小野が講道館杯出場を決める

柔道

 2日間に渡り、全日本学生体重別選手権が開催された。地区予選であった東京学生体重別選手権で出場権を得た5人と、全日本学生柔道連盟の推薦選手として渡邊聖未(スポ4=山梨・富士学苑)が出場。唯一、ベスト8入りを果たした小野華菜恵(スポ4=長野・松商学園)が講道館杯全日本体重別選手権(講道館杯)への出場を決めた。

 大会1日目には4選手が畳に上がった。男子は66kg級に加藤眞也(社3=三重・四日市中央工)、73kg級に柳川昴平(社2=三重・四日市中央工)が出場。しかし、揃って2回戦での敗退となった。一方の女子。渡邊は2回戦をGSで押さえ込みによる一本勝ち。このまま勝ち進んで上位入賞を目指したい2回戦。拮抗した勝負であったが、意表を突かれほぼ仰向けに倒されてしまう。主審の判定は一本だが、渡邊は腑に落ちないような様子。しかし審判員らの合議はなされず敗退がきまる。ベスト8入りを逃す予想外の結果となった。講道館杯への出場を最低目標とした小野は、2回戦までを勝利しその目標を達成する。さらなる上位を狙う準々決勝。開始すぐに技ありを奪われるが、気持ちを切らさず、終了間際に技ありを取り返して追いつく。GSではなかなか勝負がつかないまま続いたが、指導による反則負け。ベスト8という結果で終わった。

ベスト8入りした小野

 翌日の大会2日目には2名が出場した。女子48kg級の中野愛巳(社1=福岡・南筑)は自身初の全国大会の舞台。それでも空気に飲まれることなく、1回戦は一本勝ちを収める。続く2回戦では、最初に指導を取られてしまい敵ペースの試合に。先に中野が技ありを奪うものの、リードを守れず合わせ技で一本負けとなった。「最後に下がらないことや、集中を切らさないこと」という課題の残る試合となった。男子90kg級の空辰乃輔(スポ2=広島・崇徳)は、1回戦を不戦勝で進む。互角の争いとなった2回戦は、5分を超えるGSの争いとなった。長丁場でも「まだ体力が残っていて最後に押し切ることができた」という空。2回戦を突破し、講道館杯の出場がかかった次戦に挑む。かつて対戦経験があるという相手に、思うような動きができな。決着はGSに引き延ばされるものの、指導を3つ取られ敗退。しかし「出稽古だったりウエイトトレーニングだったりを積み重ねれば、優勝が狙えるようになると思う」と、次に繋がる収穫を得る一戦になった。

あと一歩で講道館杯出場を逃した空

 ベスト8入りの小野は、11月に行われる講道館杯に向けて「ここまでたくさんの人に応援してもらっているので、その人たちに結果で返したい」と口にした。4年生の小野は個人戦の集大成となる試合に挑む。また、男子は10月に全日本学生体重別団体戦が控える。今年こそ悲願のベスト8達成を目指す。

(記事、写真 赤根歩)

結果

▽男子66kg級

加藤 2回戦敗退

▽男子73kg級

柳川 2回戦敗退

▽男子90kg級

空  3回戦敗退

▽女子48kg級

中野 2回戦敗退

▽女子63kg級

渡邊 2回戦敗退

▽女子70kg級

小野 ベスト8

コメント

小野華菜恵(スポ4=長野・松商学園)

――今大会にはどのような目標で挑まれましたか

最低ラインがベスト8以上で講道館杯に繋げるというところで、さらに優勝も目指してきたんですけど、結果最低ラインはいけたんですけどそれ以上にいけなかったので、ちょっと悔しい結果で終わってしまったという感じです。

――初戦での勝利を振り返っていかがですか

初戦はまず体が動かないので、焦らなくていいから体を作っていこうと思って。それでいい試合ができたかなと思います。

――2回戦での勝利はどのように振り返りますか

ずっと部員が対策とかをやってくれたので、その成果がばっちりはまったかなと思って、いい試合ができたと思います。

――最後は長い戦いになりましたがどのように感じましたか

まず最初にポイントを取られてしまったのがダメだったんですけど、そこから腐らないで攻めて最後の最後に追いつけたのは良かったかな、と思っています。そこからGS
入って、相手と力量は同じだと思ったんですけど指導を取られてしまったのでまだまだだなという感じです。

