1年時から早大空手部をけん引してきた末廣祥彦主将(スポ4=東京・世田谷学園)と今尾光副将(スポ4=大阪・浪速)が最後の全日本を迎える。エースとして駆け抜けた4年間、幹部として過ごしたこの1年は彼らには今どう映っているのだろうか。同じく幹部で女子組手を率いる越間菜乃(教4=島根・石見智翠館)とともに振り返ってもらった。
※この取材は11月6日に行われたものです。
「今までで一番頑張れている」(今尾)
今季について振り返る今尾
――1年間の試合を振り返って
今尾 最後の年なので今までの中でも、1番いい形で終われるように、いいモチベーションでできたのではないかと思います。先日行われた体重別でもいい形で終われたので。あと残す大会も残り少ないので、いま自分の中でモチベーションややる気が非常に高い状態です。
末廣 去年は怪我をして、基本的には指導だけをしていた時間が多かったので、指導に徹していたのですが、ことしは自分が練習しないといけないし、周りも見ないと、という状況でやっていて、7月の全日本で1回戦で負けて、自分自身が全く成長していないと思いました。なんなら2年生の頃などと比べて、弱くなったなって。それは怪我の影響もあると思うんですけど、自分自身形だけ復帰したけど実力的には戻ってないように感じました。自分自身がまず強くなろうと思わないと、周りに指導できないなと感じたのが前期の個人戦ですね。後期は自分の中で何か掴もうとしてやりながら、全体も見ながらやってきたんですけど、それがだんだん慣れてきたというか。指導の時間と、自分の練習の時間をしっかり取ることが少しずつできるようになってきたと思うので。個人では自分はまだ強くなってないなって思うんですけど、ただ団体で貢献できるかなって。
越間 私は個人戦では勝てる実力が全然なくて、実際勝ててないんですけど、でも自分が出る団体戦は、勝ち負けももちろんですけど、1番上の学年として、自分の試合だけは絶対勝とうって。ことしチームとしても3年目で、気持ちも今までで1番強いと思うので、2人のためにも自分が出る中堅戦は絶対に勝とうっていう思いが強いです。関東も1回戦は負けてしまったんですけど、全日本(出場権を)取れたので、気持ちが前に出てたから勝てたのかなっていう思いがあるので、その気持ちのまま最後までいきたいなって思っています。
――戦績も踏まえて、団体戦を振り返っていかがですか
末廣 女子は少ない人数で、他に強い学校が沢山ある中でやっている状況で、男子はメンバーも揃っているので勝たないと意味がないので。すごい期待していただいているのに、結果が全く出ていないなっていうのを感じていて。もしかしたら、今まで部員少なかったんですけど増えてきて、推薦のあんまり取ってなかった中でやってるんだとしたら、例えば関東や東日本でベスト8は褒められるかもしれないですけど、今メンバーが揃っている状況で自分たちが目指しているところも踏まえて考えたら、それで全日本通過したっていうのは全く結果じゃないので。もう残すのが全日本しかないので。
今尾 楽しみだよね。
末廣 そうだね。去年はこの大会が最後で、優勝するためには去年優勝しているところに勝たないといけないので。
――もう全日本の相手は決まっているんですか
末廣 そうですね、3回戦で去年優勝した京都産業大学。まぁでもそういうところと当たれるのは、公式戦では初めてなのでそこで1回みせてとかないと、自分たちが1年間やってきたことが意味がなくなってしまうので、結果を残さないと意味がないなっていうのは思います。
――女子の団体形についてはいかがですか
越間 本当は、今までもできていないので、1回戦勝って全日本進出決めたかったんですけど。出ないことには意味がないなって思ってたので、とにかく出たいっていうのが正直なところだったので、1番の目標の1回戦勝って、っていうことはできなかったですけど、出れたことはとりあえず良かったです。でも、全日本今までも勝っていないし、男子みたいに絶対に勝たないといけないっていうプレッシャーもかけられてないけど、チームとして3年目でこのまま去年と同じような成績で終わるのは悲しいし、3年間やってきた意味がないなって思うので、有終の美じゃないですけど、最後今までで一番いい成績で終わりたいです。
――4年生になってから1年間で成長したと思うことはありますか
末廣 自分はすごい優しくなったなって思います。
一同 (笑)。
今尾 優しく…?
