今尾が最後の個人戦で優勝を飾る!

空手

 今年度最後の個人戦となる関東学生体重別選手権が慶大日吉記念館で行われた。男子―75キロ級での今尾光副将(スポ4=大阪・浪速)の優勝を筆頭に3名が入賞を果たした早大。2週間後に控える全日本大学選手権(全日本)へ向けて順調な仕上がりがうかがえる結果となった。

 普段は体重無差別で試合が行われることが多い空手だがこの日は体重別。そのため今大会は来年神戸で行われる世界学生選手権(世界学生)への選考も兼ねている。これまで新人ながら主力として活躍している芝本航矢(スポ1=東京・世田谷学園)は世界学生への出場を目指して7キロの減量、男子-60キロ級の試合に臨んだ。「体がフワフワしていて決めが作りづらい部分があった」という芝本だが、4回戦では試合終了と同時に逆転の中段蹴りを決めるなど勝負強さをみせ、決勝まで駒を進める。決勝は壮絶な技の打ち合いとなり、9-8で芝本が1ポイントをリードした状態で試合は終盤を迎えるも、そこから相手の蹴りが決まり逆転負け。今度は自分が最後の最後に技を決められてしまった芝本は「団体戦では絶対にそのような負け方はしない」と誓った。

世界学生を見据えて戦った芝本

 「(一回戦で勝利して)そのままの勢いで決勝までいけた」という今尾は順調にトーナメントを勝ちあがり、準決勝を4-0で完勝すると、決勝で帝京大の中村と対戦。見合う組手の展開してくる相手に対して同じく見合う組手で対抗した。お互い得点がないまま、2分が経過しようかというところで先取すると、立て続けに2本目の突きも決め、勝負を決定づけた。残り20秒で相手に中段蹴りを決められ同点にされてしまうが、そのまま相手の猛攻を退け勝利した今尾。入学してすぐの六大学大会以来の優勝、そして学連主催の大会では初の優勝となった。これまで出場したどの試合でも優勝を目指してやってきた今尾が学生最後の個人戦で有終の美を飾った。

悲願の優勝を果たした今尾

 他にも澤入迅人(スポ3=静岡・常葉菊川)が3位入賞。また例年に比べて上位に入った選手も多く、チームが上り調子であることは間違いないだろう。この一年間の集大成、そして4年生にとっては大学生活の集大成となる大舞台まであと2週間。好調そのままに全日本では日本一を目指して躍動してほしい。

(記事、写真 萩原大勝)

結果

▽男子-60キロ級

芝本 2位

笹野 ベスト16

▽男子-67キロ級

澤入 3位

▽男子-75キロ級

今尾 優勝

▽女子-55キロ級

中村 ベスト16

▽女子-68キロ級

越間 ベスト8

※上位入賞者のみ掲載

コメント

今尾光(スポ4=大阪・浪速)

――今の率直な気持ちをお聞かせください

学生最後の個人戦で、最後に優勝という形で有終の美を飾ることができて非常に嬉しく思います。

――きょうの試合でヤマ場をあげるとするならどこでしょうか

最初に勝たないと、もちろんトーナメントを勝ち上がれないので、1回戦を慎重になり過ぎることなく、思い切って戦うことを意識しました。その結果、普通に勝てたので、そのままの勢いで決勝まで行けたのだと思います。

――決勝の相手の情報はありましたか

そうですね、高校の時もやってたりしてたので、元々知っている選手でした。とても強い選手で、仲も良いんですけど、大会のトーナメントを見た時からやりたいなと思っていたので、あの場所で戦えたことを嬉しく思います。

――どのように試合を組み立てていきましたか

結構見合う選手だったので、こちらも見合って駆け引きで組手するのは得意なので、そこで勝負していきました。

――残り20秒で追いつかれたときの心境は

やっちゃったなという感じですね。変なことせずにシンプルにやっておけばよかったなと反省してます。向こうも強い選手で取り返す力のある選手なので、内心すごく焦っていました(笑)。

――早大から3名が入賞しましたがその点いかがですか

1年生の芝本の決勝がほぼ同時に始まって、結果が分からない状態だったんですけど、先輩として負けるわけにはいかないので、ワセダの先輩として自覚をもって戦いました。後輩の頑張りは自分のモチベーションに繋がりましたね。

――今後の意気込みをお願いします

全日本ではもちろん良い成績を残して、最後は早慶戦で良い形で終われるように、末廣主将(祥彦、スポ4=東京・世田谷学園)と協力してやっていきたいと思います。

芝本航矢(スポ1=東京・世田谷学園)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

内容的には自分の組手が出来たわけではなかったんですけど、絶対に勝ちたいという執念でやりました。決勝では悔しい負け方をしたので、団体戦では絶対そのような負け方はしないようにしたいと思います。

――きょうは体重別ということでしたが

自分は7キロ減量しました(笑)。体もフワフワしていて決めとか作りづらかった部分はあったんですけど、勝つために減量しているのに、減量したから負けたという言い訳は絶対したくなかったので、その体重に慣れるように日頃から常に60キロを維持しながら練習していました。

――この大会を通してヤマ場はありましたか

自分の中では、一つ一つ気を抜かずにやっていて、相手が弱いからとかいうこともなく、どの試合も大事に戦いました。

――試合終了と同時に逆転を決めた4回戦を振り返っていかがですか

あれはもう取られて2秒しかなかったんですけど、最近負けが続いていて絶対負けたくなかったので、2秒でもなんとか取り返してやろうとがむしゃらにやりました。その結果、勝てて良かったです。

――しかし決勝では最後に逆転を許してしまいました

本当に悔いしかないです。最後まで気を抜かない大事さを改めて実感したので、0秒になった後も最後の最後まで気を抜かずに組手をやりたいと思います。

――最後に全日本への意気込みをお願いします

全日本は自分のワセダでの一年間の集大成になるので、勝つという強い執念で戦っていきたいと思います。