全国の舞台に8選手が出場

柔道

 体重別個人の日本一を決する全日本学生体重別選手権(全日本)がことしも日本武道館で開催された。1日目に男子軽量級と女子重量級、2日目に男子重量級と女子軽量級が行われた今大会。早大からは総勢8名が出場したが、各個人の目標には一歩及ばず悔しい結果となった。

足技を掛ける蛯沢

 1日目は3名の選手が出場。2年連続の全日本出場を果たした男子66kg級の蛯沢敏生(スポ3=埼玉・蕨)は、2回戦からの登場となった。「序盤は体が動かなかった」と語ったものの、徐々に調子を上げる。残り49秒で相手を小内刈に仕留め、一本勝ちを決めた。続く3回戦では序盤に指導を受けるもあせらず試合を進め、指導数を互いに1とする。しかし残り1分で再び指導を受けると、そのまま優勢負け。ベスト16入りを果たしたが、「目標としていたベスト4まで勝ち進みたかった」と悔しさをにじませた。

全日本初出場となった古川

 男子60kg級に出場した古川凌(社2=愛知産業大三河) は1回戦、足技で積極的に攻撃を仕掛ける。相手の体勢を崩すと、試合開始3分で袈裟固による一本勝ちを収めた。しかし続く2回戦では有効を奪った直後に肩固で抑え込まれ一本負け。また、男子81kg級の中上駿(社2=大阪・清風)も1回戦を突破したが、「お互いポイントを受けることなく競った試合」と語る2回戦では終盤に有効を奪われ敗退。惜しくも3回戦進出とはならなかった。

相手と組み合う齋藤

 女子1名を含む5名が出場した2日目。男子90kgの齋藤光星(スポ1=静岡・加藤学園)は序盤に指導を奪うと、このポイントを守りきり優勢勝ち。1回戦を突破した。しかし2回戦では思うような組手ができず、技が決まらない。「自分の柔道が全然できなかった」と、優勢負けを喫した。また、同じく男子90kgに井上昂亮(社2=山形工業)、男子100kg級に熊田耕成(社2=福島・桐蔭学園)、圓山泰雄(社2=島根・作陽)が出場したが1回戦で敗退。女子52kg級の齋藤裕里子(社2=長野・松商学園)も延長戦ののち一本負けを喫し、1回戦で涙をのむことになった。

 例年より多くの選手が挑んだことしの全日本。納得のいく結果を出せず悔しい思いをした選手も多かったが、全国の大舞台で得た経験は大きい。次の戦いは10月中旬の早慶対抗戦(早慶戦)だ。ことしは33年ぶりとなる講道館での早慶戦開催が実現し、優勝に懸ける思いも一段と強い。伝統の一戦に向け、気合は十分だ。

                                      

(記事 山本葵、写真 平岡櫻子、山本葵、井口裕太)

結果

男子

▽60kg級

古川 2回戦敗退

▽66kg級

蛯沢 3回戦敗退

▽81kg級

中上 2回戦敗退

▽90kg級

井上 1回戦敗退

齋藤 2回戦敗退

▽100kg

熊田、圓山 1回戦敗退

女子

▽52kg級

斎藤 1回戦敗退

コメント

蛯沢敏生(スポ3=埼玉・蕨)

――2年連続の全日本(全日本学生体重別選手権)出場となりました。今大会はいかがでしたか

目標としていたベスト4まで勝ち進みたかったので、ベスト16という結果で終わってしまって本当に悔しいです。

――今回対戦した選手との対戦経験はありましたか

いや、なかったです。

――2回戦は一本勝ちでした。振り返っていかがでしたか

2回戦が最初の試合で、序盤は体が動かなかったのですが徐々に動いてきて。しっかり一本取ることができてよかったです。

――接戦となった3回戦は指導差での敗退でした

そうですね。自分の勝ちへの執念が相手より弱かったのだと思います。

――組手の面ではいかがでしたか

終始相手のペースで自分の組手ができなかったので、組手をもっと改良していかなければならないと感じました。

――早慶戦(早慶対抗戦)に向け意気込みをお願いします

自分はまだ早慶戦での勝ちを経験してないので、何が何でも勝っていまの4年生に有終の美を飾らせてあげられたらいいなと思います。

中上駿(社2=大阪・清風)

