悲願の全国大会出場へ――。昨季、初戦で敗退し全日本学生優勝大会(インカレ)への出場を逃した早大。昨季の雪辱を果たしインカレへ出場すべく、第39回関東女子学生剣道優勝大会に臨んだ。1回戦の中大戦は危なげなく勝数3-1で快勝。しかし、その後に行われた2回戦、シード校の駒大と対戦した早大は先鋒から3人連続で引き分ける緊迫した展開に。副将の川上ゆき(スポ1=熊本・菊池女)が2本負けを喫すると、大将の横尾由布子主将(スポ4=長崎・西陵)も引き分けに終わり、勝数0-1で2回戦敗退。悲願のインカレ出場を2年連続で逃す悔しい結果となった。
初戦、早大は中大を相手に快勝した。先鋒の徳永光(社4=鹿児島・鳳凰)が引き分けに持ち込むと、次鋒の菊池優香(社3=京都・日吉ケ丘)がフェイントから完璧なメンを決めるなど2本勝ちを収める。続く中堅、川上も相手に竹刀を振り上げさせコテを奪う1本勝ち。副将の畝尾奈波(スポ2=京都・日吉ケ丘)は相手に隙を突かれメンを取られるものの、大将の横尾が2本勝ちを収め、初戦を突破する。初戦で敗退した昨季の悪いイメージを振り払うように快勝で2回戦へと駒を進めた。
大将として果敢に攻める横尾主将
その後の2回戦。相手はシード校駒大。早大は初戦からオーダーを変更して挑んだ。2回戦からの出場となった高橋萌(スポ2=栃木・佐野日大)。フェイントからメンを打たれ1本を先取されるも、その後タイミングをずらしメンを奪い返す。しかし終盤、決まったかに思われたメン、コテはいくつかあったもののそのまま1本を取りきれず引き分けに終わった。続く次鋒、菊池も決め手を欠く。中堅、畝尾も身長差のある相手に押されメンを取られるが、終盤コテ返しメンをなんとか決め引き分けに持ち込んだ。先方から中堅まで引き分けの緊迫した空気のまま副将、川上へ。コテメンを打たれ1本を先取された川上。「自分の試合ができなかった」と振り返るように後半も流れを変えられない。相手に圧倒されたままさらにメンを決められ2本負けを喫した。残すは大将戦、後がない厳しい状況のなか、なんとしても2本勝ちを収めたい横尾。1本を狙い果敢に攻めるも空回る。自分の間合いで打てず、1本を奪えないまま4分間が過ぎ、試合終了。念願のインカレ出場を逃し、肩を落とす早大メンバー。早大の2年ぶりのインカレ出場の夢は2回戦で途絶えた。
インカレ出場を逃し肩を落とすチーム
「日本一というのを掲げて常に稽古してきた」(横尾)と語るように、全国制覇も目標にしていた早大剣道部。それだけに悲願のインカレ出場をかけた今大会での2回戦敗退はあまりに悔しいものだった。次の早慶戦が今シーズン最後の試合となる。今回の悔しさをばねに、早慶戦で勝利し有終の美を飾ってくれることに期待したい。
(記事 藤川友実子、写真 建部沙紀)
結果
早大2回戦敗退
1回戦○3-1中大
2回戦●0-1駒大
コメント
横尾由布子主将(スポ4=長崎・西陵)
――2年連続で全国の舞台へ進めなかったが
自分たちは日本一というのを掲げて常に稽古してきたので、その舞台に立てないというのがとても悔しいですし、申し訳ないです。
――申し訳ないというのは
仲間に対してです。せっかく大将戦に回してくれたのに自分が勝てず、チームを負けさせてしまったので、申し訳ないです。
――初戦はチーム力で盤石に勝利しましたが振り返って
相手も弱くは無かったし、大将に上手く回してくれたなかでしっかり勝ったので良かったです。チームのみんなのおかげです。
――初戦と2回戦でメンバーを入れ替えましたがどういう意図があったのですか
やっぱり上に進むにつれて相手のレベルも上がってくるので、そういう相手に対しこっちも上手く人をぶつけていこうという話をしたので、コーチと自分で話して決めました。
――駒大戦では2本取らなくては負けるという厳しい状況で回ってきましたが、どのような気持ちで試合に臨みましたか