末廣 いやでも去年の方が怖かったんじゃない?去年はやっぱり指導に回っていて、いろいろ強く当たっていたんですけど、今年は態度じゃなくて、練習の中身で厳しくしようって思っていたので、それで全体を見たり、言葉を選んで発言をしたり。指導ってすごい偉そうなんですけど、任されている側としては厳しい方がいいんじゃないかなと思っていたので。まだ結果は出ていないんですけど、自分の中でそこは変わったことだなって。
――特にないですか
今尾 そうですね、(末廣は)練習中怖いので、今までで一番頑張れているんじゃないかなと。
――去年はお兄さんが主将をされ、ことしは末廣祥彦主将になって厳しい練習になったということですが、印象はいかがですか
末廣 耳抑えなきゃ。
一同 (笑)。
今尾 内容自体で言うと、お兄さんは結構土台を築くようなメニューが多くて、ことしの主将はそれを活かして、より組手を意識したメニューが多くなったっていうのが印象ですかね。常に試合をイメージしてできるので、去年は去年でよかったですけど、ことしはことしで自分の中でいいなって思っています。
越間 さっき優しくなったって言っていましたけど、お兄さんの主将像と違って、去年はわりとビビっている部分もあったり、追い込まれる中でやっていこうっていう思いがあったんですけど、自分が幹部ということもあり、自分で考えて実践的なことをやっていこうって言ってくれるので、のびのびというか。
今尾 怒鳴られないしね。
越間 組手やってるって。
今尾 去年はちょっと気持ち的に沈んじゃってる感じあったよね。
越間 幹部が多いから、みんな声出してくれるから、主将が言った時に周りが盛り上げてっていう空気がやりやすくて好きです。
今尾 一番上が10人で一番多いからね。
――今の話を受けて末廣主将いかがですか
末廣 そうですね、去年兄が主将で土台を築いてくれてくれて、それを応用利かせて幅を広げてってやっているので、それを部員が吸収してくれているのが見ていてわかるので、工夫のし甲斐があるというか、達成感があるというか、試合で勝てなくてもポイントが取れたとか、そういうのがあるだけで、意味があったのかなって思えるので。兄とは違うやり方でことしはやろうと思いながらやっていて、ことしは幹部が10人いていい雰囲気が作れるんじゃないかなって思っていたのを実践してくれて、主将としてはありがたいしやりやすいですね。去年を悪くいうわけじゃないんですけど、やっぱり兄が大変なことが多かったところを、自分は苦労なくやってこれたのは、実践してくれた幹部がいるからだなって思うので、やりやすいですね。
――次にことしの夏合宿についてお伺いします。今年はいつ頃行なわれたのですか
末廣 9月の8~15日の7日間で行きました。
――夏合宿のテーマなどあれば
末廣 実践メインでやってて、例年やっていたイベントというか、例えば形を100回連続でやるとか、突きを1000本やるとかそういうのがあって例年やっていたんですけど、去年兄がそれをやめて実践メインでやって。ことしも、監督、コーチの先輩方に相談したら、それでいいって言ってくださったので、完全に実践形式で、試合を想定したメニューを行ったって感じです。
――去年とことしを比較して、大きく変えたことはないということですか
末廣 メニュー自体も、去年兄がやってきたものを広げていった感じなので、いい意味で合宿感というか、雰囲気で特別な1週間だよっていうのはあったんですけど、メニューをあえてきついものにしてとかはせず、意味のあることを日頃の練習からやってきたのでそれを継続してやる1週間というか。あんまり合宿だからどうっていうのは、自分では持たなかったですけど。イベントとかをやらなかったこともあり、試合に向けた強化週間みたいな感じですかね。
――合宿で辛かったメニューとかありますか
越間 体力的なきつさで言ったら、去年の方がしんどかったんですけど、去年はしんどすぎて「考えろ」って言われてもできないって感じで、こなすことが目的みたいな感じになっていたんですけど、ことしは楽とかそういうことではなくて考える余裕があったので。去年と比べると心の余裕があって。
今尾 鍛錬みたいなのが今年はなかったからね。組手、組手って感じで。
末廣 最後くらいだよね。最後にいつも1000本突きをやっているところを、4分の1くらいにして、体力とか鍛錬とかではなく、集中して自分と向き合う稽古としてやろうとしてやったので、例年やっていたことをやったのはそれくらいで、他はもう実践って感じですかね。
――今年は量より質を重視した練習をされたということですよね
