10月19日から22日の4日間にわたり、全日本学生選手権(インカレ)が、栃木県宇都宮市の栃木ライフル射撃場で開催された。ハイレベルな試合展開のなか、女子50m三姿勢60発競技で団体8位、男女ともにそのほかの種目では団体9、10位という結果に終わった。一方、各学年で自己ベストを更新する選手も多数。さらに、エアピストルでは佐藤琳(スポ2=東京・成立学園)が3位に入賞した。
最後のインカレで自己ベストを更新した紙田
男女50m伏射60発競技には、紙田梨華子(社4=茨城・清真学園)が出場し、608.7点と大幅に自己ベストを更新した。紙田は「ジャンプアップできて自分的にはいい感じだったなとは思いつつ、直せるところもあるから610点くらい頑張れば撃てそう」と、さらなる好成績の獲得に向けて意気込んでいた。女子10mエアライフル立射60発競技では、紙田は604.0点、荻原里夏(法2=東京・頌栄女学院)、一年生ながら団体メンバー入りとなった島村茜(スポ1=佐倉西)、がそれぞれ600.4点、603.6点を記録し、団体では10位となった。
個人で出場した鳴海彩音(法3=埼玉・川越女)も自己ベストを上回る記録をたたき出したが、「緊張してしまって、あまり気持ちよくは撃てなかった」と冷静に振り返った。さらに、「来年度からは主将となるので、自分が点数の面でも引っ張っていけたら」と、来月に迫った早慶戦、来年度を見据えて自身の成長を誓った。
10mエアライフル立射競技に臨む鳴海
久保木智也主将(法4=茨城・清真学園)は、男子10mエアライフル立射60発競技に団体メンバーとして出場。「自分自身のスコアとしては納得がいかない」と振り返るように、588.8点とあまり成績を伸ばせずに最後の全日本学生選手権を終えた。また、岡本健人(教育3=千葉・専大松戸)も557.4点と伸び悩み、2日目に出場した佐藤功一(スポ2=早稲田渋谷シンガポール)の605.8点とあわせて団体9位という結果になった。
10mエアライフル立射競技を行う久保木主将
エアピストル10m立射60発競技に出場した佐藤は557点を撃ち、続くファイナル競技で3位にランクイン。二年連続の表彰台入りを果たした。
ついに来月には早慶戦が行われる。早慶戦が自身最後の大会となる久保木主将は、「(慶應との)点差をどう埋めるのか、ということを今は突き詰めて考えている。今年はどうしても勝たなければいけない」と、早慶戦に向けての意気込みを語った。昨年三年ぶりに慶応義塾大学の手に渡った優勝旗を、とり戻すことはできるのか。
(記事 石川千紘、写真 臼井恭香)
全出場選手結果
【男子10m立射60発競技】
▽団体 1752.0点 (9位)
久保木智也 588.8点
岡本 健人 557.4点
佐藤 功一 605.8点
▽個人
小野 颯 564.7点
【女子10m立射60発競技】
▽団体 1808.0点 (10位)
紙田梨華子 604.0点
荻原 里夏 600.4点
島村 茜 603.6点
▽個人
小久保綾華 607.5点
神下 茉衣 600.1点
橋本 人美 604.2点
鳴海 彩音 595.8点
高築あずさ 584.0点
中島 依澄 583.9点
鈴木 妙 582.2点
生沼 波穏 604.7点
南 星佳 596.0点
櫻井 圭純 589.7点
福井 晴子 584.6点
高木こころ 595.8点
【男子50m三姿勢60発競技】
▽団体 1497点 (9位)
柴 拓夢 505点
内田 耀心 471点
髙橋 敏生 521点
▽個人
石橋 正梧 509点
【女子50m三姿勢60発競技】
▽団体 1637点 (8位)
小久保綾華 560点
紙田梨華子 546点
鳴海 彩音 548点
▽個人
荻原 里夏 543点
神下 茉衣 538点
【男女50m伏射60発競技】
紙田梨華子 608.7点
小久保綾華 601.1点
内田 耀心 593.7点
鳴海 彩音 592.1点
荻原 里夏 570.1点
神下 茉衣 578.6点
柴 拓夢 545.7点
石橋 正梧 555.9点
髙橋 敏生 600.9点
【男女エアピストル10m立射60発競技】
佐藤琳 557点(ファイナル 210.5点) 3位
コメント
久保木智也主将(法4=茨城・清真学園)
――今日の競技を振り返っていただけますか
自分自身のスコアとしては納得がいかないですが、今回の結果をふまえて、今後の早慶戦の布陣をどのように組んでいくのかを考えることが主将としての一番の役割だと思うので、チームメイトの点数も振り返って早慶戦を迎えたいと思っています。
