薬師寺・今尾が全日本出場権を獲得!

空手

 全日本学生選手権(全日本)への出場権が懸かった今大会。ワセダからは形、組手合わせて14人の選手が出場した。形では思うような結果を残せなかったものの、組手では強豪校の選手が多く出場する厳しいトーナメントを勝ち上がった早大勢。薬師寺拓哉主将(商4=東福岡)がベスト16、今尾光(スポ1=大阪・浪速)がベスト32へ進出し、見事全日本への切符を手に入れた。

 主将の意地を見せた。今季の団体戦では主将としての重圧からか、なかなか本領を発揮できなかった薬師寺主将。しかしこの日は相手の隙を見逃さず確実に突きを決めていく冷静な試合運びで、順調にトーナメントを勝ち上がっていく。迎えた5回戦、相手の拳が口元に当たってしまい負傷。まさかの棄権という形で今大会を終えることとなってしまったものの、その手で頂点への道を切り開いた。

果敢に相手選手に立ち向かう薬師寺主将

 主将の背中を追い、下級生もその存在感を示す。なかでも男子組手に出場した今尾は、1年生らしからぬ堂々とした戦いぶりを見せた。4回戦では、強豪・帝京大の選手と対戦。相手に2点のリードを許したまま、試合時間残り15秒と追い詰められたそのときだった。今尾の上段蹴りが見事に決まり、逆転勝利。続く5回戦で延長戦の末に悔しい敗北を喫したものの、ベスト32と健闘した。全日本出場権を得て、「ひとつ目標を達成できた」と語る今尾。自信を身に付け、約1か月後に控える大舞台での活躍も期待される。

ルーキーながらベスト32に食い込んだ今尾

 薬師寺主将とルーキーの今尾がそれぞれ全日本への出場権を獲得。個人戦において、部員は仲間であるとともに好敵手でもある。形、組手関係なく、身近な好敵手の活躍は早大空手部を躍進させる素晴らしい起爆剤になることだろう。

(記事 土屋佳織、写真 芦沢仁美)

★上杉、惜しくも出場権獲得ならず 選考会で再起を誓う

カンクウダイを披露する上杉

 昨年度、個人戦・団体戦ともに全日本の舞台に立った上杉ユミ(スポ4=東京・八雲学園)。「ことしがラストなので、集大成を見せたかった」。最高学年として迎える最後の全日本個人戦へ気合は十分だったが、思うような形を打つことはできなかったという。「気負いすぎてしまったかな」。得意とするカンクウダイを披露したが、惜しくも出場権獲得を決めることはできなかった。形競技の難しさは「本番の時に今まで練習してきたことができないことがあり、一発勝負で決まるというところ」と語る上杉。残されたチャンスは6月1日に行われる選考会。その実力を遺憾なく発揮し、大舞台への切符を手にしたい。

結果

薬師寺 ベスト16

今尾 ベスト32

永田達也(商3=東京・早稲田)4回戦敗退

※上位入賞者のみ掲載

コメント

今尾光(スポ1=大阪・浪速)

――今大会に向けて何か具体的な準備や目標はありましたか

全日本学生選手権大会(全日本)出場を今回は意識していたので、悔しい面もありますが、ひとつ目標を達成できたので満足しています。

――全日本出場権がかかっているという点でプレッシャーはありましたか

プレッシャーは感じませんでした。ただ全日本出場権をかけ、日本代表の選手と対戦した3回戦では、勝利を強く意識しました。今大会では、戦いを楽しむことを意識しました。

――今大会や六大学戦を通して蹴りが効果的に使えているのではないでしょうか

自分の持ち技なので、それを武器にいろいろな戦い方ができればよいと思っています。

――敗れてしまった試合では、終盤から消極的な姿勢が出たように思います

自分の得意な蹴りが完全に封じられてしまい、打つ手が見当たりませんでした。大きな体格の相手だったので、攻めあぐねてしまいました。

――全日本に向けての意気込みを聞かせてください

1年生なので、チャレンジャー精神を忘れずに初戦突破を目指します。自分らしい組手ができるようにしたいです。

永田達矢(商3=東京・早稲田)

