今シーズン最後の大会となる早慶定期戦(早慶戦)を迎えた。「今まで私たちが一度も勝ったことのない相手なので、最後の試合で優勝という栄光を勝ち取ることが目標でもあった」と塚田恵美(スポ4=埼玉・栄北)が語るように早大射撃部はことし1年、早慶戦に勝つという強い気持ちのもと突き進んできた。ことしこそ慶大から優勝旗を取り返すべく臨んだ今大会。結果はワセダが大健闘し見事5年ぶりに早慶戦優勝の座を奪い取り、チーム一同歓喜に沸いたのであった。
部を支え続けた辛島主将
男女混合で団体を組み、戦う早慶戦。SBの3×20部門で優勝、SBのP60部門で優勝、ARのS60で優勝。総合団体優勝。圧巻の強さを見せつけたのであった。個人ではSBの3×20部門で長島遥(スポ3=埼玉・栄北)が1位、前田崇宏(政経4=神奈川・緑ヶ丘)が2位、塚田が3位と表彰台を早大が独占。そしてSBのP60部門ではラストイヤーで主将の辛島喬任(法4=東京・青山学院)が自己新記録を更新し1位、中里志穏(スポ2=埼玉・浦和一女)が2位に見事入賞した。ARのS60部門ではまたも表彰台を独占。千葉朔海(スポ1=埼玉・栄北)が部内記録を更新し1位に。続いて末本佳那(スポ2=福岡・太宰府)が2位、谷川諒(スポ3=シンガポール・早稲田渋谷シンガポール)が3位につけたのだった。「力のある選手それぞれが自分の本来の力を発揮しただけでなく、今まで点数が伸び悩んでいた選手も良い結果を出せた」(塚田)というように部全員の力で栄光をつかみ取ったのであった。
チームに大きく貢献し続けた塚田
今大会で4年生は引退となる。1年間主将として部を引っ張ってきた辛島は「頼もしい仲間たちに支えられてうまくいった1年だった」と振り返る。前田も「早慶戦の勝利で4年間を飾れて良かった」と笑顔を見せた。昨季から飛躍を遂げた早大射撃部。4年生が抜けても、この勢いに乗りさらなる成長を目指したいところ。金子将之(創理3=東京・早実)率いる新チームに期待が高まる。
(記事 網代祐希、写真 大庭開、山下夢未)
結果
【団体】
SB3×20団体 優勝
SBP60団体 優勝
ARS60団体 優勝
総合団体 優勝
【個人】
長島遥 SB3×20 1位
前田崇宏 SB3×20 2位
塚田恵美 SB3×20 3位
辛島喬任 SBP60 1位
中里志穏 SBP60 2位
千葉朔海 ARS60 1位
末本佳那 ARS60 2位
谷川諒 ARS60 3位
コメント
塚田恵美(スポ4=埼玉・栄北)
――今大会を振り返っていかがですか
インカレが終わって、早慶戦に向けて自分のモチベーションをどう保つかというところが一番難しかったです。試合についていうと、最初のKに関しては緊張感と戦いながらというところが強く、後半は気合で撃つという感じでした。Pに関しては安定して撃てたので良かったと思います。Sに関しては緊張がぶり返してきたところもあったのですが、最後の一発までしっかり狙いを定めて、集中して撃つことができたのではないかなと思います。
――4回目の早慶戦でしたがどのように練習に取り組んできましたか
今まで私たちが一度も勝ったことのない相手だったので、最後の試合で優勝という栄光を勝ち取ることが1つの目標でもありました。そこに向けて皆の意識を高めつつ、自分の力もつけていき、チーム全体で士気を上げていったという感じですね。
――きょうの結果について、喜びの声をお聞かせください
力のある選手それぞれが自分の本来の力を出し切っただけでなく、今まで点数が伸び悩んでいた子たちも自己新記録を撃ったりと、皆ここで良い結果が今回出たと思うので、喜びたいところですが、らいねんも優勝できるように、後輩たちには気を引き締めて頑張ってもらいたいと思います。
――大学での射撃生活を振り返っていかがですか
射撃自体は高校から始めているので、ことしで7年目になりました。調子が良い時だけでなく悪い時もあり、落ちこんでしまうこともありましたが、そんなときに仲間の力というものがとても大きくて、皆に支えられながら進んできた、前進できたというところは一番部活をやっていて良かったなと感じる点です。これから社会に出ていく力にもなると思いますし、この力というのを後輩たちにも感じてもらいたいです。
――4年間チームを引っ張ってきた存在として、後輩にメッセージをお願いします
それぞれ悩むところが違うと思うのですが、その悩みをひとりで抱えずに、周りの人を信頼して、打ち明けて、いろいろアドバイスをしてもらって、急がなくていいので、一歩ずつゆっくり前進して自分の喜びというものを掴んでもらいたいと思います。
辛島喬任(法4=東京・青山学院)
――今大会を振り返っていかがですか
最後の大会ということで、いつもの試合は割と緊張してしまうのですが、気張らずに臨めたというのがうまくいったところかなと思います。