末廣 そうですね。朝のランニングとかも、人によっては朝走りすぎると1日のパフォーマンス下がる人とかいるので、あんまり走りこまなかったり、ジョギング程度にしたりとか。あんまり合宿として厳しくやろうというよりは、効率的にいみのあるものにしようという感じにしましたね。
――合宿中の練習とは別に遊びなどのイベントはされましたか
末廣 夏はBBQに行きましたね、いろいろ大変だったんですけど(笑)。
――語れるようなエピソードありますか
末廣 語れるようなエピソードはないですね(笑)。
一同 (笑)。
今尾 荒れてた後輩がいましたね、1人で勝手にって感じですけど(笑)。面白かったです。佐川(開人、商2=埼玉・早大本庄)が1人で楽しかったって感じです(笑)。
――4年間で一番印象に残っている夏合宿はありますか
今尾 僕が一番しんどかったのは1年のときで。
末廣・越間 一緒…。
今尾 練習ももちろんですし、雑用とかがあったので。メニューは鍛錬ばっかりで。その点4年生が1番やるきがあったというか、それこそ効率よく練習に1番モチベーション高く臨めたのが4年生の夏合宿だったので、1番ためになったかなって思います。
末廣 1年目はしんどかったですね、筋肉痛が取れなかった印象があります。という意味では、去年は(怪我で)全然練習していないので、違う意味できつかった合宿だったんですけど、練習という意味では1年目はきつかったです、仕事とかもあったりで。
越間 同じく1年目ですね。組手やってなかったから…。
末廣 あ~。
今尾 それこそさっき言ったイベントというか恒例行事が、全部あったので、初めてでなんでこんなに沢山やるんだよーって感じで。しんどかったですね。
「4年間やってこれたのは9人のおかげ」(越間)
4年間思い出話で場が盛り上がった
――その流れで4年間を振り返って、最も印象に残っていることは何ですか
今尾 まともっぽいことを言うと、4年生で最後アメリカに行ったんですよ、なんでかわかんないけど1人いなかったんですけど、OBの方がアメリカにいらっしゃって、そこに同期9人で行ったんですけど。それがまあ面白かったです。
末廣 圧倒的じゃない。
今尾 最近っていうのもあるけどね。
――アメリカへは練習のために行かれたんですか
今尾 そうですね、80歳ぐらいの世界に空手を広げた偉大な先輩のところに行って稽古させていただいてって感じ。あとは結構遊んでたんですけど、それもすごく楽しくて。
末廣 印象に残っているってなったら、やっぱりアメリカですかね。あとはなんか、いっぱいいろいろあっても思い出せない感じですかね。そんなに比べるほど差がついてなくて色々な思い出があるって感じですかね。
今尾 カラオケでオールとか、そんなのどこでもあるじゃないですか。
末廣 んーやっぱり、回数こなしているやつが多いんじゃない、それこそカラオケとか。だからあんまり印象にはないみたいな。
今尾 そう考えるとあんまり面白くないかもしれないですね!
一同 (笑)
末廣 いろんな所に行ったけど、全部同じくらいの思い出ですね。これっていうのはあんまり。
――同期との仲はよろしいのでしょうか
末廣 仲はいいですね。喧嘩したりする人もいるんですけど。
一同 (笑) 。
末廣 基本的に仲いいですね。
――越間さんは4年間で印象に残っていることは何かありますか
今尾 女子1人だったしね。大変だったよね。
越間 1年の初めの時は結構、きつかった。
今尾 辞めたい、辞めたい、言うんですよ。みんな敵だもん、みたいな。
越間 (笑)。今となっては、1人でよかったというか、この代で良かったなっていうのは心の底から思いますけど、当時はきつかった。同期だけじゃなくて、練習でも形やらせてもらったり、その練習がきつかったり、同期も男ばっかりで男子だけでかたまるから、練習前1人でぽつーんってなってて。でも、まあ良かったなって、アメリカもすごい楽しかったし、ある意味そんなに女の子扱いしてこなかったのがすごい楽で、9人男子がいて4年間やってこれたのは9人のおかげかなって。
――4年間続けてこられた理由としては何が1番大きいですか
今尾 それ聞きたいかも。結構(辞めたいって)言ってたよね。
越間 ことあるごとに嫌だ嫌だって言って。でもなんか聞いてくれる同期がいて、止めてくれて。後輩もいっぱい入ってきて。先輩がよかったのかな。
末廣 うん、そうだね。
越間 いや、まあ同期のおかげかな。なんか9人が全員違くて。この時はこの人に、あの時はあの人にみたいな、それぞれの人に解決してもらってみたいな。女の子1人だけど、1人じゃないなって。本当に同期のおかげだって思ってるよ!
今尾 インタビューだからね!