どんな状況であれしっかりみんなが自分につないでくれたので、なんとか取り返してやろうという気持ちでした。ただむやみに2本狙いにいってもなかなか自分の剣道ができないので、まずは落ち着いて1本を狙いにいくところから意識しました。ただ結局1本も取れなかったので本当に悔しいです。
――早慶対抗試合が4年生にとって最後の試合となります、意気込みをお願いします
もうそこで勝つしかないので。例年から見ても早慶戦が接戦になることは間違いないので、なんとか大将として最後に早大を勝利に導きたいです。
徳永光副将(社4=鹿児島・鳳凰)
――今のお気持ちは
日本一を目指してたので、ただただ悔しいです。
――初戦では緊張などはありましたか
そうですね。やっぱり初戦ということもあって緊張はそれなりにありました。
――駒大戦では出場できなかったが、チームメートに何か伝えたことは
駒大戦は本当に大事で、難しい試合になるということはチームのなかでも分かっていたので、勝利を求めてメンバーを変えたので自分は出られませんでした。だから出れない分チームのみんなに絶対勝つ、焦らず集中して戦って全国に行こうということを言いました。
――早慶対抗試合に向けて意気込みを
自分たちにとって最後の試合なので、勝って終われるようまた練習から頑張ります。
菊池優香(社3=京都・日吉ケ丘)
――試合を終えて今の気持ちは
悔しいです。
――初戦は快勝だったと思いますが
初戦は気持ちを前に出して試合が出来たと思います。
――駒大戦を振り返って
攻撃力とかも低くて、もっと前に出て試合をしないといけないと思いました。
――個人で全国大会に出場して、その経験から生かせたことはありますか
きょねんの悔しい思いを晴らそうと思っていたんですけど、結果がついてこなくて本当に悔しいです。
――今シーズン最後の試合の早慶戦への意気込みをお願いします
先輩方と一緒に戦えるのが最後なので自分も勝って、周りも力をあげてチーム全員で勝ちたいと思います。
畝尾奈波(スポ2=京都・日吉ヶ丘)
――きょうの感想を
チームとしては結構良い状態で仕上がってきていたとは思うのですが、駒沢も、結構上位に入るチームなので。勝ちたいという気持ちはお互いあったと思うし、やっぱり取られてしまって、そこを取り返せなかったというのがワセダの弱いところだと思います。来年はしっかり全日(全日本学生女子優勝決定戦)に出られるように、まずは早慶戦に向けて、また一からしっかりやっていこうと思います。
――調子は
2試合とも、自分の力を100%出せていなかったと思うので、試合のもっていきようが自分としてはダメだったと思うので、しっかりそこを直して、次で絶対しないように頑張ってやっていきたいと思います。
――「もっていきよう」とは
自分よりも相手の方が先に攻めていたりとか、気持ちが相手の方が強かったりとかがあったと思いますね。
――2戦目について
身長差もあって、やりにくい部分はあったんですけど、相手のペースになりがちだったかな、と思います。
――最後ギリギリで1本取れました
あそこで負けてしまったら流れも悪くなってしまうと思ったので、1本しっかり取り返して、チームの流れを戻そう、という気持ちでやりました。
――次戦の早慶戦が今シーズン最後の試合です。意気込みをお願いします
早慶戦はきょねんも勝っていて、絶対に勝つという気持ちでいるので、みんなで一致団結してしっかり頑張っていきたいです。
川上ゆき(スポ1=熊本・菊池女)
――きょうの試合を振り返って
くやしいです。
――駒大戦の率直な感想は
自分の試合が出来なかった、それだけです。
――全国の舞台を経験して、生かせたことは
何も生かすことが出来ませんでした。
――どのように今後につなげていきたいですか
二度とこんなくやしい結果にならないように、頑張るしかないなと思います。