強豪・鹿屋体大に完敗 1勝も奪えず全日は初戦で散る

剣道

 11月5日にAsueアリーナ大阪で大学剣道日本一を決める全日本学生剣道優勝大会(全日)が開催された。初戦の相手は7月に行われた全日本学生選手権大会の優勝者・木村を擁する鹿屋体大。いきなり優勝候補と目される大学と対戦となった。試合は終始、相手有利の展開。先鋒から中堅で4連敗を喫し初戦敗退が決定した。しかし、大将・門間光児主将(社3=熊本・九州学院)は意地の一本を放ち一矢報いてみせた。

試合前に整列する早大剣道部

 早大の先鋒は馬場恭大(スポ3=神奈川・東海大相模)。鍔迫り合いからお互い激しくぶつかり合う試合を見せる。先鋒としてチームを勢い付かせる試合を見せたいが、試合1分30秒ごろ、コテを打ちに行ったところを避けられ、そのまま引きメンを打たれ一本を奪われてしまう。さらに試合4分30秒ごろには、一足一刀の間合いから素早く詰めてきた相手に対応できず、左メンを打たれて二本目を奪われた。いきなり二本負けを喫してしまい早大は苦しい展開に。

 続く次鋒は横山冬馬(スポ1=宮崎・日章学園)。試合30秒ごろ、鍔迫り合いから横山が間合いを切ろうとしたところに相手が引きコテを放ち一本を取られる。一瞬、横山自身も観客も呆気に取られるような形で一本を奪われた。その後も焦ることなく打ちに行くが取り返すことはできず。一本負けとなった。

メンを打つ横山

 五将は石川将俉(法3=高知学芸)。流れを変えたい早大だが、石川がコテを打ちに行ったところ、先を取られてメンを打たれ一本。試合開始わずか10秒の出来事だった。試合2分ごろには相手の竹刀を吹き飛ばし反則を取るが、それも束の間、30秒後には一足一刀の間合いからメンを打たれ、石川は全く反応することができず二本目を奪われた。

 ここで負けたら敗退が決定する早大。最低限引き分けが要求される状況で回ってきた中堅の指本悠稀(スポ1=石川・金沢桜丘)は、簡単には相手に打ちに行かせずメンを中心に良い打突を見せる。しかし試合4分ごろ、相手の竹刀を払ってメンを打ちに行ったところに、コテを合わせられて一本を奪われる。残り1分となり、指本は鍔迫り合いの間合いも速く切るようにして手数を多く打ちに行くが、一本を奪い返すことはできず。4連敗で初戦敗退が決定した。

 敗退は決定したがまだ試合は残っている。早大も意地を見せたいところで、三将は門田功成(社2=兵庫・育英)。得意の粘り強い剣道を見せ容易には打ち込ませない。お互い攻めきれない展開が続く。均衡が崩れたのは試合4分50秒ごろ、相手がその場でコテを打ってきたのを門田が竹刀で捌いたところに、即座にメンを打たれ一本を奪われた。全く反応することができず、試合終了直前に一本を取られる悔しい敗戦となった。

ドウを打つ門田(写真左)

 ここからは最後の全日となる4年生。副将は外山大地(社3=神奈川・鎌倉学園)。試合1分ごろには、試合場の角でコテを打った勢いのまま相手を場外に押し出し相手に反則を与える。しかし、試合2分30秒ごろ、相手が剣先を大きく上げたところに外山は下がって対応しようとしたが、相手が勢いよく踏み込んでメンを打ってきて一本を奪われる。その1分後には、竹刀を払われ外山が腕を浮かせたところにコテを打たれ二本目。二本負けとなった。

 最後は大将・門間。試合開始30秒ごろ、剣先の届かない間合いから相手は大きく振りかぶる。門間は下がって避けようとするが、素早く間合いを詰めてきて、そのまま大きく振りかぶった竹刀を振り下ろされメンで一本を奪われた。しかし、そう簡単には終わらない。試合1分30秒ごろ、門間は竹刀を少し上げながら間合いを詰める。メンを警戒した相手は首を左に傾けて対応しようとするが、そこに上手く合わせて左メンを打ち一本。遂に早大が一本を取り、ベンチも大いに盛り上がった。「夢中になってやってたら一本になっていた」というこのメン。最後に意地の一本を放ってみせた。しかし、試合4分ごろには二本目のメンを奪われ敗戦。早大の全日は初戦で終わった。

鍔迫り合いをする門間

 終わってみれば0勝7敗の完敗。早大が1本のみだったのに対し11本奪われる結果となった。4年生にとっては大学剣道最後の全日。華々しい勝利で飾ることはできなかったが、今大会での経験は3年生以下の今後の剣道に生きるだろう。また、全日は終われど4年生男子にはまだ12月に早慶戦が残っている。早慶戦での勝利、そして4年生の最後の活躍に注目したい。

(記事 写真 小島大典)

結果

 

早稲田大学 0(1)-鹿屋体育 7(11)

馬場  ーメメ 板井

横山  ーコ  大平

石川  ーメメ 原田

指本  ーコ  谷口

門田  ーメ  山本

外山  ーメメ 中山

門間 メーメメ 木村

コメント

門間光児主将(社4=熊本・九州学院)

――大学生活最後の全日本でしたが、どのような気持ちで臨まれましたか

 今年の1年は日本一にこだわって、なんとしても日本一になるという気持ちでやってきたつもりなので、もちろん今日もチームとして日本一になれると思っていました。結果は完敗だったのですが、1回戦が強豪の相手だったので、(試合の)入りをしっかりというふうにミーティングで話しました。私が2週間前に怪我をしてしまったり、ほんとにチームのみんなに私自身が迷惑をかけてしまったなと。最後の調整の時期に一緒に練習に入れなかったことに関して、本当に申し訳ないなと思っています。

――前のポジションのメンバーの戦いぶりを見ていていかがでしたか

 結果は前で負けてしまったかなと思うんですけど、 全然そこに関して私自身が責めるつもりはないです。私のマネージメント能力がちょっと弱かったなと思ってるので、前のメンバーたちは本当によく必死にやってくれたなと思います。

――チームとしても唯一となる一本を取りましたが、そのメンを振り返っていかがですか

 最後のメンは狙ってたとかでは全然ないのですが、夢中になってやってたら一本になってました。

――12月の早慶戦に向けて意気込みをお願いします

 早慶戦が私たちの大学最後の試合になりますので、そこでは必ず勝って終われるように、あと1ヶ月ぐらいですが、精進していきたいなと思います。