一同 (笑)。
越間 本当に思ってる!(笑)いや、でも本当にそうだと思います。
――4年間を通して成長したなって思うことはありますか
末廣 人との付き合い方ですかね。OBの先輩がいっぱいいらっしゃって、今まで関わってなかった目上の方、といっても80歳ぐらいの方とかもいらっしゃるんですけど、人と接することが多くなったので、それは今までになかったことで。空手っていう共通の話題で話ができるので、今と昔の空手ではギャップをあったんですけど、そういう価値観の違いも受け入れられるようになったことが成長かなって思います。
――去年の創部85周年の式典では、世界各国の方が参加されていましたが、その中でも刺激を受けることはありましたか
末廣 そうですね、この間もアメリカに行ってきて、だいたい会う人は空手っていう共通のものを持っていて、拙い英語で話をしてもどこかで笑いあえたりとか、そういうのはたぶんワセダじゃないとできないことだなって、部活に入っていないとできないことだなって思うので、そういう意味でも日本だけじゃなく世界の人とも接することができるのは、自分の人間形成に繋がっているかなって思います。
――お二人はいかがですか
今尾 そうですね、ほかの大学でもそれぞれあると思うんですけど、ワセダはやっぱりいろんな国の方とお話しする機会であったりとか、国内でも関西とかいろんな所にOBがいらっしゃるので、例えば大阪の試合の時も大阪にいるOBの先輩方とご飯食べたりとか、いろんな繋がりがあって、おしゃべりができるので、いろいろ経験させてもらったなとは思います。
越間 私は高校まで部活で空手をやっていなかったので、初めて大学でやって、団体戦っていうのが初めてで、それまでは自分までのために空手やってきて、負けても自分が負けるだけだって感じだったんですけど、今は自分が負けたらチームが負けるっていう状況に何回もあって。高校まではずっと負けて泣いてばっかりだったんですけど、誰かのために勝ちたいとか、何かが勝ってるから勝ちたいっていうことを沢山味わえて、在り来たりですけど、人として精神的に強くなったなって思います。
今尾 あと、僕料理ができるようになりました。
一同 (笑)。
今尾 野菜もちょっと食べるようになりました。
末廣 偉大な先輩がいたからね。
――今まで全然食べることはなかったのですか
今尾 全然食べなかったんですけど、上から食べさせられて、そういうのを経て食べてみようってちょっと思うようになりました。
――4年間切磋琢磨し合った、同期のことをどう思っていますか
今尾 結構みんな真面目で、空手が好きな方だと思うので、さぼったり、投げ出したりしてしまう同期がいなかったので、雰囲気もすごくいい状態ですし、恵まれた同期で良かったな、というふうに思ってます。
末廣 10人辞めなかったので、そこはすごいいい同期だったのかなって。たぶん最近ではあんまりないよね。
今尾 (入学時に)入ってきたままでそのままなので。
末廣 合宿の時に、だいたい最終日に写真撮るんですけど、1年生の時に撮った10人時の写真と4年になって同じポーズで写真撮って、見た目全然成長してないんですけど(笑)、でもたぶん1年の合宿と同じメンバーで4年でも写真が撮れる代っていうのは最近では本当にないと思うので、それができるのはやっぱり今の同期のおかげかなって。
越間 さっきも言ったのでアレなんですけど、女の子だからって特別扱いすることもなく、10人の立場で接してくれたから、居心地が悪くもなく、10人で移動してる時も女子1人だから嫌だなって思うこともそんなになく、同期ラインとかも下ネタとか入ってきちゃうんですけど、別にそれも仲良くて、私にそんな気を使ってないからやってくれるのかなって(笑)。
今尾 女子いて話すような内容じゃないしね(笑)。
越間 そういうのがあって、ちゃんと対等な立場で見てくれていることが嬉しいので、本当にこの代で良かったなって思います。
末廣 この代で良かったとは本当に思うよ。
――後輩にはどんな思いを抱いていますか
末廣 部員がやっぱり少ないので、厳しくなるかなっていうのは思うんですけど。
今尾 9人一気に抜けるからね、特に組手はね。今10人全員組手なので。