――4回目の早慶戦でしたがどんな気持ちで臨みましたか
入部してから3連敗していて、最後の早慶戦を迎えて勝ちたいなという気持ちが非常に強かったので、自分はレギュラーにはもれてしまいましたが個人でチームを盛り上げられたらなと思って撃ちました。
――4年間を振り返っていかがですか
今までの主将と違って、自分はリーダーシップがあるタイプではないですが、仲間が支えてくれたりだとか、同期、後輩、いろいろな人に支えられてうまくいった4年間だなと思います。
――主将としての1年間を振り返っていかがですか
主務で一緒だった熊田さんとかがいて、自分とはタイプが違うのですが、いろんな意見が聞けたりだとか、本当に頼もしい仲間が多かったので助けられたような1年間でした。
――後輩へ向けたメッセージをお願いします
今まで4連敗していたのがことしやっと勝ててこれからもこの流れを継いでいってほしいのと、ことしはインカレで男子が5位に入賞することができたので、こういったところの順位を上げていってほしいなというところです。
前田崇宏(政経4=神奈川・緑ヶ丘)
――今大会を振り返っていかがですか
今大会で私は射撃を辞めるので悔いを残さないように勝ちたいと思っていて、それができたかなと思います。個人で2位、部として優勝できて良い結果になりました。
――早慶戦優勝は入部してから初でしたが
そうですね、1年生の時はあっという間に終わってしまって、2年生3年生になって3位入賞2位入賞できました。4年生としては、部を引っ張れるようにやろうと思っていました。今回部が優勝して後輩の成長も感じられて、4年生として最低限のことはできたかなと思っています。
――4年間を振り返っていかがですか
4年間はあっという間で、ようやく活躍できるようになったのが3年生からで、そこから関東大会・インカレと出場しました。2部降格、1部復活も経験し、いろいろな経験ができて楽しかった射撃人生だったと思います。強いて悔いがあるとすれば、4年生の前期は就職活動が忙しくて、その間にもっと練習ができていればインカレでも良い成績が残せたかなというのがあります。早慶戦の勝利で4年間を飾れて良かったです。
――後輩に向けて
今回の早慶戦で優勝できたのも後輩の成長がすごく大きいと思います。4年生が抜けても今の3年生が引っ張っていって、総合インカレ、総合団体出場は当たり前になって欲しいです。早慶戦でもどんどん連覇していくのではないかなと思います。彼らにも悔いのない射撃人生を送ってほしいです。
金子将之(創理3=東京・早実)
――今回優勝という結果について率直な感想を教えてください
数年ぶりの勝利ということでまずは嬉しい気持ちが一番です。それと同時に勝てたことでいろいろとつかめたことがあると思うので、来年以降も勝ち続けられるようにこれから1年間準備していきたいと思います。
――今大会の個人の結果を振り返っていかがですか
結果はあまりよくなかったのですが、序盤のシリーズでは崩れることがあったものの徐々に立ち直らせることができたので、それは大きな収穫になりました。
――来季は主将となりますがどのようにチームを引っ張っていこうとお考えですか
まずは自分ができることは何なのかということをしっかり考えて、競技面でも普段の生活面でも自分が引っ張っていけるように、常にチームを見続けて1年間尽力していきたいと思います。
――引退する4年生への思いをお聞かせください
自分も3年間お世話になってきた先輩方で、最後に早慶戦で勝利させてあげられたというのはすごくうれしいことですし、他の現役部員たちも本当に喜んでいると思います。ことし引退される4年生のためにも今後も早慶戦の勝利や全日本選抜への団体での出場を目指して頑張っていきたいです。
――最後に来季に向けた意気込みをお願いします
ことしは男子の団体がかなり躍進した年だと思うのでさらに躍進できるように、また女子はきょねん調子が良かったのでらいねんその調子を取り戻せるようにチーム一丸となって頑張っていきたいと思います。
中里志穏(スポ2=埼玉・浦和一女)
――今大会を振り返っていかがですか
レギュラーとして初めての早慶戦だったので緊張もありましたが、やはり5年ぶりに勝ちたいと思ったので気合を入れて臨みました。
――優勝という結果、どのように受け止めましたか
4年生に卒業前に勝ちをプレゼントしたかったのでとても良い結果だったのではと思います。
――来季は副将となりますがどのようにチームを引っ張っていこうと思いますか
記録で背中を見せていけるような副将になりたいです。早慶戦だけではなく関東や全国で結果を残せるような射手になりたいです。
――最後に来季に向けた意気込みをお願いします
関東、全日本の学生の大会でファイナルに残って、勝ちを宣言して勝ちを勝ち取れるような選手になりたいです。