4月12日、東京六大学選手権が明大駿河台キャンパスのリバティータワーで行われた。男子団体では昨年制した明大・慶大に敗れるものの、強豪法大に4−0で圧勝。準優勝を果たした。澤入迅人(スポ1=静岡・常葉菊川)、塚本惇樹(スポ1=千葉・拓大紅陵)が1年生ながら勢いのある戦いを見せ、また女子団体でも、中村朱里(スポ1=愛知・旭丘)が奮闘し、個人戦では2回戦まで駒を進めるなど、1年生の出場も目立ったこの試合。団体戦中に停電のアクシデントがあったものの、集中を切らすことなくデビュー戦を終えた。
男子団体では、初戦の明大、慶大と引き分けになり判定負けを喫する。しかし後半から徐々に勢いづき、東大4−1、立大3−1、法大4−0で相手にほぼ勝ち点を与えず圧勝。きょねんの六大学戦でも活躍した今尾光(スポ2=大阪・浪速)、末廣祥彦(スポ2=東京・世田谷学園)らが着実に白星を積み重ね、準優勝を手にした。だが、今大会がデビュー戦となる1年生も、上級生顔負けの活躍を見せる。澤入は、「最初から前でガツガツと勝負して、積極的な空手を見せようという意気込みで臨みました」と語った。その言葉通り序盤から攻め込み、副将として戦った立大戦、法大戦では後半にツキを何度も決め、点を奪っていった。「すごく緊張した」と語る塚本も奮戦し、1勝こそあげられなかったものの、互角な戦いを見せ、「次の関東個人選手権までには攻めてポイントの取れる組手をしたい」と、課題を見つけ先を見据えていた。
終始気迫のこもった空手を見せた澤入
一方女子団体では、東大2−1、法大2−1で制すも強豪校には完敗し4位に終わった。しかしここでもルーキーの活躍が光る。中村は団体戦にほとんど毎回出場し、果敢に立ち向かっていた。「団体戦に出るのが初めてだったので、独特のプレッシャーを感じることに慣れていなかった」と団体戦を振り返るが、大いに存在感を見せていた中村。個人戦でも2回戦まで勝ち進み、滑り出しは上々だ。空手部女子に新たな風を吹き込んだ中村に期待がかかる。
緊張しながらも勝ち点を持ち帰ってきた中村
明大戦、慶大戦では引き分けからあともう1つ勝ち点を取る事が出来なかった早大。永田達矢主将(商3=東京・早稲田)は「(試合の)入りを重視していきたい」と、今後の課題を口にした。一方、「あの二人(澤入、塚本)が勝ってくれたからきょう勝てたところもあるので、今後もこの二人に注目してもらいたい」と、主将も期待を寄せている。末廣や日本代表に選出された今尾に加え、このルーキー達が早大空手部をさらに勢いづけてくれることだろう。今後の彼らから、目が離せない。
(記事 三田侑実、写真 谷口武)
※掲載が遅くなり、申し訳ありません
結果
【男子団体】
2位
【女子団体】
4位
コメント
永田達矢主将(商4=東京・早稲田)
――団体戦を振り返って、チームとしてはいかがでしたか
チームとしては、1、2試合目の入りが悪いというのがあって。きょねんもそうだったんですけど、毎回そのあとにだんだん上がってくるんですよね。トーナメント戦になると1回負けたらおわりになってしまうので、(試合への)入りを重視していきたいと思います。
――昨年の六大学戦で制した明大・慶大に負けてしまいましたがいかがですか
最初の1、2試合目だったこともありますし、自分自体が引き分け以上だったら勝ちだったところを、不用意な攻めで上手くできなかったというのが敗因の一つだったと思います。新人はよくやってくれましたけどね。
――強豪の法大は圧勝しましたが、それについて
あっちもフルメンバーではなかったので、なんとも言えないんですけど、法政は5試合目だったということもあって、皆体も動いてましたし、相手の出てくる瞬間とかも捉えていて、そういう部分では自分たちの調子も上がってきて、いい組手が出来たから勝てたのかなと思います。
――ご自身の反省点についてはいかがでしたか
きょうは初めての試合で、しかも5番目ということで、変な気負いを持ちすぎてしまいました。固くて足が動かなかったり、いつも通りの組手が出来なかったというのが一番の原因かなと思っています。これからきょねんまでの組手に戻っていこうと思っています。
――個人戦で印象に残った後輩は
