【連載】全日本学生剣道優勝大会直前特集『意地』 第2回 石川将伍×門田功成

剣道

 第2回は穏やかな雰囲気のある石川将俉(法3=高知学芸)と門田功成(社2=兵庫・育英)のお二人の全日にかける熱い思いを伺った。
※この対談は10月20日に対面で行われました。

「全日ではもっと上に行かないとダメだなと思っている」(石川)

関東学生優勝大会で引きメンを放つ石川

――他己紹介をお願いします

門田 石川さんは見た目の通りマイペースというか、おっとりしている感じなんですけど、いざ剣道をやるってなったらすごく真面目になって。メリハリがついていて切り替えがしっかりできる人だと思います。

石川 門田君は僕から見てすごく真面目な人です。キャプテンシーみたいなものもすごく強くて。だけど、フレンドリーというか絡みやすい性格で、リーダー気質な感じがします。

――5月の関東学生選手権では、門田さんが出場されました。試合を振り返っていかがですか

門田 大学生になって初めての個人戦で最初とても緊張したんですけど、全日(全日本学生選手権)出場の切符を取るということを目標にやっていたので、その一つの目標を達成することができて結果的には満足というか良かったかなと思います。

――8月には夏季合宿が行われました。どのような練習が記憶に残っていますか

門田 私は掛かり稽古が一番記憶に残っています。学年順に元立ちに立っていくんですけど、元立ちになったらずっと先輩とか相手に返していかないといけないので、意識がちょっと飛ぶくらいしんどかった記憶があります。

石川 追い込みですかね。(体育館を)縦に使って打ち込む練習があるんですけど、体育館なのでここ(早大道場)の2倍の広さがあってかついつもより回数も多いので、意識飛んだと思いました(笑)。

――練習以外で合宿の思い出は何かありますか

門田 私は合宿中盤くらいに行われた男子だけのミーティングですかね。幹部陣とか各代のキャプテンが日本一に向けての熱い話をして部員がまとまった場でした。

石川 最終日のバーベキューですね。最終日、みんなできつい稽古の後に飲みまくるという。焼肉食べていっぱい飲むというのが一番楽しかったし疲れが取れました。

――9月の関東学生優勝大会では、ベスト8での全日出場を決めました。振り返っていかがですか

門田 2回勝ったら全日本に出場できるということで、まず、その2回を確実に勝ち切るという意味では、結果的に勝てたので良かったと思います。ただ、 最終戦の筑波大学との試合では、結果的には実力の差が開いたスコアになってしまって。とはいっても、全く勝負できないというわけではなかったので、自信にもなったし、日本一という目標に向けてまた新たに課題が見つかった大会になりました。

石川 日本一を目指してるチームなので、関東でベスト8になったことは褒められたことではなくて、全日ではもっと上に行かないとダメだなと思っています。

――お二方とも全試合に出場されましたが、ご自身の試合を振り返っていかがですか

門田 私は後ろから3番目のポジションで、勝負がかかってくるスコアで自分に回ってくることが多かったので、自分を犠牲にしてでもチームのためにという思いで戦えたのが良かったかなと思います。

石川 今年は次鋒がメインだったので、 まだ後ろに5人がいるというのもあって、悪い流れを作らないように、チームで勝つために自分はここで良い流れを作るんだということを考えていました。

――全日出場をかけて出場するのが最後になった4年生もいましたが、試合をご覧になっていていかがでしたか

門田 4年生は副将大将後ろ二つのポディションでやられていたんですけど、試合前からとても私たちに声をかけてくださって。先輩たちも緊張している中で、私たちのことをよく見て引っ張っていってくれたので、とても頼もしかったです。

石川 僕は結構前の方で、序盤前か2番目で試合することが多くて。(先輩たちが)声掛けしてくれたおかげもあってのびのびできたというか。4年生2人は絶対勝ってくれるという信頼があるので、割とのびのび試合ができたかなと思います。

――最期は筑波大に敗れましたが、筑波大戦から練習に生かされている点はありますか

門田 レベルの高い相手と比べて、構え直しの速さや、相手が来るところに対しての技といった対応が甘くならないように、準備が遅くならないようにしないといけないということが課題として見えました。そこを意識して練習しています。

石川 筑波に負けたことですごく変わったということは特になくて、今までやってきたことの精度を高めないといけないなと思いました。

「失うものは何もないという気持ちで」(門田)

対峙する門田

――全日本学生剣道優勝大会についてお伺いします。ご自身に期待される役割はどのようなものだと思いますか

門田 私は関東と同じく3番目のポジションが予想されていて、前回のように勝負どころで回ってくることが多いと思います。なので、チームの勝利に繋がる仕事をしたいです。

石川 僕は出場するとしたら前の方なので、持ち前の攻撃力ですね。チームにいい流れを持っていけるような、できれば1本も取れるような試合ができればなと思っています。

――全日のトーナメントが発表されていますが、対戦校についての印象はいかがですか

門田 1回戦の鹿屋体育大学は、大将に今年全日本学生選手権で優勝した人がいて、強いのは分かっているので、こちらは失うものは何もないという気持ちで思い切って向かっていくだけです。

石川 ここまで来たら相手どうこうの問題ではないと思うので、そこまで意識していないです。

――最後に全日の意気込みをお願いします

門田 昨年全日本で負けた日から、日本一を目標に1年間頑張ってきたので、 最後、4年生を勝たせられるように頑張りたいと思います。

石川 せっかく9人に選んでいただいたので、4年生のためにも、精一杯頑張りたいと思います。

――ありがとうございました!

(取材・編集、写真:佐藤結、長屋咲希、小島大典)

石川選手は「one chance」と書きたかったそうです!

◆門田功成(もんでん・こうせい)(※写真右)

兵庫県・育英高出身。社会科学部2年。サウナに最近ハマっているという門田選手。東久留米にあるスパジアムジャポンがおすすめだそうです!

◆石川将伍(いしかわ・しょうご)(※写真左)

高知学芸高出身。法学部3年。ビール好きの石川選手。1人飲みにハマっていて、中野に飲みに行くそうです!