五十嵐8強入りも、課題残る苦戦

柔道

 ことし15~20歳を迎える若き精鋭たちが集う今大会。ワセダからは計19人が出場した。健闘を見せたのは、女子57kg級に出場した五十嵐祥子(社2=新潟・高志)。全日本ジュニア体重別選手権への切符にはあと一歩届かなかったものの、ベスト8入りを果たした。一方の男子では、73kg級の吉原大貴(社2=埼玉栄)が3回戦、81kg級の石井雄也(スポ2=近大和歌山)、100kg級の長谷川公輝(スポ1=新潟・三条)らが2回戦に進出するも、無念の敗退となった。

女子57kg級8強に食い込んだ五十嵐

 「満足はしていない」この日のワセダ勢最高となる8強という結果にも、五十嵐は納得していなかった。2回戦を順当に突破すると、続く3回戦では、強豪・帝京大の選手と対戦した。周りの声援を受け、「絶対に勝たなくては」と気を引き締めて臨んだ一戦で、見事優勢勝ち。全日本ジュニア出場権に王手をかける。しかし、準々決勝では、延長戦まで食い下がるも「相手の得意なパターンに自分がついて行ってしまった」と、敗戦。準決勝進出はならなかった。また、同階級に出場した長山実樹(社2=國學院栃木)もベスト16入りを果たした。

強豪と対戦した2回戦で善戦した石井雄

 一方の男子では、伏兵たちが奮闘した。1回戦を優勢勝ちで突破した石井雄は、続く2回戦でも強敵・国士館大の選手に対し粘りを見せる。しかし延長戦開始直後に崩上四方固めで一本を取られ、惜敗。「もっと工夫してやりたかった」と悔しさをにじませた。また、1年生の長谷川も存在感を示した。大学入学後初の公式戦を前に、「とても緊張した」という長谷川だが、堂々とした戦いぶりで、1回戦を鮮やかに一本勝ち。「高校生のときよりも進歩している」と手応えを掴んだ様子で、今後のさらなる成長を誓った。一方、前週の全日本学生優勝大会に出場したメンバーでは4選手が初戦敗退と大苦戦。それでも、一人気を吐いた吉原が3回戦に進出し、意地を見せた。

 「もう少し上を狙えた」これが試合後、五十嵐が漏らした本音だ。五十嵐だけでなく、おそらくワセダの多くの選手が不完全燃焼の思いを抱えているはずだ。次戦は9月。全国への挑戦権をかけた大一番が控える。「今回の負けをステップにして、苦手を克服していきたい」(五十嵐)――。向上心という最大の武器もつワセダは、この夏も貪欲に技を磨くつもりだ。

(記事、写真 平岡櫻子)

結果

男子
▽60kg級
古川 一回戦敗退
▽66kg級
蛯沢 一回戦敗退
石井悠、高橋 二回戦敗退
▽73kg級
吉原 三回戦敗退
▽81kg級
浅賀、桐生 一回戦敗退
石井雄 二回戦敗退
▽90kg級
井上、立浪 一回戦敗退
林 二回戦敗退
▽100kg級
熊谷 一回戦敗退
▽100kg超級
長谷川 二回戦敗退

女子
▽52kg級
佐藤 一回戦敗退
▽57kg級
長山 ベスト16
五十嵐 ベスト8
▽63kg級
山口 二回戦敗退
▽70kg級
佐々木 一回戦敗退
▽78kg級
小林 一回戦敗退

コメント

石井雄也(スポ2=近大和歌山)

――きょうの試合はどのような気持ちで臨みましたか

自分よりも格上の選手ばかりなので、チャレンジ精神が大事だと思っていました。胸を借りるつもりで臨みました。

――2回戦は延長戦の末に敗れてしまいましたが

粘ったんですけど、自分の持ち味が出せませんでした。自分の力の無さをすごく感じたので、そんなに良い結果だとは思いません。

――自分の持ち味とは

どんどん前に出て、攻めていくことです。そんなに強くないので、工夫してやりたかったんですけどできませんでした。

――見つけた課題は

体重が軽いこと、筋肉量が少ないことが課題です。あとは気持ちが弱いことです。

――夏場はどのような練習をしたいですか

とりあえず個人戦のメンバーに選ばれるように、監督にアピールできたらいいです。練習で声を出して、試合に出れるなら自分のベストを尽くしたいと思います。

五十嵐祥子(社2=新潟・高志)

――今回の大会への意気込みは

組み合わせがいいと聞いていたので、全日本ジュニアの出場権を得られるようにと意気込んで臨みました。

――各試合を振り返ってみて

1回戦は高校生が相手だったので、絶対に勝たないとと思っていて、その気持ちが前に出ていてポイントを取れました。が、そのあと少し押され気味になったのが反省です。2回戦は強い相手だとわかっていたのでここを絶対勝たなくてはいけないなと思いました。周りで応援してくれる人の声がよく聞こえて、その分自分が勝たなくてはという気持ちで戦いました。3回戦は、ここで勝たなくては全日本ジュニアへ進めないと思って臨んだのですが、相手の得意なパターンに自分がついて行ってしまい、結果的に一番よくない負け方をしてしまいました。そのため、ワセダの選手の中では最後まで残りましたが申し訳ないなという感じです。

――ベスト8という結果については

もう少し上を狙えたんじゃないかということで満足はしていないです。

――次の大会が9月(の体重別選手権)ということでしばらく間が空きますが、その間どのようなことを心掛けて練習していきたいですか

悔しい気持ちを忘れず、今回の負けというのをステップにして苦手なものをしっかりと克服していきたいです。