――講道館杯に向けてどう対策されますか

まだ課題点や強くなれる部分はたくさんあると思うので、ここまでたくさんの人に応援してもらっているので、その人たちに結果で返したいと思います。

加藤眞也(社3=三重・四日市中央工)

――今大会にはどのような目標で挑まれましたか

初戦の相手が、講道館杯という大きな大会を決めている選手だったので、その選手を倒して講道館杯を決めるんだという気持ちで臨みました。

――東京学生から調整した点はありますか

前回負けた相手とタイプは違ったんですけど、自分なりに工夫して予想される相手の対策を練って練習をしてきました。

――実際に相手と組んでどのように感じましたか

ファーストコンタクトでは、全然戦えるな、勝てるな、という風に思ったんですけど、相手の方が上手で負けました。

――ご自身の良さを発揮できた点はありますか

勝敗が着くまでは、拮抗した戦いができて、自分なりに攻めるポイントはあったのでその点はよかったと思います。

――最後に、今後の目標をお願いします・

尼崎の体重別(全日本大学生体重別団体戦)では、一昨年も去年も活躍できていないので、チームのために貢献して、チームの目標であるベスト8に入れるように頑張りたいと思います。早慶戦においても、4年生を笑って卒業させられるようにチーム一丸となって頑張っていきたいと思います。

空辰乃輔(スポ2=広島・崇徳)

――今大会にはどのような目標で挑まれたか教えてください

今回は、調子がよければ優勝とかも考えられると思っていたので、目指していたんですけど、実際の取り組みとしては先を見るのではなく1回戦からずっと一つずつと考えて取り組みました。

――東京学生からの調整はどのように行いましたか

今回は左の相手が多い組み合わせだったので、左の相手にどのように距離を詰めていくか、どう技をかけていくかなどの対策を行いました。

――2回戦での勝利を振り返っていかがですか。

練習の積み重ねがでたところだと思っています。いつもだったら体力負けしてしまったりするんですけど、あそこでもまだ体力が残っていて最後に押しることができた点に練習の成果が出たと思います。

――3回戦での敗因はどのように振り返りますか

僕の得意な形があるんですけど、相手も昔から知っている相手で、それを徹底的に封じるっていう対策を相手がうまくやって、それを攻略できずにズルズルとという負けだったと思います。

――今年の個人戦を振り返っていかがですか

僕的にはもうちょっと上の段階まで行けると思っていたんですけど、今日の試合を実際にやって見て、まだまだ上を目指せるなと思いました。フィジカル的にはむしろ勝っているくらいだったので、出稽古だったりウエイトトレーニングだったりを積み重ねれば、優勝が狙えるようになると思うので、今年は納得はいっていないですけど手がかりはつかむことができたと思います。

――来月に控える全日本学生体重別団体戦への目標をお願いします

今回は90kg級で出たんですけど、尼崎では100kg級の登録で出るので相手の力も強うくなると思うんですけど、そこでもチームを引っ張っていけるよう、まず僕が勝ちを取ってチームにいい流れを持って行けるようにしたいと思います。

中野愛巳(社1=福岡・南筑)

――今大会の目標を教えてください

ベスト8以上で講道館杯に出場できるということだったので、それにつなげたかったのでベスト8を目標にしていました。

――東京学生からはどのような練習をされましたか

組手が結構遅いので、組手を早く持って自分のペースをつかむという練習をやってきました。

――全国の舞台に緊張はありましたか

初めてで、東京予選とは違った雰囲気だったので、1回戦目は少し固くなってしまったんですけど、思い切りできたので良かったです。

――2回戦で見えた課題はありますか

最初に指導を取られてしまって、相手のペースになっていたところがまずいなと思って。最後のチャンスを狙って足をかけて技ありを取れたんですけど、技ありを取り返されて押さえ込まれて敗れてしまったので、最後に下がらないことや、集中を切らさないことが課題だなと思います。

――課題を踏まえてこれからの練習に力を入れていきたいところはありますか

他の選手の試合を見ていると、スピードは早いし技も多く出ているので、自分のペースをつかんで先に先にいろんな技を出せるようになりたいかなと思います。

――今後の大会に向けて目標をお願いします

まずは早慶戦が一番近いので、そこでワセダが勝てるように自分の責任を果たすことと、来年度は全国の舞台で戦えるような選手になりたいと思います。