末廣 それが一気にいなくなるともう、来年の新入生入れても(全員で)10人いかないと思うんですよね。たぶん雰囲気がすごい変わると思うので、すごい難しいんじゃないかなって思いますね。なので、何か残してあげたいなって思いはありますね。良い物を残して、いろいろ教えられるだけ教えて、それで繋いであげられたらなっていうのはすごい思います。真面目ですね、後輩は。自分と話すときも、すごい言葉詰まりながら話すので(笑)。
越間 ビビってるじゃん(笑)。
末廣 合宿の時もそうでしたけど、すごい真面目についてきてくれるので、で自分たちも考えながら練習してくれているので、大丈夫かなっていう心配もあるんですけど、でもやっぱり残せるものを残してあげたいなって。
今尾 僕も同じ感じで。人数少ないのでそこだけ。新歓頑張ってもらいたいです。
――合宿後に関東大学と体重別の試合がありましたが、成果を実感した場面はありましたか
末廣 まず男子の組手は結果があまり良くなかったので、でも1人1人見たら完成度的には悪くなかったりっていうのがあったり。でも負けは負けなので反省して、で迎えた体重別であれだけみんな頑張ってくれたので、実践メイン練習の意味があるって言えるようになってきたのかなって。ここで切らさずに全日本と早慶戦に繋げたいなって。
「間違いなく伸びてきている」(末廣)
真剣な表情でチームの現状について語る末廣
――今のチームの雰囲気はいかがですか
末廣 そうですね、全日本・早慶戦がやっぱり1番の大会なので、4年生がやっぱり多くて、後輩はスポーツ推薦で入ってきた人達が多くて、やっぱりメンバーとしては主力なので、4年生が頑張ろうっていう中なので、仲良しごっこではいけないなっていう雰囲気が、少しずつ強くなってるような気がします。あとひと踏ん張りなので、雰囲気は厳しくなっていると思います。今まで見たいにみんなでのびのびやろう、というよりは、もっと厳しく強くやっていかないといけないなっていう雰囲気になってきていると思うので、あと1か月ないので、最後の踏ん張りどころだなって。
今尾 去年のちょっと違うよね。
――女子の雰囲気はいかがですか
越間 男子が少し最近バチバチやっているので、それに負けないようにやらないとな、とは思っています。女子は早慶戦2人出れるので、最後2人とも勝ってチームに貢献したいなって思います。
――全日本での山場はどこになると思いますか
末廣 1回戦の方は名前を知らない大学なんで正直あんまりなんですけど、2回戦は同志社大学で強豪なので、1番の山場は3回戦の京都産業大学なんですけど、ただやっぱりその前にこけるわけにはいかないので、それはもう関東の時に学んだので、1番勝てるメンバーで戦うのは決まっていると思うんですけど。ずっと気は抜けないなっていうのは思いますね。2回戦勝っても3回戦があって、3回戦勝ってもまた更に強いところとになると思うので。ただ乗り越えるべきはまず関東でこけた2回戦、それに勝ったら去年のチャンピオンと、になると思うので1個1個が山場ですね。
越間 女子はもうどこが山場とか考える余裕はなく、1個1個勝っていかないとダメなので、去年も一昨年も1回戦で負けているので、ちゃんと1回戦から山場だと思って、1回戦勝ったら次2回戦って感じでいきたいです。
――選手の調子は上がってきていると思いますか
末廣 そうですね、この間今尾が体重別で優勝して、芝本(航矢、スポ1=東京・世田谷学園)が2位で、澤入(迅人、スポ3=静岡・常葉菊川)が3位で、(越間さんを見て)8だよね。
越間 うん。
末廣 で、負けたメンバーも今まで全然勝てなかった選手にいい試合したりとか成長はあるので、間違いなく伸びてきていると思うんですよね。なので、状態は良くなっているんですけど、ただまだ足りないのでこれからって感じですかね。
――団体戦のメンバーでキーマンをあげるとすれば
末廣 キーマンか…。全日本ではここ2人(末広、今尾)は取る前提で監督とコーチと計算しているのと、やっぱり3年生以下の推薦のメンバーが4人いるんですけど、自分たち2人が出るからそこから(出れるのが)3人なのと、幹部でメンバー登録入っている人が何人かいるので、幹部のメンバーと一緒に戦ってみたいっていうのはありますけど、やっぱり1番勝てるメンバーで考えたら自分たちは間違いなく取って、もう1本取るのは誰だって話ですかね。これっていう人は特には。みんながこれっていう人になってほしいなって思います。
越間 かっこいい(笑)。
――全日本の目標は