――今大会に向けて意識して練習していた点などはありましたか
チームとしては、年度の初めに全日本学生選手権で男女ともに表彰台に上がるという目標を掲げて今までの試合を戦ってきて、意外と右肩上がりでやっていくことができてはいたものの、三位というラインはやはり厳しいということが分かってきました。しかし、そういった状況でも目標設定は高くしながら、日々の練習では、具体的に、実践に落とし込んでいけるように練習していくことができたかな、と思います。
――今大会まで主将の立場に立っているうえで大変な時期はありましたか
大変なのは、今ですね(笑)去年、三年ぶりに早慶戦に負けてしまって、今年はどうしても勝たなければいけない、というところがあります。慶応とは春季、秋季の大会で戦って、慶応側がどれくらい当たるのかが分かっている状態で、明確に差が出てしまうんですよ。この点差をどう埋めるのか、ということを今は突き詰めて考えているので、今が一番大変かもしれないです。
――主将にとって最後の早慶戦になりますが、意気込みをお願いします
早慶戦では、優勝旗は必ず取り返すという気持ちはあります。それは、今回の全日本選手権よりも、もちろんこの大会も大切ですが、やはり早慶戦は負けられないと思っています。
――個人としての目標はありますか
個人としては、やはり早慶戦が最後の試合になるので、四年間の節目として、また今後は競技は続けないので、自分の納得する射撃が最後にできればいいかなと思います。
紙田梨華子(社4=茨城・清真学園)
――今日の競技を振り返っていただけますか
自己ベストを大幅に超えて、600点台だったからけっこうジャンプアップできて自分的にはいい感じだったなとは思いつつ、直せるところもあるから610点くらい頑張れば撃てそうだなっていう感じの試合でした。
――好調の要因は何ですか
SBを持ったのが4年生になってからで、すごい楽しくて、それがやる気にもつながっていい方向にいっているんじゃないかなと思っています。
――練習はSBに重点を置いていたのですか
そうですね。でもあんまり早稲田の射場では弾が出せないから、早稲田の射場ではエアを中心に練習してっていう感じでした。全体練習とか合宿とかで弾を出せるときはSBを集中して練習するという感じで、春からインカレまでSBは練習していました。
――今年から宇都宮ですがどうですか
だいぶ慣れてきて、射場自体すごい綺麗で撃ちやすいので私的には好きですここ(笑)。
――早慶戦に向けて意気込みをお願いします
たぶんSBを撃つことになるかなと思っていて、まだ三姿勢か伏射か分からないんですけど、どっちにしてもまだ伸ばせるところはあると思うので1カ月頑張って悔いないようにできればいいかなと思います。
――明日以降の意気込みをお願いします
エアがたぶんおそらくラストの試合になると思うので、そこはしっかり自分が楽しく打てたらいいかなと思っています。
――具体的な目標はありますか
エアは610点は乗せて撃てればいいかなと思っていて、三姿勢は自己ベストを出したいです。もちろんエアも自己ベストは出したいけどけっこう今エアが不調気味だから今の中でのベストを出せればいいかなと思っていて、三姿勢は自己ベストが555だから、550後半、60に乗せられるくらい撃てればいいかなと思います。
鳴海彩音(法3=埼玉・川越女)
――今日の競技を振り返っていただけますか
スコアの面では自己ベストが出たのですが、緊張してしまって、あまり気持ちよくは撃てなかったです。
――中盤とても調子が良さそうに見えましたが、その時の心境は
そこも、あまり気持ちよく撃てたわけではなかったです。ラッキーの部分が大きかったです。
――後半はどうでしたか
やはり撃っていて苦しかったので、(点数としては)妥当かな、と。
――明日以降の競技に向けての意気込みをお願いします
早慶戦までもう試合数がないので、実戦でしっかり点数が取れるように焦らないで、一回ずつやっていきたいと思います。
――4年生の引退が近づいているが、3年生、レギュラーとしての心境は
今の点数帯では、やはり上位になることができないのですが、来年度からは主将となるので、自分が点数の面でも引っ張っていけたら、と思っています。
――早慶戦が来月にありますが、目標や意気込みはありますか
厳しい戦いになるとは思いますが、勝てたらいいな、と思っています。