――今大会は初出場となりましたが、いかがでしたか

全国大会は小学生の頃から出場していたので慣れてるかなと思ったのですが、大学生になって初めての全国大会だったので、緊張しました。でも、いい経験になったと思います。

――今大会での目標は

ベスト16のところで自分が小学生の頃から競い合っていた選手が勝ち上がってくると分かっていたので、そこまで勝ち上がってあわよくば勝てればいいなと考えていました。

――東京学生からの1カ月間はどのように過ごされましたか

怪我をしていて練習が思うようにできない時期が結構ありましたが、試合に向けた体作りを意識していました。

――1回戦を振り返って

予定通りというか、組手を徹底してやって、その結果相手の反則を誘うことができたので、投げることはできませんでしたが自分としては良い試合ができたと思います。

――2回戦は接戦でした。振り返っていかがですか

お互いにいい勝負だったと思います。最後に投げられるまでお互いポイントを受けることなく競った試合だったので、正直負けたことがかなり悔しいです。自分に甘いところがあったと反省しています。

――早慶戦に向け意気込みをお願いします

前回は運よく優秀賞をいただけるような活躍をすることができたので、ことしは昨年以上の活躍をしてチームの勝利に貢献したいです。

古川凌(社2=愛知産業大三河)

――今大会は初出場となりましたが、いかがでしたか

全体的にレベルが高くて。萎縮してしまった面もあって、自分の実力を出すことができなかったと思います。

――今大会での目標は

一応講道館杯出場を目指していましたが、2回戦敗退という不甲斐ない結果に終わってしまい申し訳なく思っています。

――全日本に向け強化してきた点は

自分は立ち技が得意なので、立ち技での速い攻めを中心に練習してきました。

――1回戦は一本勝ちでした

1回戦では足を使って攻めることをしたのですが、緊張もあって足があまり動かなくて。寝技で一本を取れたのは良かったのですが、1回戦としては動ききれていなかった試合だったと思います。

――2回戦は先に有効を取ってからの一本負けという形でした

そうですね。先に抑え込んで有効を取ったのに、そのまま返されて負けてしまって。立ち技を中心に強化していたぶん寝技を怠っていて、自分の弱点を突かれたかたちになりました。先に抑えていたので、そこで決め切れなかった点も自分の力不足だと思います。

――早慶戦に向け意気込みをお願いします

自分は最軽量級で早慶戦のメンバーに選んでもらったので、軽量級らしい柔道をしてチームの勝利に一つでも多く貢献できればいいなと思います。

斎藤光星(スポ1=静岡・加藤学園)

――今大会は初出場でしたが、大会を振り返ってみて

東京学生(東京学生体重別選手権)のときと比べて緊張していて、浮き足立っていたところがありました。1回戦から力を出すことができず、反省しています。

――今大会の目標は

ベスト8でした。

――1回戦は指導1の優勢勝ちでした。1回戦を振り返ってみて

1回戦は(体が)動けていなかったです。投げて勝ちたかった部分もありましたが、手堅く指導で勝ったという感じです。投げて勝つと勢いにも乗るので、指導で勝つのではなくて、投げて勝ちたかったなと思います。

――2回戦は指導1での敗戦となりました。2回戦を振り返ってみて

2回戦は自分の柔道が全然できなかったです。相手に釣り手を切られたり、技が入ったと同時に離されたりして、ちゃんとした技が入らなかったので、東京学生のときと比べて研究されていると思いました。自分が研究されるくらいまでいったということは嬉しいことですが、これから練習をして、研究されていても投げられるくらいの強さを身につけたいです。

――組手はいかがでしたか

組手は全然だめでしたね。釣り手が切られ続けていて、自分の技がきちんと入り切れていなかったので、もう少し組手のバリエーションを増やすことを課題にしていきたいです。

――早慶戦への意気込みをお願いします

今回力を出し切れなかったので、早慶戦でこの悔しさを全部晴らして、ワセダを勝利に導きたいと思っています。