女子団体戦である関東女子学生優勝大会が、武蔵野の森総合スポーツプラザで19日に行われた。早大剣道部は全日本女子学生優勝大会(全日)への出場権を獲得し、明大には敗れるも、ベスト16で今大会を終えた。
※氏名に旧字体を含む場合は、原則として新字体に直して掲載しております。
上段の構えをする榎本凜香(社2=茨城・守谷)
1回戦をシードで通過した早大。初戦となる2回戦の相手は、高崎経大に勝利した日女体大。早大の先鋒・矢野ひかる(社1=京都・日吉ヶ丘)は緊張もありコテとドウを決められ敗北を喫した。次鋒の榎本もなかなか流れをつかむことができなかったものの、ドローで後ろに託した。中堅の中原菜月(社2=愛媛・帝京五)は落ち着きを見せ、メンで一本勝ちして同じ勝数に持ち直す。今大会では副将を務めた佐藤桃佳主将(社4=山形・左沢)は、果敢に攻めていくが一本が決まらない。しかし、試合終了数秒前にメンを決めて一本勝ち。本数で追いかける展開となっていたため、非常に大きな一本勝ちとなった。
そして、大将戦には松下夏生副将(スポ4=静岡・磐田西)が臨んだ。1勝をリードしているものの、負ければ本数差で敗北が決まるため、緊張感が漂う。松下は相手がメンを打ちに来たところを下がって、引きメンで先制。後半には試合場の端に追い込まれたところで逆ドウを決められるも、引き分けに持ち込む。2-1で初戦を突破した。
メンを避ける矢野
全日出場のかかった3回戦の相手は、シードの東経大を破った国学院大。先鋒の矢野は慎重な試合運びで引き分けに持ち込むとその後、榎本が相手の警戒を利用した逆引きドウで一本勝ちとする。さらに中原も仕切り直しの直後にツキ、佐藤は終盤にコテ、松下はメンを決め、次鋒以降全員が一本勝ち。4-0で快勝し、見事早大は全日進出を決めた。
コテを決める佐藤
ベスト8のかかった4回戦は、前回大会の3位チームである明大との対戦に。先鋒の矢野は緊張がほぐれてきたのか、審判の旗が上がりかける惜しい場面も見られ、最終的には引き分けた。しかし次鋒の榎本は開始序盤にメンを取られ、守り切られる。続く中原もメンを二本取られて、2敗と後のない状況になったが副将の佐藤がコテで一本勝ちを決め、望みをつなぐ。大将戦までもつれ込み、松下は攻めの姿勢を見せたが一本を取り切れず。明大に2-1で敗れ、早大はベスト16で大会を終えた。
積極的に攻める松下
前週にベスト8で全日出場を決めた男子に続き、女子も全日進出を決めた。これで女子部は2年連続の全日出場となる。個人では佐藤、矢野が全日本女子学生選手権に出場するなど、確実に地力を上げている早大。約1カ月後の全日での活躍に期待がかかる。
(記事 橋本聖、編集 荒井結月、写真 町田千穂)
結果
1回戦 シード通過
2回戦 日女体大1(3)―(3)2早大〇
先鋒 川原 コド - 矢野
次鋒 三浦 ✕ 榎本
中堅 菊池 -メ 中原
副将 菊地 -メ 佐藤
大将 星野 ド✕メ 松下
3回戦 国学院大0(0)―(4)4早大〇
先鋒 吉田 ✕ 矢野
次鋒 小林 -ド 榎本
中堅 沢井 -ツ 中原
副将 北原 -コ 佐藤
大将 林 -メ 松下
4回戦 明大2(3)―(1)1早大●
先鋒 矢崎 ✕ 矢野
次鋒 横山 メ- 榎本
中堅 筒井 メメ- 中原
副将 桜井 -コ 佐藤
大将 松田 ✕ 松下
コメント
佐藤桃佳主将(社4=山形・左沢)
――試合を終えて今の気持ちはいかがですか
全日(全日本女子学生優勝大会)への出場、そして関東一に向けて1年間頑張ってきたので、関東一には届きませんでしたが、全日への出場を通過点として達成できて良かったなとほっとしています。
――初戦では試合終了数秒前に一本を取りました。振り返っていかがでしたか
試合前はいろいろなことをしようと考えていましたが、試合場に入ってからは1年間やってきたことがモノを言うと腹をくくっていたので、自分の中では残り何秒かは気にしていませんでした。気が付いたところでメンを決めることができて良かったです。
――今日のチームメートの戦いぶりを見ていかがでしたか
とても緊張しているチームメートが多くて、そのことを想定しながら練習や試合を積んできたので、このようなこともあるかなと思い、自分が流れを変えようと試合に臨みました。
――全日本女子学生優勝大会(全日)に向けて、意気込みをお願いします
自分自身も学生として出場する最後の大会となるので、今大会での課題も含めチームとしてもっと磨いていくべきところを磨き、絶対日本一を取っていきたいなと思います。
矢野ひかる(社1=京都・日吉ケ丘)
――試合を終えて、今の気持ちはいかがですか
大学の剣道で個人戦には出させてもらっていたのですが、団体は初めてで、初戦はガチガチに固まってしまい、二本負けして足を引っ張るような結果になりました。でも先輩方が支えてくれたので、今日の結果は先輩方の支えありきだと思います。
――初戦の日本女子体育大戦では二本負けを喫しました。振り返っていかがですか
二本負けは出てないことと一緒の結果になってしまいます。先鋒で二本負けをしてしまうとチームにいい流れを持って行けないので、内心焦りつつもしっかり後ろ4人を応援しようとそこに集中していました。
――それでもその後の2試合は引き分けと、1試合目を吹っ切っていたように思います。振り返っていかがですか
2試合目は全日がけだったので1試合目みたいに足を引っ張るような結果だけにはしたくありませんでした。相手もポイントゲッターが先鋒だったのでしっかり引き分けにして、先輩方に頼りつつもいい流れを持っていけるようにしました。明大戦は(全日出場が)決まっていて、相手が4年生だったので思いっきりやろうと挑みました。
――今回、大学生活初の団体戦となりましたが、いかがでしたか
3試合連続で出させてもらったことが本当にありがたいですし、全日も決まったことなので次は足を引っ張ることがないように、先鋒としてチームに流れを持っていけるように頑張っていきたいと思いました。
――全日に向けて意気込みをお願いします
全日では絶対勝ち上がっていけるようにまた一からのつもりで日々の稽古をして、チーム一丸となって勝てるように、そして1年生の元気の良さでチームに良い影響を与えられるように頑張っていきたいです。