やはり新しく入ってきた塚本(惇樹、スポ1=千葉・拓大紅陵)と澤入(迅人、スポ1=静岡・常葉菊川)ですね。この二人が、高校までつけていた防具がないなかで、うまいことやってくれて、二人が勝ってくれたからきょう勝てたところもあるので、今後もこの二人に注目してもらいたいと思います。
――主将として初の大会でしたがいかがでしたか
自分の試合が不甲斐なかったばかりになんとも言えないんですけど、チームとしての練習の意識とかはどんどん上がってきているので、それをもっと1試合目から落とし込めたらもっと強い良いチームになれるんじゃないかなと思います。
――きょうの試合で残った課題や収穫したものはありましたか
ワセダは足腰の力が足りなくて推進力がない、というところと、あと一本で相手を抑えるという力が足りないので、そこはしっかりと、他の大学を見習って、自分たちももっと厳しい足腰の鍛錬をやるべきだなと思いました。
――次の関東大会に向けて
今回、男子は7人出られるんですけど、男子も女子も勝ち上がって、実際にワセダとワセダで戦い合うぐらいまでみんなで残っていきたいなと思います。
塚本惇樹(スポ1=千葉・拓大紅陵)、澤入迅人(スポ1=静岡・常葉菊川)、中村朱里(スポ1=愛知・旭ヶ丘)
――大学に入って初めての試合でしたが、いかがでしたか
塚本 すごく緊張して、先輩に迷惑をかけないようにと考えていました。試合中にも先輩方が励ましてくださったので、やりやすかったです。
澤入 最初から前でガツガツと勝負して、積極的な空手を見せようという意気込みで臨みました。
中村 初めての試合ですごく緊張しましたが、先輩方が後ろから応援してくださったので、とても楽しくできました。
――きょうのご自分の試合を振り返って
塚本 自分は今回1勝もすることができず、チームの役に立つことができなかったのは悔しいですね。
澤入 先鋒で出場しておきながら、勝つことができなかったので。勢いをもたらすためにも、先鋒で出たときには必ず勝てるようにしたいです。
中村 団体戦に出るのが初めてだったので、独特のプレッシャーを感じることに慣れていなくて。すごく緊張しながら頑張りました。
――もともと3選手とも高校までは組手をなさっていたのでしょうか
塚本 そうですね。
澤入 組手です。
中村 自分もですね。
――ワセダの空手部の雰囲気はいかがでしょうか
澤入 先輩もとても優しくて、練習の雰囲気もとても良いです。部活を楽しくやれていますね。
――きょうの試合で明らかになった課題を教えてください
塚本 きょうは自分から積極的に攻撃を仕掛けて勝つ、ということができなかったので、次の関東個人選手権までには攻めてポイントの取れる組手をしたいと思っています。
澤入 背の高い選手と対戦するときに、自分は何もすることができませんでした。自分よりも大きな選手と戦う際にしっかりポイントが取れるようにすることが目標です。
中村 攻める組手があまりできなかったので、これからはしっかりと学んでいきたいと思います。
――これからの大学競技生活での目標を教えてください
塚本 空手部に入ったからには全国大会に出て、優勝したいですね。
澤入 一緒です(笑)。
中村 一試合でも多く勝って、団体の勝利に貢献できたらと思います。
今尾光(スポ2=大阪・浪速)
――――きょうが新チームになって初めての試合でしたが、どのように臨まれましたか
勝つことはもちろんのこととして、あとはいかに良い内容の試合ができるか、ということに重きを置いていました。あとは、チームを盛り上げること、特に1年生が安心して戦えるような雰囲気づくりを意識しました。
――永田達矢主将(商4=東京・早稲田)の下、チームの雰囲気は変わりましたか
そうですね、厳格な先輩なので、チームの雰囲気もパリッとしていて良い感じにできていると思います。
――きょうの試合について、団体戦では
もっといけるのではないかと思っていたので。まだまだ伸びしろはあると思います。
――1年生が3人出場されました。昨年度1年生ながら優勝された今尾さんからご覧になっていかがでしたか
どこまでやってくれるかと思っていましたが、まだまだ指導していかないとなと思いましたね。