ことしも剣道部の熱い戦いが幕を開ける。全日本学生選手権(全日本)出場をかけた戦い、関東学生選手権まであと1週間を切った。早大からは激しい部内戦を勝ち抜いた久田松雄一郎主将(スポ4=佐賀・龍谷)、勇大地副将(スポ4=東福岡)、船橋惇冶(社4=茨城・水戸葵陵)、岩部真佳(商3=神奈川・桐光学園)、安井奎祐(スポ3=茨城・水戸葵陵)、秋山健太(スポ2=福岡大大濠)、中嶋優樹(法2=東京・國學院久我山)の計7名が出場する。
注目したいのは今大会初出場の中嶋。関東学生新人戦(新人戦)の対明大戦で二本勝ちを決めたことは記憶に新しい。そこから約5ヶ月、2年生ながら並み居る強豪を退け見事出場権を手に入れる奮闘ぶりを見せた。若手の急成長ぶりに目が離せない。同じく初出場の岩部も3年になり開花。また、ケガで新人戦を欠場した安井も復帰。万全の体制で挑む。新人戦では1年生にして大将を務めた超大型新人・秋山の活躍にも期待が高まる。
そして4年生となった久田松、勇、船橋。早大として、個人最後の全日本をかけた、絶対に負けられない大一番である。きょねんも3名全員が出場したものの、全日本に駒を進めたのは久田松ただ一人。そしてその久田松も全日本では1回戦敗退と結果は振るわず。ことしは共に全日本出場を確実に決め、さらにその先の日本一を目指していきたい。
今回は7人中5人が前年度に引き続いての出場ということもあり、より高度なレベルでの試合が期待される。全日本出場を決めるだけでなく、関東一位の座も狙っていきたいところだ。来る5月14日、決戦は目前に迫る。
★若手剣士見参、早大に力を。
早大剣道部には新たな15名の剣士たちが加わった。そのうち男子は9名。今回は中でもただ一人スポーツ推薦で入学を決めた藤田啓人(スポ1=東福岡)に焦点を当てる。
期待のルーキー、藤田啓人
藤田の高校での経歴は華々しい。2年時には総体ベスト8、国体3位に輝く。また、全日本都道府県対抗では強豪・福岡県代表の先鋒を務め優秀選手にも選ばれた。まさにエンジを背負うにふさわしい存在である。出身校である東福岡高は勇や和田勇輝(社2)も在籍していた剣道の強豪校だ。早大を選んだ理由には「勇大地さんと同じチームでやりたい」という思いもあったという。高校時代は出会うことのなかった「先輩」の存在は偉大であった。また、同期の吉村逸平(社1)も東福岡出身。二人が高校時代のように全国で共闘する日もそう遠くはないかもしれない。
入学後早一週間、剣道部生活は「とてもいい雰囲気でやれている」と語るように、納得のいくものであった。惜しくも部内戦で敗れ個人戦出場とはならなかったものの、藤田の目はもう次を見据えている。「団体戦のメンバーに入る」と今後の目標を掲げてくれた。着実に力をつけ、選考を勝ち上がっていきたいところである。未来の早大を背負うであろう若手の活躍が待ち遠しい。
(記事・写真 松本一葉)
コメント
藤田啓人(スポ1=東福岡)
―早大を選んだ理由は何ですか
まず、早大の先生に声をかけて頂いてて、もともと東福岡高の先輩が何人かいらっしゃってて、勇大地さんとも同じチームでやりたいなと思いました。他にもいろいろあったんですけど、そうやって早大に来ました。
―今までで一番記憶に残っている試合はなんですか
高校最後の年の試合の玉竜旗大会です。まあベスト8で長崎の島原高に負けてしまったんですけど小さい頃から出るのが夢だった大会だったのですごく思い出に残っています。
―大学生活はいかがですか
大学に入って1ヶ月経って、だんだん慣れてきました。まだまだ不安なこともあるのでこれから頑張っていきたいです。
―剣道部生活はいかがですか
先輩もみんな優しくて楽しいんですけど、しっかり稽古は一人一人が意識を高く持っているのでとてもいい雰囲気でやれていると思います。
―同じ高校出身の吉村逸平さんとは一緒に行こうと決められたのですか。
そうですね、私が決まってから向こうも自己推薦で決めました。
―部内戦はいかがでしたか
そうですね、関東個人の選考で、ちょっと負けてしまって出場はできないんですけど。
―先輩たちの洗礼は厳しかったですか。
そうですね、ことしは4年生の実力がすごいあって、まだまだ厳しさを感じた試合でした。
―久田松主将はいかがですか
私が相手にいならないほど強くて、本当にストイックで憧れの先輩です。
―東福岡高での練習と比較していかがですか
まあきつさは高校の方がきつかったんですけど、雰囲気とかは早大に来て良かった、という感じがしました。
―今後の意気込みをお願いします。
今後はまず団体戦のメンバーに入って、やはり日本一という目標を達成できるように頑張ります。