ーー今季初の個人戦でしたが、どのような気持ちで臨みましたか

とりあえず自分の組手をしていこうと思っていたのですが、なかなか身体が動かなかったですね。


ーー目標は何位でしたか

ベスト32で全日本への出場権を獲得、というのを目指していました。


ーー試合を振り返っていかがでしたか

やはり身体が動かないな、と。特に負けた時の相手は大きな相手で、自分の方が動いていかないといけない場面でなかなか動けなかったと思いました。


ーー次戦へ向けての修正点や課題は

足腰を強化することと、体幹の軸をもう少し強くして、自分から前に出る組手をしていきたいと思います。


ーー次戦への意気込みをお願いします

初めでも終わりでもいつ出場してもしっかりと勝ちを持って帰れるような、仕事を任せられるようなポジションになりたいと思います。

末廣祥彦(スポ1=東京・世田谷学園)

――今大会に向けて何か具体的な準備や目標はありましたか

全日本に出場することを目標に練習してきました。特に気負うことなく、一年生として思い切り臨みました。

――きょうの試合を振り返っていかがですか

負けたことで多くの収穫が得られました。同期の今尾が勝っているので、自分が情けないです。準備も足りませんでしたし、自分の実力のなさがよく分かりました。

――具体的な修正点として何が挙げられますか

貪欲さが足りないと思いました。他の選手の試合を見ていると、ポイントを取ろうという気持ちが自分とは全く違うように感じられました。

――次の試合への意気込みを教えてください

今大会を機に自分の空手を変えていきたいと思いました。今回の敗戦はかなりショックでしたし、実力がないことがよく分かりました。反省するべき点はしっかり反省し、気持ちを切り替えて、次につなげたいと思います。

上杉ユミ(スポ4=東京・八雲学園)

ーー今季初めての形の試合でしたが、どのような気持ちで臨みましたか

ことしがラストなので、集大成を見せたかったのですが。気負いすぎてしまったかなと思います。あまりいい形が打てず、納得のいかない部分があります。

ーー目標は定めていましたか

目標としては関東ベスト4を掲げていました。

ーープレッシャーは大きかったですか

はい、それもありますが、試合に持っていくまでの持っていき方が、甘かったかなと思います。

ーーカンクウダイの形は以前も打っていらっしゃいましたが、得意な形なのですか

そうですね。一番得意な形です。

ーーここ何試合かは組手の試合に出ていらっしゃいましたが、組手とは違う、形の難しさというのは何でしょうか

形の難しさは、本番の時に今まで練習してきたことができないことがある、一発勝負で決まるというところだと思います。また、私はいままで形をメインにやってきていている分、気持ちが入りすぎてしまうところもあったのかもしれないです。

吉田朋生(スポ1=神奈川・横須賀学院)

――入学して初めての大会でした

まず関東の全部の大学が集まるっていうことで、うまい人が集まる大会っていうのをこの場に来て改めて感じて。雰囲気にのまれたっていうのは一番大きいかなと思います。

――緊張はありましたか

緊張はなかったんですけど、一緒に形を打った人への歓声が聞こえてしまって、集中が崩れたところがあると思います。

――21.2点という判定でした

本当にボロボロっていう感じで。全然自分のやりたいこともできないで、ただ何もせずに終わってしまいました。反省しかないです。

――今後は形を中心に大会に出場されるのですか

形、組手の両方でしっかり成績を残したいと考えています。練習でも両方しっかりとやっていくつもりです。

――大学空手生活での目標は

組手では7人のレギュラーに入ることと、形では目標としている慶大の選手に少しでも追い付けたらと思います。

――今後に向けて強化したい部分はどこでしょうか

まずは形を打つ上で会場の雰囲気にのまれないことと、足腰、土台の部分をしっかり集中的に鍛えてぶれない形を打ちたいと思います。