末廣優勝です、って言いたいんですけど、でも優勝って言うのは簡単ですけど、自分たちが簡単に言えるかっていうとそうじゃないので、強い学校を全部倒すことじゃないですかね。優勝って言うよりは、自分たちのスタンスとしてチャンピオンじゃないので、チャレンジャーなので、それは優勝ですって当然のように言うのではなくって、優勝狙っているところ全部倒せば優勝なので、そういう方がいいんじゃないですかね(笑)。
今尾 いい試合がしたいですね、戦う5人で。もう5人で戦うのは最後なんでね。となると、まあ後悔が残らない試合がしたいなって思いますね。
越間 本当に3人で出る最後の試合なので、ベスト8になりたいとかそういう思いもありますけど、1試合でも多く3人でコートに立ちたいので、1試合でも多くやるっていうのが目標です。
末廣 高校球児みたい(笑)。
越間 確かに(笑)。
――今までの早慶戦で心に残っている思い出などはありますか
末廣1年の時に反則負けしたのは思い出かな。先鋒で開始6秒とかで反則負けになったので、それは思い出に残ってますけど。
越間 苦い思い出(笑)。
末廣 でも去年優勝した方が印象に残ってますね、勝った方が。
今尾 負けたらびっくりしますよ、もうどんよりするんで。一昨年は(開催場所が)ワセダでやって負けちゃったんですよ、なので尚更雰囲気が悪かったですね。ことしはワセダでやるので絶対勝ちたいですね、どんよりするのはちょっと…、それこそ最後なので。なりたくないですね。女子の勝敗がキーマンかなって思いますね。
――最後に早慶戦への意気込みをお願いします
越間早慶戦はもちろん勝つというので、去年個人的にいい試合ができて、すごい早慶戦にはいい運があるんじゃないかなって勝手に思っているので、ことしも確実に1勝をチームにあげたいです。去年は勝って嬉しいみたいな感じだったんですけど、ことしは確実に勝つことが目標です。
今尾 団体戦で13人っていう1番多い人数で戦う上に、同期10人みんな出れるかはわからないですけど、みんなで戦える大会なので、めちゃくちゃ楽しみですし、最後なので有終の美を飾れるようにやっていきたいと思っています。
末廣 そうですね、楽しみではありますね。何対何で大将に回ってくるんだろうって。でもたぶん人生の中でそんなにプレッシャーに感じることはないんじゃないかなって思うので。
今尾 主将に回す形が一番面白いかなって思うけどね(笑)。
末廣 そうだね、6-6とかね(笑)。去年そうだったよね。人生の中でプレッシャーを感じることはないと思うので、そういう意味では楽しみですね。ただやっぱり勝ちたいという思いもあるので、そこまでの過程をもっとだいじにしないとなっていうのは思いますね。
今尾 主将にいい形で回せるようにね、それまでに終わっちゃうともう消化試合になっちゃうからね(笑)。
一同 (笑)。
今尾 勝ちが決まっている状態ではまだいいけど、負けが決まっている状態でっていうのは申し訳ないので。いい形で回せるようにっていうのは意気込みですね 。
――最後に言っておきたいことなどあれば
末廣僕としては優しくなったなって。
越間 そこなの(笑)。
末廣 自分としてはそう思ってるんですけどね(笑)。
越間 でもビビってるんでしょ。
末廣 ビビってるのはいい意味だと思ってる。威厳があるみたいな。たぶんそれがあるので、練習とか勝手にやってくれるんですよ。部員には感謝してますね。
――ありがとうございました!
(取材・編集 秦絵里香、萩原大勝)
4年生ということで自由に書いていただきました!
◆末廣祥彦(すえひろ・よしひこ)(※写真中央)
1995(平7)年5月2日生まれ。171センチ65キロ。東京・世田谷学園高出身。スポーツ科学部4年。別日に行われた新人対談で「一生ついていきたい」と大絶賛されていた末廣主将。色紙には昨年主将を務めた「兄を超える」。チームを一つにさらなる高みを目指します!
◆今尾光(いまお・ひかる)(※写真右)
1995(平7)年6月12日生まれ。173センチ、68キロ。大阪・浪速高出身。スポーツ科学部4年。度々カメラ目線をくれるなどサービス精神旺盛な今尾選手。対談中は今尾選手の一言で場が和む場面が何度もありました。試合ではワセダのエースとしてここぞの場面での勝利に期待です!
◆越間菜乃(こしま・なの)(※写真左)
1996(平8)年1月8日生まれ。島根・石見智翠館高出身。教育学部4年。4年間続けてこれたのは同期のおかげだという越間選手。色紙には4年生10人を表して「十人十色」と書いてくださいました。支えてくれた同期、後輩のためにも最後の舞台で有終の美を咲かせます!