戦で挑みました。個人的には引き分け以上で終わろうと思っていました。
――きょうの調子はいかがでしたか
あまり緊張もせず、いいコンディションで臨めました。周りのサポートもあってすごく気持ちが高まったし、自分の力を最大限発揮できる環境で試合を迎えられたと思います。
――体格差のある相手にどのように挑みましたか
早稲田で自分が一番小さいので、大きい人に練習相手になってもらって投げられそうになったら止められ得るように動き続ける練習をやっていました。
――きょう見つかった課題はありますか
団体戦は中学生以来に出場して体格差もありましたが、小さくても勝てるような選手になりたいと思いました。自分の柔道を大きい相手でも小さい相手でもできるようになりたいです。
――全日本に向けての意気込みをお願いします
全日本に出場させてもらった時には自分の役割を理解してその役割を果たせるようにこの1ヶ月練習に励んでいきたいです。