地力を発揮できず、2回戦敗退 目標に向けての課題も見えたか

弓道

 全関東学生選手権(全関東)本戦1日目、男子団体と個人の決勝が行われた。団体予選でシード権を獲得できなかった早大は、決勝トーナメント1回戦から登場する。高い的中で1回戦を通過すると、2回戦ではシード校の国際武道大との対戦を迎えた。しかし実力を十分に発揮することができず、2回戦でトーナメントから姿を消した。早大から5人が出場した個人決勝では、田沼翔太副将(スポ4=東京・桜修館中教校)と宮﨑滉巳(社3=埼玉・県浦和)が尺二的の1本目を的中させたが、次の2本目を二人とも当てることができず、早大は今季の全関東を終えた。

 本戦はまず団体決勝戦からのスタートだ。予選でシード権獲得とならなかった早大は、1回戦からのトーナメント勝ち上がりを狙う。予選から選手や立順を入れ替えて臨んだ1回戦は、一橋大との対戦となった。大前では田沼副将、落では宮﨑が皆中を出し、立全体としても良い流れで試合を運んでいく。参的の黒羽航平(文構4=東京・早大学院)も皆中、落前の河野誠也(人2=埼玉・県浦和)が3中を出すなどして合計で19中。16中の一橋大を破って2回戦進出を決めた。1回戦の他の結果から見ても19中は高い的中で、退場していく選手たちは顔を見合わせて笑顔を浮かべていた。

楽しみながら最後の全関東を終えた田沼

 続く2回戦の対戦相手である国際武道大は、予選を2位通過している強豪だ。なるべく先手を取って相手に流れを渡したくない早大だったが、6人全員の1本目の合計が3中。24射20中台に乗せてくる可能性が高い相手と戦うには、痛い3本だった。その後も何とか流れを引き寄せようとするが、一巡するごとに2、3本を外してしまう状況が続いてしまう。落の宮﨑は皆中を決めたが、4人が2中以下を出して14中にとどまり、14-20で団体2回戦戦での敗退が決まった。

宮﨑は団体戦では1本も外さず、落として役割を果たした

 個人決勝戦には団体戦に出場した田沼副将、竹宇治雄介(政経2=東京・早実)、宮﨑の他に、東海枝航平主将(スポ4=埼玉・県浦和)、萬木健人(創理3=東京・早大学院)の5人が出場した。早大は田沼と宮﨑が尺二的の1本目を当てて、2本目に進む。しかし、両選手とも次の尺二的の2本目を外してしまい、脱落。これによって今季の早大の全関東の競技が終了した。

 4年ぶりに日本武道館のアリーナに、独特の声援が響き渡った。応援の掛け声は各大学によってさまざまで、早大の部員たちも懸命に声を出して、アリーナに立って戦う仲間を鼓舞し続けた。大学弓道でも徐々にコロナ禍以前の活気を取り戻しつつある。早大の結果は団体でも昨年の順位に届かず、個人でも入賞者はなしという物足りないものだったかもしれない。ここからさらに大きな大会がやってくる。大会に合わせていい調子を持ってくる力、大舞台でも臆することなく自分たちの力を発揮できるかが、掲げている日本一という目標の達成に向けて重要になってくるだろう。

(記事、写真 新井沙奈)

※掲載が遅くなり申し訳ありません

結果

〈団体〉

1回戦

大前 田沼 4射4中

弐的 沢田 4射2中

参的 黒羽 4射4中

四的 竹宇治 4射2中

落前 河野 4射3中

落  宮﨑 4射4中

○早大19中-一橋大16中

2回戦

大前 田沼 4射3中

弐的 沢田 4射2中

参的 黒羽 4射2中

四的 竹宇治 4射2中

落前 河野 4射1中

落  宮﨑 4射4中

●早大14中-国際武道大20中

〈個人戦〉

東海枝 ×

田沼 ○×

竹宇治 ×

宮﨑 ○×

萬木 ×

コメント

田沼翔太副将(スポ4=東京・桜修館中教校)

――試合の振り返りをお願いします

 久しぶりに大前に戻ってきて、昨日の練習ではあまり調子が良くなかったのですが、アリーナでは緊張に飲まれずに楽しむことが一番だと思ったので、そこを意識してやることだけ考えました。結果的に1本は抜いてしまいましたが、8射7中に収めることができたのかなと思います。

――今の調子を考えると今日の射は良かったということですか

 そうですね。やはり練習の感覚をあまり気にしすぎてもだめなので、やることだけ決めて当日はそれだけをやるというようなかたちにしました。

――射についての改善点などは見つかりましたか

 まだ自分の中で詰め切れていない部分がありました。ここから選抜やインカレ(全日本学生選手権)予選が続くので、限られた時間の中でどれだけ細かいところまで詰めていけるかが勝負になると思います。

――個人戦はどうでしたか

 個人戦は正直周りと一緒に楽しく引くという気持ちがあったので、1本は当てられたのでそこは良かったと思います。ただ団体戦くらい集中していればもう少し当てられたかなと思うので、楽しみながらも集中するというのをインカレの個人戦には生かしていきたいと思います。

――学生弓道最後の全関東でしたが、満足できるものになりましたか

 そうですね。4年になってやっと声出しが解禁になって、お祭りの全関というのも体感できて、その中で的中も出すことができたので。本当は入賞、優勝したかったですが、最後にいい経験ができたなと思います。

――今後の大会に向けて意気込みをお願いします

 選抜やインカレはもっと大きなタイトルになってきますし、全ての大会が学生最後になってくるので、最後の選抜、インカレを悔いのないようにやっていきたいと思います。