「絶対に負けられない戦い」である早慶対抗女子剣道試合(早慶戦)。早大は5-2と快勝し、2004年からの連勝記録に続き18連覇という快挙を達成した。また、大将を務めた佐藤桃佳主将(社4=山形・左沢)が優秀選手賞を獲得し、最後の早慶戦で花を飾った。
優勝杯を手にする松下夏生副将(スポ4=静岡・磐田西)
一般的な大学女子の公式戦とは違い、今大会は7人制で行われる。また、引き分けはなく、4分経過で時間無制限の延長戦に入る。試合は正午、大会実行委員長である松下の開会宣言によって開会した。また、早大応援部、ならびに慶大応援指導部によるエール交換も行われ、早慶戦らしく両校の士気が高まった状態で初戦が開始された。
先鋒の横山舞香(スポ3=京都・日吉ケ丘)は序盤から果敢な攻めの姿勢を見せる。それでも相手も先鋒らしく積極的に技を繰り出し、試合は延長戦へ。ここで横山は相手に押され後ろに倒れるかたちとなり、審判の「止め」がかかる。その後タイムを取ったところで、気持ちを切り替えたという横山。「始め」の瞬間を狙い、相手の上から完璧なメンを決めて勝利した。
中段に構える横山
続く次鋒の矢野ひかる(社1=京都・日吉ケ丘)も自分のペースを保って試合を進め、延長戦へ。しかし相手に誘われて手を上げたところで抜きドウを決められ、試合は1-1とイーブンに。それでも五将の榎本凜香(社2=茨城・守谷)が落ち着いて相メンで一本勝ちを収めると、中堅の中原菜月(社2=愛媛・帝京五)も中盤に得意の返しドウで一本勝ち。連勝し、早大は3-1とリードする。3試合を残し、三将の栗山一花(社2=大分国際情報)が勝利すれば18連覇が決まる状況となった。
相手のメンを受ける栗山
栗山の相手は4年生の平野。ただでさえプレッシャーのかかる場面で、学年が2つ上の選手との対戦を迎える。しかし序盤、相手がコテを打ってその場で止まった隙を突き、見事引きメンで一本を先制。そのまま一本を守り切って勝利し、早大の18連覇が決定した。このまま連勝したいところだが、副将の松下は延長戦の末にメンを許して敗北。終始自分のペースで試合を運んでおり、松下に形勢が傾いていただけに、惜しい試合となった。
迎えた大将戦。4年生同士最後の早慶戦佐藤桃佳主将(社4=山形・左沢)は序盤、相手の手元が上がった瞬間にコテを決め、早々に一本を取る。さらに二本目の掛け声がかかった直後、相手がメンに突っ込んできたところで冷静に引きメンを決めて二本勝ち。唯一の二本勝ちを収め、佐藤は優秀選手賞を獲得した。
コテを奪った佐藤
見事18連覇を達成した早大女子。13日に開催される男子の早慶戦では、この勢いに続き、2016年ぶりの勝利が待ち望まれる。
(記事、写真 荒井結月)
結果
〇早大5(6)―(2)2慶大
先鋒 横山 メ- 高橋
次鋒 矢野 -ド 長谷川
五将 榎本 メ- 奥秋
中堅 中原 ド- 桑原
三将 栗山 メ- 平野
副将 松下 -メ 平川
大将 佐藤 コメ- 浅場
コメント
佐藤桃佳主将(社4=山形・左沢)
――試合を終えて今の気持ちはいかがですか
1年間、早慶戦優勝を目標に頑張ってきたのでホッとした気持ちと、おのおのの課題も見つかったので、全日(全日本女子学生優勝大会)までに頑張りたいなという気持ちです。
――どのような気持ちで試合に臨みましたか
もともと勝負が決まっていたので、後は自分とみんなを信じて、自分の力を出し切るだけだなという気持ちで試合に臨みました。
――優秀選手賞にも輝きました
優秀選手賞をもらったこともうれしいのですが、やはりチームのためを思って1年間やってきたことが形になったので、うれしいです。
――最後に、全日本女子学生優勝大会に向けて意気込みをお願いします
大会シーズンで二つ大会が終わって、自分自身でもみんなとしてもまだまだ満足できない結果になっています。全日が最後の大会になるので、少しでも多く勝ってみんなとたくさん試合をしたいです。
横山舞香(スポ3=京都・日吉ケ丘)
――試合を終えて今の気持ちはいかがですか
ホッとしています。
―延長の末、先鋒として見事勝利しました。試合を振り返っていかがですか
一度私が転んで「止め」が掛かった時に、気持ちをリセットして、「よし」と狙って打つことができたので、稽古を頑張ってきて良かったなと思いました。
――チームメートの戦いぶりを見ていていかがでしたか
みんなが絶対に勝つということを信じていました。何も不安はなかったです。